ネオクラシックな日本車がブームに
旧車ブームと一括りにしてしまうのははばかられる気もするが、ここ数年でクラシックモデルの中古相場がググっと上がっているのは間違いないところ。誰もが認める名車はもちろんだが、当時はただの実用車だったコンパクトカーやセダンまでもが一様に価格を上げている。これは日本国内だけではなく、海外でも日本車ブーム。特に北米では登録から25年を経過した車種の輸入が解禁となったことも手伝って、現地では希少なジャパニーズカーを求めるユーザーが買い求めている。
旧車のエンジン始動はまさに儀式!「チョーク」の使い方にはコツが必要だった
そこで今回は、まだ車両価格100万円以内で狙うこともギリギリ可能で、今後は価格上昇の可能性がある80年代の国産車を紹介したい。
マツダ・サバンナRX-7
もはや「FC」と呼んだ方が伝わりやすいマツダの2代目サバンナRX-7。日本国内ではロータリーターボエンジンのみのラインナップで、デビュー当初は185PS、後期モデルでは205PS、最終的には215PS(アンフィニ)までにパワーアップされた13B型エンジンを搭載している。
ロータリーエンジンは、通常のレシプロエンジンとは構造が異なるため年数や距離が進むにつれてトラブルが発生しやすい。純正部品の欠品も増えているものの、スペシャルショップが多く存在している点は心強いだろう。
高年式のモデルでは新車価格を超える価格のものも存在するが、安い個体であれば100万弱から見つけることが可能。手ごろな個体を入手してコツコツと手を入れるのもいいのではないだろうか。
ホンダ・プレリュード
ホンダが生み出した国産スペシャリティーカーとしても知られるプレリュード。1987年に登場した3代目モデルはデートカーとして日産のS13シルビアと販売面でしのぎを削った。ライバルのシルビアはいまだにドリフト競技マシンとして人気を集めているが、FF駆動でデートカーの色が濃いプレリュードは、極端なスポーツ走行で疲弊した個体は少ない。
ただし、ボディに錆が発生しやすい点なども影響したのか、中古車の流通量は少なめ。良質な個体は新車価格を超えるものも存在するが、安いタマでは50万円台から、100万円の予算があればそこそこ良好な1台を見つけることが可能だ。現在は廃止されたリトラクタブル式のヘッドライトは、ますます希少となるだろう。
日産・フェアレディZ
当時の自主規制値である280馬力を初めて達成したのが1989年7月に登場した日産の4代目フェアレディZ。Z32型の主役はターボモデルだ。デビュー当初はかなり大柄なイメージがあったが、コンパクトカーすら3ナンバーとなりつつある現代から見ればそれほど大きさを感じさせない。
そんなZ32はターボとNA、2シーターと2by2が存在し、2by2にはTバールーフ仕様も用意されていた(コンバーチブルも存在)。2シーターモデルは販売台数が少なかったため中古市場では高値安定。だが、2by2のTバールーフであれば、100万円以下で狙える個体も少なくない。
三菱・デボネア
三菱のフラッグシップセダンであり、ショーファードリブンでもあったデボネア。初代は1964年にデビューし、車両型式が変更されるほどの改良を数回受けながらも基本スタイルをキープしたまま86年まで生産が続けられた超長寿モデルである。
元ゼネラルモーターズのデザイナーがデザインしたエクステリアは、まさに60年代のアメ車を彷彿とさせるもの。中古車価格が底値に近い時代には、代用アメ車としてアメリカンカスタムのベース車両としてももてはやされた車種だった。現在でもそういったカスタムが施された個体が市場に流れているが、一方でフルノーマル車も散見される。
トヨタ・ソアラ
初代、2代目とハイソカーブームに乗って大人気車種となったトヨタ・ソアラ。3代目からはレクサスブランドとして海外で販売されることになり、よりグローバルで好まれるようにアメリカでデザインされたエクステリアをまとった。しかし、日本ではあまり受け入れられず、クーペ市場が縮小していたりしたこともあって、販売面では初代、2代目には及ばないものとなってしまっている。
そのため、ドリフト競技でも活躍した2.5リッターターボエンジンと5速MTを組み合わせたスポーティ思考な仕様以外は比較的安価で見つけることが可能。100万円の予算であれば、前述のMTモデルも射程圏内だ。しかし、この値段で購入できるのも今がラストチャンスではないかと筆者は睨んでいる。
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