懐かしの日本車を当時のエピソードとともに振り返る! 今回は1985年に登場したマツダの2代目「RX-7」。
あらゆる部分が進化した2代目
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コンパクトでパワフルなロータリーエンジン搭載を前提にしたスポーツカー用のプラットフォームを新たに開発するなど、FC型「RX-7」(1985年登場)は’マツダのスポーツカーに対する“熱い情熱”を感じさせるクルマだった。
初代のリアサスペンションがリジッドタイプだったのに対し、2代目はセミトレーリングアームの独立懸架を採用。スポーツカーに相応しいものに進化した。さらにセミトレーリングアームの癖を打ち消すよう、コーナリング時に横力が入るとトーインが変わる機構を取り入れるなど、こだわりのサスペンションだった。
エンジンも初代搭載の「12A型」から排気量をアップした「13B型」に進化。専用設計のインタークーラー付きターボによって、最高出力185ps /最大トルク245Nmを発揮した。バルブのないロータリー エンジンはターボとの相性に優れており、シャープな吹け上がりが印象的だった。ハイパワー化に対応すべく、フロントブレーキは、冷却性に優れた4ポッドアルミキャリパーを日本で初めて採用した。
2代目RX-7の試乗会は、メインステージが秋吉台(山口県)周辺。そして、サーキットでのテスト走行も実施された。
先代RX-7も十分パワフルだったが、走らせてみると2代目は想像以上にパワフル。滑らかに上昇していくエンジン回転音とともに味わえた圧倒的な加速力は感動的だった。
コックピットもよく作り込まれていて、世界の強豪スポーツカーに、真っ向から挑んだマツダの心意気が感じられた。当時、最大のライバルと言われたのがポルシェ「944」だったが、パフォーマンスでは決して負けていなかった。
ハンドリングはハイパワーでありながら安定性が高く、スポーティな走りでは舐めるようなライントレース性が特徴だった。ただし、従来のRWD(後輪駆動)車のように、リアを流して走らせようとすると、うしろから押し出されるような動きもあり、腕達者なドライバーほど戸惑っていたように思う。
秋吉台では、アンジュレーションの多いコースを、接地性の高いサスペンションが忠実に追従していくのが印象的だった。次々とあらわれるコーナーを軽いステアリング ワークでクリアしていく様は爽快だった。今もボンネントに少しだけ張り出したインタークーラー用ダクトの向こう側に見えるススキと溶岩台地の奇観が目に残っている。
気になる点もあった。13B型のローターリー エンジンは、排出ガス規制の影響もあり、アクセルオフでの回転落ちが鈍く、多少ドライビングリズムを取りにくい面もあったのだ。とはいえ、ネガティブな要素以上に魅力のほうが多かった。
高性能エンジンに高い信頼性、そして手の届く価格……当時、多くのドライバーが魅了されたのも納得である。
文・日下部保雄
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みんなのコメント
それは、走る曲がる止まるの基本性能が、他社のクルマ達と比べても頭一つ抜きんでていたからに他ならない。
お金があれば後期型の白で5FのGT-Xを新車で楽しみたかったな〜。