現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 「無償アプデ」で20ps増し マクラーレン・アルトゥーラ 長期テスト(3) タイヤ交換で速くなる?

ここから本文です

「無償アプデ」で20ps増し マクラーレン・アルトゥーラ 長期テスト(3) タイヤ交換で速くなる?

掲載
「無償アプデ」で20ps増し マクラーレン・アルトゥーラ 長期テスト(3) タイヤ交換で速くなる?

積算7329km 無償で700psへアップデート

マクラーレン・アルトゥーラは納車が始まったばかりだが、既にアップデートが施されている。モデルイヤー毎に細かな改良が加えられることは、現代のモデルでは珍しいことではないものの、今回の内容は比較的大きい。

【画像】ほぼパーフェクトな第一印象 マクラーレン・アルトゥーラ フェラーリとランボのHVスーパーカー 全131枚

アルトゥーラ・スパイダーと性能を合わせるため、最新仕様の最高出力は20ps増強された。変速時間は25%短くなり、電子制御のアダプティブダンパーは反応が90%も鋭くなった。駆動用バッテリーの電気だけで走れる距離も、数kmだが長くなった。

さらに、V6エンジンのサウンドを最適化するべく、エグゾーストシステムも置換されたという。ローンチコントロールには、ホイールスピン・モードが追加された。これで、表面に砂が浮いたような滑りやすい路面でも、最速のスタートダッシュを切れる。

ただし、既にアルトゥーラがガレージへ届けられた人でも、強く悔しがる必要はないだろう。むしろ喜んでも良いかもしれない。次回にディーラーで点検・整備を受けた際に、20馬力を追加してくれるという。

愛車を預ける前までは680psだったのに、切りの良い700psに増えた状態で家路につける。しかも、作業は無償だそうだ。

望んだ通りに動くアップル・カープレイ

さて、マクラーレンの記念すべきスーパーカー、MP4-12Cの発売から13年間が経過した。それ以降の進化で1番大きいと感じているのが、インフォテインメント・システムだ。昨今では、タッチモニターの機能性は購入動機の1つになり得る。

MP4-12Cには、マップを用いたカーナビが搭載されていなかった。その後、独自開発のIRIS(アイリス)が登場し、アンドロイド・ベースのシステムへ置き換わった。アルトゥーラには、アップル・カープレイへ対応した最新のソフトウエアが実装されている。

アップル・カープレイは、多くのクルマでも利用可能な機能で、高価なモデルなら使えて当然かもしれない。しかし、少量生産されるスーパーカーのシステムが、望んだ通りに正確に機能するという事実を、喜ばずにはいられない。

筆者は過去に、スーパーカーの純正システムに悩まされた経験が何度もある。読者の中にも、同意してくれる方はいらっしゃると思う。

他方、アップデートが必要だと思う部分はまだ存在する。モニターへ表示される、想定航続距離は殆ど当てにならないことがその1つ。ガソリンを給油し起動すると、2068kmも走行可能だと表示されることがある。28.3km/Lの平均燃費が必要になる数字だ。

筆者が以前に試乗した、マクラーレン720 Sでも同様だった。些細だと許せることかもしれないが、指摘しておく必要はあるだろう。ところが写真を載せようと思い、前回の給油後に起動してみると、現実的な285マイル(458km)が示されたのだけれど。

冬タイヤだとスペックより加速が遅い?

この機会に、ほかに気になる部分も触れておこう。サッシレスのガルウイングドアドアは、氷点下時に開けにくくなる。開閉時はガラスが僅かに下がるのだが、凍りついて動かなくなるためだ。

もう1つ、実証できないので指摘するのは躊躇するが、速度上昇についても。間違いなく、アルトゥーラは速い。公道では有り余るほど。しかし不思議なことに、スペックより加速は遅く感じられる。

フルスロットルを与えると、瞬く間に速度が上昇していく。それでも、息が詰まるような圧巻の勢いはない。

これに関しては、冬タイヤが影響している可能性が大きい。アルトゥーラの履くタイヤはハイテクで、マイクロチップが埋め込まれている。リアルタイムに空気圧を測っているだけでなく、車載システムに夏タイヤではないこと自体も伝えている。

これにより、トラクションが制限されるとアルトゥーラは判断し、パワーがある程度抑制されているのだろう。そんな制御が本当に活きるのは、公道では許されない速度で走っている場合だとしても。

これと同様なことを、720 Sでも体験している。その頃は、まだマイクロチップが埋め込まれていなかったが、夏タイヤへ履き替えた途端、解き放たれたかのように勢いが増したのだった。

アルトゥーラも夏タイヤにすれば、見違えた加速を披露するだろうと予想している。その作業時には、先述の20psが上乗せされることにもなる。今年は、早めにタイヤ交換したいと思う。

テストデータ

気に入っているトコロ

アップル・カープレイ:標準装備で、アルトゥーラの普段使いを大幅に改善してくれる。

気に入らないトコロ

冬タイヤ:トラクション・コントロールが、不必要に早めに介入してしまう。

英国価格

モデル名:マクラーレン・アルトゥーラ(英国仕様)
新車価格:18万9200ポンド(約3633万円)
テスト車の価格:22万1400ポンド(約4251万円)

テストの記録

燃費:10.2km/L
故障:なし
出費:なし

こんな記事も読まれています

改良版マクラーレン・アルトゥーラへ試乗(2) 夢中にさせる最高水準の操縦性 妥協ない動的能力
改良版マクラーレン・アルトゥーラへ試乗(2) 夢中にさせる最高水準の操縦性 妥協ない動的能力
AUTOCAR JAPAN
【欧州で先行試乗】たゆまぬ進化がもたらす未来への予感 マクラーレン アルトゥーラ・スパイダー
【欧州で先行試乗】たゆまぬ進化がもたらす未来への予感 マクラーレン アルトゥーラ・スパイダー
AUTOCAR JAPAN
さらにワイルド&ドラマチック! 改良版マクラーレン・アルトゥーラへ試乗(1) アプデで総合700psへ
さらにワイルド&ドラマチック! 改良版マクラーレン・アルトゥーラへ試乗(1) アプデで総合700psへ
AUTOCAR JAPAN
フィアット600 詳細データテスト 500より増した実用性と快適性 フィアットらしい元気さは不在
フィアット600 詳細データテスト 500より増した実用性と快適性 フィアットらしい元気さは不在
AUTOCAR JAPAN
モーターは「ホイール」の中! べデオ・ランドローバー・ディフェンダー EVへ試乗 低価格化へつながる?
モーターは「ホイール」の中! べデオ・ランドローバー・ディフェンダー EVへ試乗 低価格化へつながる?
AUTOCAR JAPAN
「史上最高」のロード・ポルシェ 718スパイダー RSへ試乗 カップカー・エンジンを軽いミドシップに!
「史上最高」のロード・ポルシェ 718スパイダー RSへ試乗 カップカー・エンジンを軽いミドシップに!
AUTOCAR JAPAN
値落ちしにくい911 定番の3シリーズ 今なら半額!な有能「中古」モデル(4) スポーツカー/最高評価モデル編
値落ちしにくい911 定番の3シリーズ 今なら半額!な有能「中古」モデル(4) スポーツカー/最高評価モデル編
AUTOCAR JAPAN
「1つ以外は」最新ミニに求めるすべて! 1.5L 3気筒の新型クーパー Cへ試乗 活発な子犬のよう
「1つ以外は」最新ミニに求めるすべて! 1.5L 3気筒の新型クーパー Cへ試乗 活発な子犬のよう
AUTOCAR JAPAN
【今日発売】BYDシールに国内最速試乗 AWDで537ps・航続およそ600kmにして実質537万円の戦略価格
【今日発売】BYDシールに国内最速試乗 AWDで537ps・航続およそ600kmにして実質537万円の戦略価格
AUTOCAR JAPAN
「半世紀前」と同じシャシーのロードスター V8エンジンを押込んだプラス8 モーガン 2気筒から8気筒まで(2)
「半世紀前」と同じシャシーのロードスター V8エンジンを押込んだプラス8 モーガン 2気筒から8気筒まで(2)
AUTOCAR JAPAN
925馬力のアウディ最強モデル登場 「eトロンGT」大幅改良、デザイン一新 装備も充実化
925馬力のアウディ最強モデル登場 「eトロンGT」大幅改良、デザイン一新 装備も充実化
AUTOCAR JAPAN
2024年版 欧州の「格安車」 10選 装備や性能は? 新車で買える最新モデル
2024年版 欧州の「格安車」 10選 装備や性能は? 新車で買える最新モデル
AUTOCAR JAPAN
ライバルの「1歩先ゆく」電動サルーン 最新ポルシェ・タイカンへ試乗 感動するほど気持ちいい
ライバルの「1歩先ゆく」電動サルーン 最新ポルシェ・タイカンへ試乗 感動するほど気持ちいい
AUTOCAR JAPAN
【全長以外は同じ?】 90とはどう違う ディフェンダー110 V8カルパチアンエディション
【全長以外は同じ?】 90とはどう違う ディフェンダー110 V8カルパチアンエディション
AUTOCAR JAPAN
バイクとクルマを融合? 3輪のモーガン・スーパースポーツ モアパワーへ応えたプラス4 2気筒から8気筒まで(1)
バイクとクルマを融合? 3輪のモーガン・スーパースポーツ モアパワーへ応えたプラス4 2気筒から8気筒まで(1)
AUTOCAR JAPAN
航続距離がすべてじゃない! ミニ・カントリーマン SE オール4へ試乗 「ゴーカート」感なSUV
航続距離がすべてじゃない! ミニ・カントリーマン SE オール4へ試乗 「ゴーカート」感なSUV
AUTOCAR JAPAN
V8ツインターボで800馬力、エアロも盛り盛り 公道走れる? フォード・マスタングGTD、欧州発売へ
V8ツインターボで800馬力、エアロも盛り盛り 公道走れる? フォード・マスタングGTD、欧州発売へ
AUTOCAR JAPAN
「大胆で挑戦的」なロータス・エレトレ S 迎え撃つアウディSQ8 e-トロン 電動SUV直接比較(1)
「大胆で挑戦的」なロータス・エレトレ S 迎え撃つアウディSQ8 e-トロン 電動SUV直接比較(1)
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2965.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

2800.03480.0万円

中古車を検索
アルトゥーラの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2965.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

2800.03480.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村