ハイパーカーでル・マン参戦? 会長が意欲示す
アストン マーティンは、ル・マン24時間のハイパーカークラスに参戦することについて「協議中」であると、ローレンス・ストロール会長が明らかにした。1959年以来の総合優勝を目指しているようだ。
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ストロール会長は、先日行われたF1チームの新型車「AMR22」の発表会で、同社が単にGTレースでの存在を維持する以上の大きな野望を持っていると語った。
「我々はF1以外のレースに戻るつもりです。GT3とGT4ではレースを止めたことがなく、2年前のル・マンではGTE Proクラスで優勝しました。このプログラムは継続され、強化されるでしょう 」
「アストン マーティン・パフォーマンス・テクノロジーズをF1チームの一部門として立ち上げたことで、(英国に建設中の)新しいF1ファクトリーでのミドエンジンの開発にもっと深く関わることができるようになるでしょう」
「さらに、ル・マンに戻るための議論も行っています」
ストロール会長は復帰の時期についての言及を避けたが、世界で最も有名な耐久レースであるル・マンが100周年を迎える2023年に参戦することも完全には否定していない。
「わたし自身、レーサーです。これまでずっとそうでした。レースが血の中を流れているからこそ、ここにいるのです。アストン マーティンが伝えようとしているメッセージに沿ったカテゴリーでレースをすべきなのです」
最高出力1000ps超のヴァルキリーAMRプロ投入か
アストン マーティンは、昨年WEC(世界耐久選手権)で始まったハイパーカー新時代に参入するメーカーの1つと目されていたが、2020年にプログラムは頓挫してしまった。それ以来、LMHカテゴリーに参入したのは、トヨタとグリッケンハウスだけだった。
しかし、今年はプジョーがLMHマシンの9X8を擁してル・マンに参戦する。2023年にはフェラーリが復帰し、50年ぶりにル・マンで攻勢を仕掛けようとしているため、競争が爆発的に激化すると予想されている。
さらに、LMP2シャシーにハイブリッドシステム(共通)を搭載し、自由にエンジンを選択できるLMDhクラスでは、アウディとポルシェをはじめ、BMW、アキュラ、キャデラック、アルピーヌが参戦を計画している。ベントレー、ランボルギーニ、マクラーレンの参戦も将来的にはあり得る話だ。
もしストロール会長がル・マン参戦を決定したら(いつ決定するかもわからないが)、トヨタ、プジョー、フェラーリと同じLMHクラスに、ヴァルキリーAMRプロをベースにしたマシンを投入させると予想されている。
最高出力1000ps超のハイブリッドV12エンジンを搭載し、「究極のノールール・ハイパーカー」と称されるヴァルキリーAMRプロは、全長13kmのル・マン・サーキットを3分20秒で周回することを目標に製作されたものである。昨年は、小林可夢偉選手がトヨタ・ガズーレーシングのGR010ハイブリッドで3分23秒900を記録し、ポールポジションを獲得している。
ストロール会長は、どの会社がレースプログラムを運営するかについては何もコメントしなかった。長らくAMRのレースパートナーとしてGTレースキャンペーンを展開しているプロドライブは、アストン マーティンの元会長デビッド・リチャーズが設立した会社である。
アストン マーティンは、ル・マンにおいて長い歴史と名声を誇っているが、GTカテゴリーでは数々のクラス優勝を飾っているものの、総合優勝は1959年にロイ・サルバドーリとキャロル・シェルビーが操るDBR1のみとなっている。
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