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昔とは別物!? ホンダの最新4WDがめちゃ頼もしい! 雪道で見せた新型「ZR-V」驚きの走りとは?

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昔とは別物!? ホンダの最新4WDがめちゃ頼もしい! 雪道で見せた新型「ZR-V」驚きの走りとは?

■HVでもプロペラシャフトを搭載! その理由は?

「ホンダの4WDは頼りない」
 
 クルマ好きのなかには、そんな認識を持っている人もいるかもしれません。
 
 その理由は、かつてのホンダの4WD(広く採用されていた「デュアルポンプ式」と呼ばれたタイプ)は後輪にトルクを送りはじめるレスポンスが悪く、滑りやすい路面での発進時には前輪の空転が多めだったからです。

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 しかし、そんな認識はすでに過去のものと改めたほうがいいでしょう。なぜなら、今どきのホンダの4WDはかなり出来が良く、頼れる4WDだからです。

 そんな4WDの性能を同社の最新SUVの「ZR-V」で確かめるために、雪国へ出かけてきました。

 ZR-Vの4WDのメカニズムをおさらいしておくと、システムは「リアルタイムAWD(All Wheel Drive=全輪駆動)」と呼ばれるもの。昨今は後輪をモーターだけで駆動する4WDも増えていますが、ホンダの一般的な車両はハイブリッドモデル(e:HEV)であってもプロペラシャフトを介した4WDとしています。

 その理由は「構造がシンプルながら後輪に大きなトルクを伝えられ、求める性能を引き出しやすいから」だとホンダは説明します。

 前輪と後輪のトルクの振り分けは油圧で締結力をコントロールする電子制御の多板クラッチを使っておこなわれますが、それは「滑ったから後輪へトルクを伝える」という受動的な制御ではなく、頭脳といえるECUの指令により「状況から判断して必要があるから意図的に後輪へトルクを伝える」というアクティブな制御を実現しています。

 駆動トルク配分はリヤを最大とした状態で前後50:50ですが、開発者によると「加速中などは後輪の荷重が増える影響で、実質的に路面に伝わるトルクはさらに増える」そうです。

 とはいえ、4WDの良し悪しは理論だけでは評価できません。実際の走りはどうなのでしょうか。

 ZR-Vの4WDモデルで雪道を走り、何より感心したのは発進性能の高さでした。冒頭で説明したように、かつてのホンダの4WDといえば、滑りやすい道でのスタートは前輪がズルっと滑ってから少し遅れて後輪へトルクを送って動き出すというイメージでしたが、昨今の4WDはまったく別物で、滑りやすい路面でも前輪が空転することなくスルスルとスタートします。

 その秘密は、アクセルを踏み始めたタイミングから遅れなく後輪へきちんとトルクを分配すること。スタート時は(雪道だけでなく舗装路でも)状況に関係なく後輪へトルクを送る制御としています。そのおかげで滑りやすい路面においても前輪の空転を抑えながら発進でき、心強いのです。

■「アクセルで曲がる」感覚を味わえる

 一方で、ZR-Vの4WDが、安心できるだけではなかったのがコーナリング。FFに比べるとスリップによる走行安定性の乱れがないのは当然ですが、ドライバーの腕次第ではアクセルを踏みながらグイグイ曲がっていくような気持ち良い走りまで実現してくれるから楽しいのです。

 旋回中にアクセルを踏み込むとクルマがアンダーステア(外側へ向かう)気味になるのではなく、むしろ適度に内側へ向かっていくので爽快。いわゆる「アクセルで曲がる」感覚を味わえます。

 その理由は、後輪に伝わるトルクを高める(現行型「ヴェゼル」に対しても後輪トルクの立ち上がりを鋭くしている)とともに、スリップアングル(車両の旋回姿勢)を緻密に算出しそれを反映してリヤトルクを出すセッティングとしているから。

 4WDは単に発進や加速をサポートするのにとどまらず、ニュートラルステアを目指しハンドリングにもメリットを与えるセッティングとしているのです。

 ちなみに今回は滑りやすい雪道で試乗してハンドリングの良さを実感したものの、この4WDのメリットは雪道だけにとどまりません。

 昨今は一般的なSUVにおいても前後トルク配分をアクティブかつ綿密に制御して舗装路でのハンドリングをよくする効果をもたせた車種が増えていますが、ZR-VもFFモデルと4WDモデルを峠道などで比べると4WDモデルのほうがしっかり曲がるハンドリングとなっているのです。

 そんなZR-Vにはホンダの国内向けモデルとしてははじめてドライブモードセレクターとして「スノーモード」が組み込まれています。ATプログラムのスノーモードは搭載車種がありましたが、ドライブモード切り替えとしては初採用です。

 そのメリットは4WDモデルよりもFFモデルのほうが強く実感できるものでした。理由は、FFモデルは滑りやすい路面でのタイヤの空転が多く発生するが4WDモデルはそもそも空転が少ないからです。

 スノーモードの大きな働きは、空転しそうになるとエンジン出力を絞ってスムーズに加速させることですが、絞りすぎる感覚もなく、加速もしっかりすることに驚きました。

 タイヤの能力を上手に使いきる制御といえるもので、しっかり効く一方でおせっかいすぎないさじ加減が絶妙だと感じました。

 ZR-VのFFモデルに乗るユーザーは、雪道では忘れずにスノーモードを活用すべきでしょう。

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みんなのコメント

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  • 会社の中で4WDに対しての評価が低いのか、キッチリ開発して良くなってるのに全然PRしない
  • それ助長したのがクリープ保持力の弱さ。登りの一時停止・再発進だと「ブレーキ離した瞬間車後ろにずり落ちる」→「アクセル踏むがフロント空転でさらに後ろにずり落ちる」→「後輪に駆動伝わってやっと前進」

    瞬間的なことなんだけど不安が2段重ねになってたから悪い印象倍増。ただ、初代前期・後期ステゴン4wdスキー使いで2台乗ったけど、スタックして走れないなんてことは全くなかった。走破性に問題はないんだけど「無駄にヒヤッとさせる味付け」で損してるなあとは思った。

    あと雑誌インタビューなんかでホンダに技術者が「デュアルポンプは安全のため滑っていること実感してもらう味付けになってます」とか、無駄に強気な開き直りコメントしてて旧世代クロカン4wd乗りに余計に嫌われたのあった。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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