アメリカではコンバーチブル、英国ではドロップヘッド、イタリアではスパイダー、そしてドイツではカブリオレと呼ばれているルーフが開閉するクルマだが、2人乗りのスポーツカーと4~5人乗りの、おしゃれな遊び心溢れるタイプがある。
4~5人乗りのオープンカーだが、かつては国内メーカーも「パプリカ」「セリカ」「ファミリア」「コンパーノ」などの小型車をラインアップしていたが、上級車となると「スカイラインスポーツ」「ソアラ」「レクサスIS」など、数えるほどしか製造されなかった。もちろん今は皆無だ。しかし、世界の歴史を振り返ると、メルセデス・ベンツの4~5人乗りオープンカーの歴史は1930年代に始まっている。以来、乗用車シリーズの中には必ず入っている。
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ちなみに「CLEカブリオレ」は、現在のメルセデス・ベンツが製造する乗用車シリーズの中で唯一の4~5乗りオープンカーだ。ベースになったのは、2024年3月に日本にデビューした「CLEクーペ」。2865mmのホイールベース、4850mmの全長、1860mmの全幅は「CLEクーペ」と同じだ。全高は「CLEカブリオレ」のほうが5mm高い1425mmとなっている。車両重量も車体のオープン化に伴い、各所で補強されており、100kg重い1900kgとなっている。
強化されたボディー剛性はAピラーが万が一横転した時に、乗員の生存スペースを確保する構造になっている。後部座席には左右シート用にヘッドエアバックも装備された。これにより「PRE-SAFE」機能とエアバッグにより後部座席の乗員の保護も可能になった。
今回、試乗した「CLE200カブリオレ」はシルバーのボディカラーに黒のソフトトップという組み合わせだ。ソフトトップは黒が標準色で、レッド、グレーがオプションになる。ホロを閉じた状態のカブリオレは、前席の頭上の圧迫感も少なく、斜め左後方の死角も小さい。遮音性と耐候性にも優れている。
後席はやや高めの着座位置なので頭上の空間は狭い。メーカーでも身長165cmまでが快適さは限界だと謳っている。背もたれもほぼ垂直で、足元も狭い。床中央のトンネルも盛り上がりが高く、横方向の移動は難しい。
2+2シーター的ではあるが、後席はクッションもあるし、安全性も確保されているので、2+2よりもう少し実用的といえる。ホロを開ければ、短距離なら4人乗車もできるのが4シーターカブリオレの上手な使い方といえる。とはいえ、現実には後席は贅沢な荷物スペースと考えたい。
ホロは時速60km以内なら走行中に室内のレバースイッチで自動開閉する。開閉にかかる時間は約20秒。これで「CLEカブリオレ」は完全にオープンになった。サイドウインドウは立てたまま走行する。フロントウインドウ上部のウインドディフレクターとドラフトストップの効果で室内に侵入する風の巻き込みは少ない。サイドウインドウを全開にすると、さすがに風の巻き込みはあるが、フルオープンは開放感があり、気持ちがいい。
外気温が低い時はフロントシートヘッドレスト根元に内蔵されたエアスカーフが首元を温めてくれる。試乗はオプションのレザーエクスクルーシブパッケージ(+90万円)を装備していたので、シートヒーターに加え、シートベンチレーターも備わる。これの効果で暑い季節も体に風が当たるので、夏場は重宝するはずだ。
街中での「CLEカブリオレ」は若干、低回転域でアクセル・オンからのエンジンの唸り音が気になる時があるが、走りはスムーズ。直列4気筒2.0Lガソリンターボエンジンは、1200回転あたりからトルクが出ているので、加速性能に大きな不満はない。60km/hは7速1100回転なので、この領域からならアクセルをちょっと開ければ、力強い加速を体感させてくれる。
Dレンジでの加速性能は0→100km/hの加速7秒台。直4エンジンは回転計のレッドゾーンが始まる6200回転まで上昇し、シフトアップしていた。100km/h走行は9速1300回転、8速1600回転、7速2200回転。Dレンジでの走行は静粛性が保たれている。ホロを閉じていれば、ほとんどクーペ並み。オープンにしても風の巻き込みは少なかった。
ハンドリングに関してだが、サスペンションは一定の負荷がかかった時に、瞬時に減衰力を高められるセレクティブダンピングシステムを採用したスポーツサスを標準装備している。DYNAMICモードはエコ/コンフォート/スポーツ/インディビティブの4モードをコンソールのダイナミックボディコントロールサスを装備。ドライブ/ハンドル/ESP2、サスペンション、サウンドの設定を総合制御する。
乗り心地は、コンフォート/スポーツで大きくは変化しない。スポーツモードでも、硬さやハンドリングはマイルド。イメージとしては、スポーツモードでも不必要にサスを硬めたりしないで、あくまででも女性の街乗りにも耐えられるセッティングになっている。女性を意識した優しいクルマ造りをしていると感じた。
街中でも郊外のワインディングでも、海岸線の波乗りロードでも、「CLE」は優雅に楽しく走るのが似合っている。リゾート地での意外な発見は荷室の容量の大きさと使い勝手だ。リアの荷室はホロを開けた時に、荷物と接触しないようカバーが下りている。その高さは約260mmほど。試しに、ゴルフバッグを入れ、カバーを下すとピタリと収納できた。「CLE」はゴルフバッグをトランクに収めて、オープンにして、ゴルフ場や練習場に行くことができる数少ないカブリオレなのだ。
■ 関連情報
https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/models/cabriolet-roadster/cle/overview.html
文/石川真禧照 撮影/萩原文博
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