新構造でロータスのDNA継承
ロータスは、引退したエリーゼ、エキシージ、エヴォーラに代わる全く新しいEVスポーツカー「タイプ135」の開発を進めている。2026年に登場する見込みだ。
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他にもSUVのタイプ132、4ドアクーペのタイプ133、クロスオーバーのタイプ134など、より「ライフスタイル」に特化したEVが、来年以降、中国・武漢で製造される予定である。こうした同社の電動化計画を支える新プラットフォームの詳細も明らかにされつつある。
このプラットフォームの全体像はまだ確認されていないないが、バッテリーとモーターを収容する軽量のリアサブフレームを中心に構成されることになっている。電動パワートレインの重量増加を補うために一から設計されており、エミーラの構造と比較して37%の軽量化を実現するという。
バッテリーは、従来のミドエンジン車のようにシートの後ろに垂直に積むことも、一般的なEVと同じように床下に配置することも可能だ。次世代EVの軽量構造の開発を目指す「LEVA」プロジェクトにおける最初の成果が、このプラットフォームである。
そして、このプラットフォームは2026年に発売予定の2シーター・スポーツカー、タイプ135に初めて採用される。タイプ135の発売時の車名はまだ決まっていないが、25年の販売期間を終えて引退したエリーゼの電動後継モデルとして、今後のスポーツカー・ラインナップにおけるエントリーポイントとなる。
マネージング・ディレクターのマット・ウィンドルは、ロータスのトレードマークであるダイナミックなアジリティを新型車にも継承させたいと考えている。
「ダイナミクス、エアロダイナミクス、軽量化などは、すべての製品に共通するロータスのDNAです。動力源は異なりますが、このLEVAシステムには、瞬時のトルク、容易な冷却、優れたパッケージングなどの利点があります」
EVの特徴を生かしたデザインも
新開発のプラットフォームには、475psから884psまでの出力のシングルモーターおよびツインモーターのパワートレインが搭載される。つまり、エントリーモデルであっても、最もパワフルなエリーゼの約2倍のパワーを持つことを意味する。
後輪駆動と4輪駆動に対応しているが、ロータスがこれまでに発表したコンセプトでは、すべてリアマウントの駆動システムを採用している。
ウィンドルがAUTOCARに語ったところによると、ロータスは、マーケティング的にも技術にも今後数年間、最上位モデルのエヴァイヤに搭載されているものと同様のトルクベクタリングを展開する可能性は「排除したくない」という。そのため、エヴァイヤの特徴的な機能のいくつかは、他のモデルにも採用されることになるだろう。
タイプ135は、電動ドライブトレインのコンパクトさを活かして、エヴァイヤの「ベンチュリートンネル」のように大胆なデザインで空力効率を高める可能性もある。しかし、価格がハイパーカー並になることはないはずだ。
ウィンドルは、ボルボ、ポールスター、Lynk & Co、LEVCなど吉利グループ全体の「効率性」により、ロータスは他ブランドのコンポーネントやシステムを使用して、開発費や販売価格を抑えることができると述べた。
同氏は、エリーゼと同程度の価格帯でタイプ135を販売するのは難しいだろうとしながらも、材料や部品のコストが「大幅に値下がり」すれば、エキシージの上位モデルとほぼ同等の価格が可能になると予測しており、8万~10万ポンド(約1200~1500万円)になるようだ。
エヴォーラの電動後継モデルも?
しかし、タイプ135における最優先事項は、軽量で手に入れやすいパフォーマンスというロータスらしさを忠実に再現することだ。ウィンドルは、タイプ135に採用されている積層型バッテリーのレイアウトが、「スポーツカーのフィーリングを可能にしながら、慣れ親しんだヨー・コントロールと安定性」を実現していると述べている。
ちなみに、このレイアウトは初代テスラ・ロードスターに採用されているが、ホイールベースはベースとなったエリーゼより50mm長いだけだった。
また、ガソリンエンジンを搭載したロータスと同じように、可能な限り低い着座位置を目指しているようだ。
このプラットフォームに搭載される最小のバッテリーは66.4kWhで、軽量・低床の2シーターで約480kmの航続距離を実現するという。99.6kWhの大型バッテリーは、床下に水平に配置した「スラブ型」とシートの後ろに垂直に積み重ねた「チェスト型」の2種類が用意されており、航続距離は700km近くまで伸びる可能性がある。
ウィンドルは、新プラットフォームを採用する他のモデルの詳細については口を閉ざしたが、ロータスは複数のセグメントへ製品を展開する意向を示している。
引退したすべてのモデルが必ずしもEVに置き換えられるわけではないが、2650mmのホイールベースを持つリア駆動の4シーターに対応したプラットフォームであることから、エヴォーラの電動後継モデルの開発も技術的には可能だろう。
現在、ヘテルのロータス本社ではタイプ135が最優先されているため、大型スポーツカーの可能性については詳細が明らかになっていないが、タイプ135が登場する2026年以降にどんなモデルが出てくるか注目したいところだ。新型エミーラにはV6と直4の2種類のエンジンが設定されているが、電動後継モデルではさまざまな出力を備え、後輪駆動と4輪駆動が可能になるだろう。
アルピーヌA110でも同構造を採用
新開発のプラットフォームは、ロータスだけでなく他のブランドにも採用される。
現時点では、ルノー傘下のアルピーヌが、ロータスのプラットフォームを採用する意向を公言している。アルピーヌは、A110の後継となるEVの発売を視野に入れて、ロータスと共同でシャシー開発を行っている。
また、アルピーヌのテクニカルチーフであるジル・ル・ボルニュが最近語ったところによると、タイプ135の兄弟車となる新型車はアジリティの高さを重視したモデルになるようだ。ロータスのウィンドルと同様に、トルクベクタリングの可能性についても言及している。
A110の後継モデルの発売日は未定だが、アルピーヌは2024年に新型ルノー5の高性能モデルを発売し、さらに「素晴らしいハンドリング性能」を持つという4輪駆動のSUVクーペをリリースすることで、電動化を全面的に推進していく。
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みんなのコメント
ボルボの大成功もあるし、5年後のロータスEVやアルピーヌEVも素晴らしいデザインと性能を誇るでしょうね。
しかし一気に1000万越えの価格帯になるんですね...
エリーゼ中古を探すとしますか...
もうかなり前に頓挫していた方向性に戻したような最近の積極さは期待できる。
しかし、よりによって工場が中国の武漢だとは最大のデメリットだわ。
言わずもがな…