■日本で未発売のトヨタ「シエナ」がソフトバンクのテストカーに採用されている…
2023年6月下旬にSNSで「自動運転のテストカーにトヨタ・シエナが使われている」という旨の投稿がありました。
トヨタ「シエナ」は北米を中心にアジアの一部で販売されている同社最大のミニバンですが、日本では正規販売されていません。
なぜ自動運転のテストカーとして採用されていたのでしょうか。
【画像】カッコいいトヨタ「シエナ」現る! 全長5m超えミニバンを写真で見る!(40枚)
海外市場を中心に販売されるシエナは1997年に初代が北米市場で発売。現行は4代目が2020年末より販売され、この代から全車ハイブリッドになっています。
元々シエナは米市場向けに展開されていましたが、4代目では米国工場分をカナダ、メキシコ、台湾、韓国に輸出。中国向けは現地生産しています。
ボディサイズ(XSEグレード)は全長5184mm×全幅1993mm×全高1770mm×ホイールベース3060mmとなり、新型「アルファード」の全長4995mm×全幅1850mm×全高1935mm×ホイールベース3000mmよりも一回り大きいサイズです。
なお過去には日本のショッピングモールにて参考展示した他、トヨタ「ノア/ヴォクシー」のメディア試乗会に展示した実績があります。
その際、トヨタによれば「(2022年1月時点)日本のナンバープレートを装着した4代目シエナは『XSEグレード(赤いボディカラー)』と『プレミアム(色未確認)』の2台だけ」と説明していました。
そうした中で今回、東京都内で4代目の「XLEグレード(白いボディカラー)」が目撃されました。
しかもこの車両はレンタカーなどが使用する「わナンバー」を装着しています。このシエナはどのような代物なのでしょうか。
ヒントを探すべく、謎のシエナの外装を見ると複数のカメラやアンテナが至る所に装着されており、ボディサイドには「AUTONOMOUS DRIVING TEST(自動運転実証実験中)や「ソフトバンク 先端技術研究所」、リアには「追越危険」など描かれています。
この謎のシエナの正体について、ソフトバンク 先端技術研究所が「自動運転のレベル4の解禁に向けた実証実験」として東京都港区の竹芝エリアで2023年1月から開始しているものでした
なおソフトバンク 先端技術研究所は、2022年4月に設立された新しい技術を社会実装するための研究・開発を行う組織です。
自動運転は、2023年4月の改正道路交通法の施行に伴って、レベル4(高度運転自動化)が解禁されています。
ソフトバンクでは、自動運転のレベル4の解禁やこれらの課題解決を見据えて、持続性が高い自動運転サービスの早期社会実装を目指し、運行業務の無人化などに向けた実証実験を実施しています。
実証実験の概要としては「自動運転のシステムに関する検証」と「デジタルツインによる運行の最適化に関する検証」を軸に行われています。
「自動運転のシステムに関する検証」では、将来的な運行業務の無人化を見据えて、「車外の遠隔監視AIによる自動化」と「自動運転車内の運行支援システムの開発」を進めています。
「デジタルツインによる運行の最適化に関する検証」では、「シミュレーションによる経路設計の自動化」と「自動運転の運行システムへのフィードバック」を軸に進めているといいます。
■なぜトヨタ「シエナ」が使われた? ソフトバンクが自動運転に取り組む経緯とは
このような自動運転技術についてソフトバンクは次のように話しています。
ーー ソフトバンクが自動運転技術を始めた経緯を教えてください。
社会実装を見据えて研究を行うソフトバンクとして、当社の新しい技術やケイパビリティを活用することで、交通全般や地方が抱える社会課題の解決に寄与できるのではと考えたためです。
自動運転の普及には、遠隔監視や大規模運用を支えるシステムなど、運用面での課題も大きいです。
そのため、通信事業者としてネットワークの構築や監視、運用を行ってきたノウハウと、開発中の新しい技術のシナジーがこれらの課題解決の一助になると考えています。
今回、当社は自動運転技術自体ではなく、自動運転の運行を円滑に行うための、AIを活用した車両の遠隔監視や、運行支援システムの開発、デジタルツインを活用したシミュレーションによる走行経路の自動設計などの役割を担っています
ーー 実証実験について現状の進捗状況を教えてください。
2023年6月末まで実証を行い、その後実証で得られた結果を今後の研究開発に生かしていきます。
ーー 今回日本で未発売のトヨタ「シエナ」が使われている理由を教えてください。
さまざまな検討を重ねた結果、本実証で最適な車両を選定しました。
※ ※ ※
なお今回の車両について、トヨタは「シエナは海外にて自動運転車のテストカーに採用されているケースもあり、今回は車両の提供をしています」と話しています。
そんなソフトバンクとトヨタですが、両社の共同出資により設立した「MONET Technologies」で新しいモビリティサービスやMaaSビジネスの実現に向けた取り組みを行っています。
さらにソフトバンクではグループ会社「BOLDLY」でも自動運転バスなど様々な車両を用いて実証実験を行っており、今後の自動運転の技術革新に期待が寄せられます。
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みんなのコメント
初代エスティマはオーバーラップ衝突実験が「悪い」評価だったため
巨大化しボンネットを伸ばしアメリカンサイズ。
アメリカでハイエースが販売できないいい例だと思う。