現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > メルセデス・ベンツ「CLE200カブリオレ スポーツ」は大人の使い方ができる美しきスポーツカー

ここから本文です

メルセデス・ベンツ「CLE200カブリオレ スポーツ」は大人の使い方ができる美しきスポーツカー

掲載
メルセデス・ベンツ「CLE200カブリオレ スポーツ」は大人の使い方ができる美しきスポーツカー

 アメリカではコンバーチブル、英国ではドロップヘッド、イタリアではスパイダー、そしてドイツではカブリオレと呼ばれているルーフが開閉するクルマだが、2人乗りのスポーツカーと4~5人乗りの、おしゃれな遊び心溢れるタイプがある。

 4~5人乗りのオープンカーだが、かつては国内メーカーも「パプリカ」「セリカ」「ファミリア」「コンパーノ」などの小型車をラインアップしていたが、上級車となると「スカイラインスポーツ」「ソアラ」「レクサスIS」など、数えるほどしか製造されなかった。もちろん今は皆無だ。しかし、世界の歴史を振り返ると、メルセデス・ベンツの4~5人乗りオープンカーの歴史は1930年代に始まっている。以来、乗用車シリーズの中には必ず入っている。

ホンダがクルーズ、GMとの協業による自動運転タクシーサービスを2026年初頭に開始

 ちなみに「CLEカブリオレ」は、現在のメルセデス・ベンツが製造する乗用車シリーズの中で唯一の4~5乗りオープンカーだ。ベースになったのは、2024年3月に日本にデビューした「CLEクーペ」。2865mmのホイールベース、4850mmの全長、1860mmの全幅は「CLEクーペ」と同じだ。全高は「CLEカブリオレ」のほうが5mm高い1425mmとなっている。車両重量も車体のオープン化に伴い、各所で補強されており、100kg重い1900kgとなっている。



 強化されたボディー剛性はAピラーが万が一横転した時に、乗員の生存スペースを確保する構造になっている。後部座席には左右シート用にヘッドエアバックも装備された。これにより「PRE-SAFE」機能とエアバッグにより後部座席の乗員の保護も可能になった。



 今回、試乗した「CLE200カブリオレ」はシルバーのボディカラーに黒のソフトトップという組み合わせだ。ソフトトップは黒が標準色で、レッド、グレーがオプションになる。ホロを閉じた状態のカブリオレは、前席の頭上の圧迫感も少なく、斜め左後方の死角も小さい。遮音性と耐候性にも優れている。



 後席はやや高めの着座位置なので頭上の空間は狭い。メーカーでも身長165cmまでが快適さは限界だと謳っている。背もたれもほぼ垂直で、足元も狭い。床中央のトンネルも盛り上がりが高く、横方向の移動は難しい。



 2+2シーター的ではあるが、後席はクッションもあるし、安全性も確保されているので、2+2よりもう少し実用的といえる。ホロを開ければ、短距離なら4人乗車もできるのが4シーターカブリオレの上手な使い方といえる。とはいえ、現実には後席は贅沢な荷物スペースと考えたい。

 ホロは時速60km以内なら走行中に室内のレバースイッチで自動開閉する。開閉にかかる時間は約20秒。これで「CLEカブリオレ」は完全にオープンになった。サイドウインドウは立てたまま走行する。フロントウインドウ上部のウインドディフレクターとドラフトストップの効果で室内に侵入する風の巻き込みは少ない。サイドウインドウを全開にすると、さすがに風の巻き込みはあるが、フルオープンは開放感があり、気持ちがいい。

 外気温が低い時はフロントシートヘッドレスト根元に内蔵されたエアスカーフが首元を温めてくれる。試乗はオプションのレザーエクスクルーシブパッケージ(+90万円)を装備していたので、シートヒーターに加え、シートベンチレーターも備わる。これの効果で暑い季節も体に風が当たるので、夏場は重宝するはずだ。

 街中での「CLEカブリオレ」は若干、低回転域でアクセル・オンからのエンジンの唸り音が気になる時があるが、走りはスムーズ。直列4気筒2.0Lガソリンターボエンジンは、1200回転あたりからトルクが出ているので、加速性能に大きな不満はない。60km/hは7速1100回転なので、この領域からならアクセルをちょっと開ければ、力強い加速を体感させてくれる。

 Dレンジでの加速性能は0→100km/hの加速7秒台。直4エンジンは回転計のレッドゾーンが始まる6200回転まで上昇し、シフトアップしていた。100km/h走行は9速1300回転、8速1600回転、7速2200回転。Dレンジでの走行は静粛性が保たれている。ホロを閉じていれば、ほとんどクーペ並み。オープンにしても風の巻き込みは少なかった。

 ハンドリングに関してだが、サスペンションは一定の負荷がかかった時に、瞬時に減衰力を高められるセレクティブダンピングシステムを採用したスポーツサスを標準装備している。DYNAMICモードはエコ/コンフォート/スポーツ/インディビティブの4モードをコンソールのダイナミックボディコントロールサスを装備。ドライブ/ハンドル/ESP2、サスペンション、サウンドの設定を総合制御する。 

 乗り心地は、コンフォート/スポーツで大きくは変化しない。スポーツモードでも、硬さやハンドリングはマイルド。イメージとしては、スポーツモードでも不必要にサスを硬めたりしないで、あくまででも女性の街乗りにも耐えられるセッティングになっている。女性を意識した優しいクルマ造りをしていると感じた。

 街中でも郊外のワインディングでも、海岸線の波乗りロードでも、「CLE」は優雅に楽しく走るのが似合っている。リゾート地での意外な発見は荷室の容量の大きさと使い勝手だ。リアの荷室はホロを開けた時に、荷物と接触しないようカバーが下りている。その高さは約260mmほど。試しに、ゴルフバッグを入れ、カバーを下すとピタリと収納できた。「CLE」はゴルフバッグをトランクに収めて、オープンにして、ゴルフ場や練習場に行くことができる数少ないカブリオレなのだ。

■ 関連情報
https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/models/cabriolet-roadster/cle/overview.html

文/石川真禧照 撮影/萩原文博

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

帽子を焦がしたレーシングシャシー ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(1) バラバラからの再生
帽子を焦がしたレーシングシャシー ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(1) バラバラからの再生
AUTOCAR JAPAN
先端の「クマ」も再現 ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(2) 受賞多数のオープンボディ
先端の「クマ」も再現 ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(2) 受賞多数のオープンボディ
AUTOCAR JAPAN
トヨタ勝田貴元、惜しくも優勝逃す2位フィニッシュ……3.8秒差で僚友エバンスに軍配|WRCラリー・スウェーデン
トヨタ勝田貴元、惜しくも優勝逃す2位フィニッシュ……3.8秒差で僚友エバンスに軍配|WRCラリー・スウェーデン
motorsport.com 日本版
スズキの超ハイルーフ「本格SUV」に期待大!「ジムニー」超える“悪路走破性”に「まるで軍用車!?」な斬新デザイン採用! 日常から“アウトドア”まで大活躍の「エックスヘッド」コンセプトがカッコイイ!
スズキの超ハイルーフ「本格SUV」に期待大!「ジムニー」超える“悪路走破性”に「まるで軍用車!?」な斬新デザイン採用! 日常から“アウトドア”まで大活躍の「エックスヘッド」コンセプトがカッコイイ!
くるまのニュース
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
WEB CARTOP
被災3年…ついに架設スタート! 阿武隈川を渡る国道399号“軽くなる”新しい橋の姿は?
被災3年…ついに架設スタート! 阿武隈川を渡る国道399号“軽くなる”新しい橋の姿は?
乗りものニュース
“ランクル250”をハードコアにカスタマイズ!? オフロードチューニングのスペシャリストが最新コンプリートカー「AT37」を発表!
“ランクル250”をハードコアにカスタマイズ!? オフロードチューニングのスペシャリストが最新コンプリートカー「AT37」を発表!
VAGUE
FDJ2がMIDホイール一色に! 公式ワンメイク化でドリフトシーンに新時代到来!!…大阪オートメッセ2025
FDJ2がMIDホイール一色に! 公式ワンメイク化でドリフトシーンに新時代到来!!…大阪オートメッセ2025
レスポンス
【特集】レッドブルの非情なドライバー育成……しかし彼ら以上にドライバー育成に注力してきた存在はゼロ
【特集】レッドブルの非情なドライバー育成……しかし彼ら以上にドライバー育成に注力してきた存在はゼロ
motorsport.com 日本版
前の車との「車間距離」めちゃ大事! でも運転中「どうやって」測る!? 「高速」や「一般道」で適切な車間を取る方法とは
前の車との「車間距離」めちゃ大事! でも運転中「どうやって」測る!? 「高速」や「一般道」で適切な車間を取る方法とは
くるまのニュース
まるでリアルRPG!? 目指せ鈴鹿8耐優勝! レーシングライダー石塚健が新チーム立ち上げを発表
まるでリアルRPG!? 目指せ鈴鹿8耐優勝! レーシングライダー石塚健が新チーム立ち上げを発表
バイクのニュース
デジタル装備が進化、走行性能もアップ!フリークも納得した新型「ゴルフ8.5 GTI」の高い実力
デジタル装備が進化、走行性能もアップ!フリークも納得した新型「ゴルフ8.5 GTI」の高い実力
@DIME
【MotoGP】ホンダは思ったより大丈夫? アプリリアから加入のアルベシアーノ「革命は必要ない」
【MotoGP】ホンダは思ったより大丈夫? アプリリアから加入のアルベシアーノ「革命は必要ない」
motorsport.com 日本版
「これが普段使い!?」メルセデスAMG A35が“異次元”サウンドマシンに進化 Pro Shop インストール・レビュー by レジェーラ 後編
「これが普段使い!?」メルセデスAMG A35が“異次元”サウンドマシンに進化 Pro Shop インストール・レビュー by レジェーラ 後編
レスポンス
スーパーフォーミュラの改革は話題づくりだけじゃない。さらなる発展に不可欠な“制度整備”……ハンドボールリーグ元事務局長が荒地を耕す
スーパーフォーミュラの改革は話題づくりだけじゃない。さらなる発展に不可欠な“制度整備”……ハンドボールリーグ元事務局長が荒地を耕す
motorsport.com 日本版
スバル新型「S210」登場! 計算された“300馬力”の意図は? めちゃ速いのに室内が超快適なワケとは? 「“スゴい”スポーツセダン」についてSTI本部長に聞いてみた!
スバル新型「S210」登場! 計算された“300馬力”の意図は? めちゃ速いのに室内が超快適なワケとは? 「“スゴい”スポーツセダン」についてSTI本部長に聞いてみた!
くるまのニュース
 今や“シールドあり”が主流!? 「オフロードヘルメット」とは?
今や“シールドあり”が主流!? 「オフロードヘルメット」とは?
バイクのニュース
タナク、2.5秒差の3番手から虎視眈々「明日を楽しみにしている」/WRCスウェーデン デイ2コメント
タナク、2.5秒差の3番手から虎視眈々「明日を楽しみにしている」/WRCスウェーデン デイ2コメント
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1207.51254.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

238.0398.0万円

中古車を検索
クーペの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1207.51254.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

238.0398.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村