コンパクトSUVの中でも、トップクラスの人気を誇る2台をピックアップ。ここでは街乗りからスポーティモデルまで、幅広いラインナップを擁する両車には、どんなキャラクターの違いがあるのかを比較してみた。
進化版プラットフォームでX2の走りが一気に向上
【国内試乗】まずはガソリンモデルが日本上陸! 2代目コンパクトクーペSUVの実力とは?「BMW X2」
BMWの最新モデルとして投入されたX2、メルセデス・ベンツのSUVを下支えするGLA。両モデルともに、iX2とEQAというBEVをラインナップしていることが特徴となる。
ただ、その成り立ちには違いがある。BMWは2014年に投入されたアクティブツアラーから使ってきたFF系プラットフォームを、2022年のフルモデルチェンジの際にBEVへの対応を踏まえた進化版に変更。X1に続いて投入されたX2も、この進化版プラットフォームを採用している。
一方のメルセデスは、2018年に投入されたAクラスからBEVへの対応を踏まえたFF系プラットフォームを使いGLAも同様だ。こうした時間経過の差が、それぞれの走りに影響している。
BMWの進化版フラットフォームは、一新したのではないかと思えるほど洗練度が高い。それは、X1が2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤーでインポート・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したことでも証明されている。
したがって、X2の走りの洗練度は誕生時から保証されているようなものだ。実際にその通りであり、X2は走りを重視しX1よりも大径で幅広なタイヤを履きトレッドも拡大しているが洗練度の高さはそのままだ。
試乗車のxDrive 20iは、アダプティブMサスペンションを標準装備しプラットフォームとの相性も抜群だ。ダンパーの減衰力はパッシブに制御され、荒れた路面などで入力スピードが速いと低めの領域を維持。振動をしなやかに吸収しながら、縦揺れを抑制している。さらに、強い入力でも振動がボディに残ることがない。こうした洗練度は、近年のBMWが採用するクッション感があるシートも相乗効果となっている。
コーナリングでは、ダンパーへの入力スピードが遅くなるので減衰力が高めに維持される。コーナーを気持ちよく駆けぬけるといった速域であれば、ボディのロール感はほとんどゼロ。それでいて、ステアリング操作に対してイン側のタイヤを路面に踏ん張らせながらアウト側に荷重を乗せていく感覚が伝わってくる。そのため、操縦性の正確さが横Gの変化として実感しやすくなる。ステアリングの切れ味は、滑らかで軽やかだ。
しかも、コーナリング中に路面の継ぎ目などを通過してもダンパーは衝撃を吸収する余力を残している。その際に、タイヤがドタッといったインパクトノイズを発しないことも好印象の一因となる。なおかつ、ザラついた路面の振動をタイヤが拾うことで発生するゴーッというロードノイズが耳障りに感じることもない。
エンジンは、2Lの直列4気筒ターボを搭載する。320iなどが積むB型系だが、最高出力を20ps上乗せし204psを発揮。それだけに、アクセルを踏み続けるとレブリミットの6400rpmまでパワーの頭打ち感がなく伸びやかな加速が持続する。ただ、高回転域でエンジン音が少しばかり硬質になることが惜しまれる。
低中回転域では、日常的な場面で満足できる力強さが得られる。デュアルクラッチ式7速DCTとの相性がよく、変速は滑らかだ。低速域であえて大ざっぱなアクセル操作を試しても、かつてのDCTのように走りがギクシャクすることはない。走行モードがスポーツなら、ステアリング裏側のパドルでマニュアル操作すればDCTらしい素早い変速制御を実現。シフトダウンの際には、エンジンの回転合わせが連動する。
GLAはデビュー以来の時間経過を隠せない
さて、X2からGLAに乗り換えるといくつか気になることが生じる。同じ路面を走らせても、コツコツという小さな振動を拾いやすい。大きな衝撃に対しては、ボディに振動が残ることがある。その際に、タイヤがドタッというインパクトノイズを発しがちなことも走りの洗練度に影響を及ぼす。
左右のタイヤに不連続に入力が生じると、ボディがわずかに横揺れするヘッドトスを感じることもある。メルセデス・ベンツのSUVに共通する傾向だが、BMWにはほとんで認められない。なお、シートの座り心地はいかにもドイツ車らしく少しばかり硬めだ。
ただ、CセグメントのSUVとしては走りの洗練度で不満を抱くほどではない。ロードノイズの抑制が効き、音質がX2よりもマイルドだ。試乗車の200d4マチックは、オプションのAMGラインパッケージを組み合わせていたのでアダプティブダンピングシステム付きサスペンションを装備。ダンパーの減衰力が、最適制御されていることも功を奏している。
コーナリングでは減衰力の制御により、走行モードがコンフォートでもロールが最小限に抑えられている。そのため、安心してコーナーを駆けぬけることができる。ところがスポーツにして減衰力が高めに維持されても、ステアリング操作に対する応答性のダイレクト感が際立つほどの変化はない。
惜しまれるのは、ステアリングに切れ味は滑らかだがコンフォートでも手応えが重めなことだ。そのため、走りの軽快さよりも落ち着きを先に感じてしまう。とはいうものの、直進時にはステアリングの中立節度が高まるためクルマに対する信頼感が増すあたりはいかにもメスセデス・ベンツらしい。
エンジンは、2Lの直列4気筒ディーゼルターボを搭載。最大トルクは320NmとX2よりも20Nm勝るだけだ。だが、日常的な場面での力強さの余裕は数値の差以上に実感しやすい。
最高出力は、150psと控えめだ。それでも、レブリミットの4600rpmまで滑らかに吹け上がり、エンジン音には迫力さえ感じるので加速感はスポーティだ。組み合わせる8速DCTは、最終減速比を含め低めの設定なのでエンジン回転数が稼ぎやすくなる。
ちなみに、後席の足元と頭上スペースはX2とほぼ同じだ。後席はリクライニングだけではなくスライド機能も備えるため荷物スペースとの使い分けがしやすいが、容量は425Lと物足りない。
【SPECIFICATION】MERCEDES-BENZ GLA200d 4MATIC
■車両本体価格(税込)=6,400,000円
■全長×全幅×全高=4415×1835×1620mm
■ホイールベース=2730mm
■車両重量=1710kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1949cc
■最高出力=150ps(110kW)/3400-4400rpm
■最大トルク=320Nm(32.6kg-m)/1400-3200rpm
■トランスミッション=8速DCT
■サスペンション=前:ストラット、後:4リンク
■ブレーキ=前後:Vディスク
■タイヤサイズ=前後:235/55R18
問い合わせ先=メルセデス・ベンツ日本 TEL0120-190-610
【SPECIFICATION】BMW X2 xDrive 20i M SPORT
■車両本体価格(税込)=6,280,000円
■全長×全幅×全高=4555×1845×1575mm
■ホイールベース=2690mm
■車両重量=1670kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1998cc
■最高出力=204ps(150kW)/5000rpm
■最大トルク=300Nm(30.6kg-m)/1450-4500rpm
■トランスミッション=7速DCT
■サスペンション=前:ストラット、後:マルチリンク
■ブレーキ=前後:ディスク
■タイヤサイズ=前後:245/45R19
問い合わせ先=BMWジャパン TEL0120-269-437
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みんなのコメント
他の人も言ってるけど、クーペSUVはその造形が気にいるか否か。
X2とQ3SBで悩ましいのは、Cピーラーのクーペラインが美しいのはX2の方だけど、フロントフェイスはアウディの方が繊細で気品のあるデザインをしてる。
F型世代のBMWの顔だったらX2が良いなと思うんだけど、今の顔は微妙だからな。Q3SBはクーペラインがちょっとあれだし。
非常に悩ましい。