アルピーヌ A110 R対ポルシェ 718ケイマン GTS 4.0:ドライビングプレジャーの方程式:車両重量÷パワー=パワーウェイトレシオ。A110 RとケイマンGTSは3.6kg/hp。最終的に勝つのはパワーか、それとも車重か?
これはもともと、パワーウェイトレシオをテーマにした比較テストのつもりだった。最新のスポーツカーではほとんど関心のない数値(kg/hp)である。というのも、重量は減るどころかますます増えているし、e-powerのおかげで馬力は増えているにもかかわらず、最近では1馬力あたり4kgを下回る数値を目にすることはほとんどないからだ。
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その最初のアイデアだが、これは3台のクルマで計画されたアイデアだった。まず、現在市販されている最軽量車、「アルピーヌ A110 R」。そして、燃焼式エンジンの「ポルシェ 718ケイマンGTS 4.0」と現在は引退した「アウディTT RS」。3台とも1馬力あたりの車重は3.6~3.7kgで、価格は10万ユーロ(約1,650万円)前後と近く、300~400馬力を発揮する。
インゴルシュタットに本社を置くアウディは、昨年、「TT」の最終的なアイコニックエディションを発表していた。アウディの関係者はこの企画への参戦を断念し、"ソフト"な話だけにとどめた。それは確かに5気筒クーペのための素敵な引導だったが、なんとも残念なことだ。
1066kgのアルピーヌはコーナーを軽々と回るハンドリングマシーンだ。そういえば、アルピーヌは実質的に最後の1周にさしかかっている。その前に、このクラスのベンチマークである「ケイマン GTS 4.0」と対決しなければならない。ドライビングダイナミクスを左右するのはどちらか?重量か馬力か?それが、2台が直面する問題だ。
軽量なアルピーヌ A110 R前述の通り、アルピーヌは1,066kgと実に軽い。一方、ポルシェは1,434kgだが、プラス100馬力と2.2リッターの排気量がある。視覚的にも技術的にも、「A110 R」は本物のレーシングマシンであり、「718」はオールラウンダーである。少なくともこれまではそうであったが、ラウジッツリンクサーキットではどちらがより良く走るか、大いに興味のあるところだ。
その前に、カードはテーブルの上に置かれている:技術的な面では誰が何を提供するのか?まずはアルピーヌから。ダイエットにより、「A110 R」は「A110 S」に比べて合計34kgの軽量化が図られた。一見すると、それほど大きな減量ではないが、約1100kgと非常に軽量であるので3%の軽量化と考えれば相当なものである。細かな部分での軽量化が図られており、カーボン製ホイールはマイナス12.5kg、ボンネット、ルーフ、エンジンカバーで6.6kg、カーボン製バケットシートは5.0kg、シートベルトで1.5kg、エキゾーストで3.9kgがダイエットされている。
残念だが、A110 Rのエンジンはあと50~80馬力必要だろう。パフォーマンス?ルノー製1.8リッターターボ4気筒エンジンの300馬力。シャシーにはさらに煮詰められ、スタビライザーの強化、ZF製コイルオーバーサスペンションとアイバッハ製ヘルパースプリングが装着された。ESPも改良され、カーボンリムにミシュラン製カップ2タイヤが装着された。室内は?ダッシュボードにはマイクロファイバー、アルカンターラ製バンス、大量の断熱材(-8.9kg)、「911 GT3 RS」のようなドアループ、極めて頑丈なサベルト製カーボンシート。リアにグースネックマウントのウイングを追加すれば完成だ。
ポルシェの方が安い「A110 R」の価格は109,950ユーロ(約1,800万円)で、ベーシックな「A110」のほぼ2倍だ。ポルシェは?もっと安い!なんですって?はい、90,958ユーロ(約1,500万円)だが、ダイナミックドライビングエクストラなし、マニュアルギアボックス付きだ。デュアルクラッチギアボックスとセラミックブレーキは約10,500ユーロ(約173万円)、バケットシートはさらに5,355ユーロ(約88万円)かかる。エンジンは?ミッドエンジンレイアウトで、おなじみの6気筒ボクサーが搭載される。インテリア?アルカンターラがスポーティな雰囲気を確実に演出。ややファッショナブルとは言い難いアナログの計器類は完璧にフィットしている。
スペックの確認はもうたくさん、キャビンへ、そしてサーキットへ!ラウジッツリンクサーキットに向かう途中、田舎道や高速道路でちょっとしたウォーミングアップ。自然吸気エンジンは当然ながら、低回転域ではアルピーヌのターボのようなプレッシャーはないが、回転を上げて4リッターエンジンをプッシュすると、本当にペースが上がる。このエンジンは、レブカウンターの針のようにスロットルに反応する。
リラックスした時間?ケイマンは、アルピーヌ同様、本物のドライビングマシーンである。デュアルクラッチギアボックスは、ドライビングプログラムに応じて常に軽快で賢い。パドルはとても使いやすく、シフトチェンジは自動的にドライビングの楽しみの一部となる。低い着座位置やブレーキからのフィードバックも同様だ。
曲がる?夢のようだ。トルクベクタリングは、カーブの出口でポルシェを緩やかにストレートにするのに役立ち、下り坂のカーブでブレーキングすると、ラインは維持され、絶妙なオーバーステアが出る。
もっとパワーが欲しいシャシーこのアルピーヌはすべてをこなすことができる。言葉遊びではなく、本当にそうなのだ。ステアリングを通してほとんどすべての路面状況を感じることができる。さて、エンジンは快調に吹け上がるかもしれないが、高回転と早めのシフトダウンはフランス製ライトウェイトスポーツにとっては異質なものだ。ブースト圧と早めのスロットルレスポンスがすべてだ。300馬力のパワーはコントローラブルだが、もっとパワーがあってもいい。
ポルシェのオプションであるセラミックブレーキは、ピレリタイヤが許容する以上の性能を発揮する。「A110 R」は、ハンドリングが命だ。この控えめなハンドリングの命が、ミスを未然に防いでくれる。アルピーヌはケイマンよりも操縦の余地を残し、人間とマシンの相互作用をよりうまくコントロールしている。ステアリングはダイレクトかもしれないが、よりコミュニケーション的で透明性が高い。
高速道路では?ここではケイマンが先行し、ポルシェは250メートルの高速コーナーでも完全にリラックスしている。アルピーヌのドライバーは額に玉のような汗を浮かべ、トップスピードでは慎重なステアリング操作が必要となる。「R」がレーストラックに完全に照準を合わせていることがわかる。そしてラウジッツリンクサーキットへ。
ボクサーはレブバンドの上を素晴らしく肉厚に掘り進み、7,000mを無慈悲に切り裂く。3本のストレートは楽しく、コーナーは充実している。「ケイマン」はこれまでと同じように簡単にカーブを駆け抜けることができる。フロントアクスルは非常に鋭い旋回をこなし、リアアクスルはコントロールしやすい。
アルピーヌは快音というよりは騒々しく、ケイマンはより良いサウンドを提供する。一方、アルピーヌはより早く、より近いところで限界に達するが、ハンドリングのバランスは良く、ステアリングとブレーキの反応は素早い。カーブはCNCフライス盤のような精度で、流れるような理想的なラインを描く。もしエンジンパワーがあと80馬力あったら、スーパースポーツカーに鉄槌を下すことができるだろう。
結論:パワーか重量か?この場合、ポルシェが勝つのはそのボクサーのおかげだ。どちらもサーキットでは拮抗しており、「GTS」の方が総合的に優れているが、「A110 R」は真のドライバーズカーだ!
Text: Guido NaumannPhoto: Lena Willgalis / AUTO BILD
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まあ、買う人の好き好きですが。