EV激戦区、欧州へ本格参入
中国の自動車メーカーBYDは、欧州市場に本格参入し、今後数週間のうちに3車種のEVの納車を開始する予定だ。「ハン」と呼ばれるセダンと、フルサイズSUVの「タン」、主力モデルの「アット3」である。
【画像】新進気鋭の電動SUV【BYDアット3をライバルと写真で比較】 全90枚
BYDは以前、主にタクシー向けとしてe6を限定的に販売していたが、最近ではハンガリーの商用車部門を通じて電動バスなどを展開している。現在のBYDは、ライバルであるアイウェイズ、長城汽車、ニオとともに、欧州でシェア拡大を目指す中国系EV企業の1つである(各社とも最近欧州大陸での販売を開始した)。
当初、ベルギー、デンマーク、ルクセンブルク、スウェーデン、オランダ、ノルウェーを中心に3車種を販売する。英国でも2022年末までにアット3を発売する予定。
BYDの「eプラットフォーム3.0」を採用した最初のモデルであるアット3は、全長4.5m、全幅1.9m、全高1.6mのミドルサイズSUV。最高出力204psのモーターを搭載し、WLTP複合サイクルで420kmの航続距離を持つ。0-100km/h加速は7.3秒、充電速度は最大80kWとされる。
コバルトを含まない60.5kWhのリン酸鉄リチウムバッテリー「ブレード」を採用しており、BYDによると従来のリチウムイオンバッテリーよりもエネルギー密度が50%高いという。昨年の発表会では、一般的なバッテリー同様に熱暴走を起こさず、釘の貫通にも耐え、火災のリスクを低減させたことを示した。
テスラ・モデル3に相当する上級セダンのハンや、2021年7月にノルウェーで限定販売された7人乗りSUVのタンと並んで、欧州EV市場の覇権争いに加わることになる(英国導入はアット3のみ)。
それぞれ、各地域のディーラー・グループを通じて販売される予定。英国向けの車両価格や仕様の詳細については、近日中に発表されるという。
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