現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 補助金のバラまきでEV普及を狙う……はいずれツケがまわってくる! そろそろ仕組みを再構築するべきだ

ここから本文です

補助金のバラまきでEV普及を狙う……はいずれツケがまわってくる! そろそろ仕組みを再構築するべきだ

掲載 98
補助金のバラまきでEV普及を狙う……はいずれツケがまわってくる! そろそろ仕組みを再構築するべきだ

 この記事をまとめると

■EVの購入には多額の補助金が交付される

環境問題よりも一般ユーザーは日々の生活が大切! BEVはユーザーがメリットを感じなければ普及しない

■地域による補助金の違いによってEVの実質的な購入価格は55万円から130万円も変わる

■EVに関する補助金をすべて見直して再構築すべき時期にきている

 環境のためではなく得するためにEVを買うことになりかねない

 EV(電気自動車)を購入するとき、大半のユーザーが補助金を意識する。その理由は補助金の交付額が多いためだ。

 EVのベストセラーになる日産サクラで見るとわかりやすい。サクラXの価格は254万8700円だ。申請を行うと経済産業省からの補助金が交付され、その金額は55万円になる。車両価格の20%以上が交付され、交付額を価格から差し引くと199万8700円だ。日産デイズハイウェイスターGターボアーバンクロムプロパイロットエディションの200万6400円を下まわる。

 さらに自治体によっては、経済産業省とは別に補助金を交付している。交付額は自治体によって異なるが、東京都の場合、サクラでは55万円が交付される(メーカー上乗せ額の10万円を含む)。

 この金額を経済産業省による55万円に加えると110万円だから、サクラXの価格から差し引くと144万8700円だ。254万8700円のサクラXが、 デイズでもっとも安価なSの143万7700円とほぼ同額で手に入る。

 さらに、東京都千代田区も、EVには20万円の補助金を別途交付しているから、すべてを合計すれば130万円に達する。サクラXの価格から差し引くと124万8700円だから、車両価格の半額以上が補助金によって戻ってくる。

 補助金はすべて税金によって支払われるから、社会通念上、一連の交付額は過剰だろう。しかもEVを所有するには、基本的に自宅に充電設備が必要だが、マンションなどの集合住宅では設置が困難だ。充電設備を備えた集合住宅は、少数の新築マンションに限られる。

 そして日本では総世帯数の内、約40%が集合住宅に住む。先に挙げた東京都千代田区のような都市部では、集合住宅の割合は70~80%に増える。そうなると集合住宅に住んでいて、EVが欲しくても所有できない人達にとって、多額の補助金は不公平と受け取られる。

 住む場所によって補助金額が倍以上も変わる!

 また、経済産業省の補助金は全国で実施されるが、自治体の交付額は前述のとおり地域によって異なる。すべての自治体が東京都のように多額の交付をするわけではない。川を一本隔てるだけで、補助金交付額が大きく変わるのだ。

 こうなるとEVの売れ行きは「補助金頼み」になる。補助金の有無によって、実質的な購入価格が55万円から130万円も変われば当然だ。「補助金の交付を受けられれば購入するし、そうでなければ買わない」と判断される。

 この点について、EVの販売店では以下のように説明した。

「お客様がEVを注文され、納車を待つ間に予算を使い切って補助金が終了すると困る。補助金の受け付けを再開してから申請すれば良いが、補助金申請書の提出期限は、原則として初度登録(軽自動車は初度届け出)から1カ月以内だ。そうなると補助金を受け取るには、受け付けを再開する直前まで登録できない。仕方なく登録しない状態で車両を預かり、補助金の受け付けが再開されてから登録と申請を行った」。

 このような具合だから、補助金が一切なくなると、EVの販売にも深刻な影響を与える。メーカーはEVのコストと価格の低減に力を入れ、国と自治体は、互いに連携して補助金の不公平を是正する必要がある。

 とくにいまのような補助金のバラ撒きは、一見するとEVの販売を促進するように思えるが、実際はそうならない。EVがクルマの魅力よりも「補助金ありき」で販売する商品になり、市場の関心も環境ではなく、損得勘定へ向かいかねない。補助金交付額が車両価格の10~15%であれば販売促進に効果的だが、それを超えると弊害が著しくなる。補助金をすべて見直して再構築すべき時期にきている。

こんな記事も読まれています

メルセデス、PUの冷却で誤算? ウルフ代表「1周0.5秒ほどタイムロスしてしまっていた」
メルセデス、PUの冷却で誤算? ウルフ代表「1周0.5秒ほどタイムロスしてしまっていた」
motorsport.com 日本版
いま登場すれば間違いなく大ヒット! パジェロの派生車が改めて見ると魅力的すぎた
いま登場すれば間違いなく大ヒット! パジェロの派生車が改めて見ると魅力的すぎた
WEB CARTOP
【スズキ スイフト 新型】色、コントラスト、そして「3D」で表現した新世代のインテリアデザインとは
【スズキ スイフト 新型】色、コントラスト、そして「3D」で表現した新世代のインテリアデザインとは
レスポンス
「一方通行の道路」バックで後退するのも「違反」なの? 道を間違えて「少し戻りたい」時はどうするべき!? 警察に聞いてみた
「一方通行の道路」バックで後退するのも「違反」なの? 道を間違えて「少し戻りたい」時はどうするべき!? 警察に聞いてみた
くるまのニュース
RBメキーズ代表、角田裕毅の”感情”は理解しつつも、リカルドを先行させたのは「当時としては正しい判断だった」
RBメキーズ代表、角田裕毅の”感情”は理解しつつも、リカルドを先行させたのは「当時としては正しい判断だった」
motorsport.com 日本版
影響は首都高にも 都内道路「東京マラソン」で一部通行止め&閉鎖 歩行者や自転車も要注意
影響は首都高にも 都内道路「東京マラソン」で一部通行止め&閉鎖 歩行者や自転車も要注意
乗りものニュース
新社会人、必見! 2024春 安くていいクルマ、オススメのモデルはこれ!【トヨタ・カローラ スポーツ】
新社会人、必見! 2024春 安くていいクルマ、オススメのモデルはこれ!【トヨタ・カローラ スポーツ】
月刊自家用車WEB
発売が待ち遠しいぞ! トヨタ新型「クラウン・エステート」のリアシートは快適か? “新種のクラウン”後席の座り心地をチェック
発売が待ち遠しいぞ! トヨタ新型「クラウン・エステート」のリアシートは快適か? “新種のクラウン”後席の座り心地をチェック
VAGUE
カッコイイだけじゃない! トライアンフ「スピード400」は初心者にもおススメの優しい1台 レーシングライダー石塚健の市販車インプレッション
カッコイイだけじゃない! トライアンフ「スピード400」は初心者にもおススメの優しい1台 レーシングライダー石塚健の市販車インプレッション
バイクのニュース
新エンジン採用でさらに楽しく軽快!! 新型スイフトは個性派に!? 3気筒エンジンで気になった点とは?
新エンジン採用でさらに楽しく軽快!! 新型スイフトは個性派に!? 3気筒エンジンで気になった点とは?
ベストカーWeb
アストンマーティン新型「ヴァンテージ」の最強布陣が完成! 市販モデルと80%を共有した「GT4」とは
アストンマーティン新型「ヴァンテージ」の最強布陣が完成! 市販モデルと80%を共有した「GT4」とは
Auto Messe Web
「カワサキ プラザ川越」がリニューアルオープン!白基調の明るい店内では、憧れのマシンがアナタを待っている!   
「カワサキ プラザ川越」がリニューアルオープン!白基調の明るい店内では、憧れのマシンがアナタを待っている!   
モーサイ
横浜ゴム、「タイヤガーデン」「グランドスラム」にてお得なキャッシュバックキャンペーンを実施
横浜ゴム、「タイヤガーデン」「グランドスラム」にてお得なキャッシュバックキャンペーンを実施
月刊自家用車WEB
斬新「軽バン」登場! 300万円超えの「ゴツい仕様」がスゴい!? 謎の「NORTH HUNTER」とは
斬新「軽バン」登場! 300万円超えの「ゴツい仕様」がスゴい!? 謎の「NORTH HUNTER」とは
くるまのニュース
自動運転の未来は近い!? 日産自動車が自動運転モビリティサービスの事業化に向けた取り組みを発表
自動運転の未来は近い!? 日産自動車が自動運転モビリティサービスの事業化に向けた取り組みを発表
Webモーターマガジン
今年のフェラーリは戦える! 開幕戦での3位獲得のサインツJr.「レッドブルの1台についていくことができたのは嬉しい驚き」
今年のフェラーリは戦える! 開幕戦での3位獲得のサインツJr.「レッドブルの1台についていくことができたのは嬉しい驚き」
motorsport.com 日本版
e-スノーバイクで安比の雪原を駆け抜けろ! e-スノーパーク・e-スノーツアー開催
e-スノーバイクで安比の雪原を駆け抜けろ! e-スノーパーク・e-スノーツアー開催
THE EV TIMES
角田裕毅、予選11番手「0.007秒差でQ3に届かず残念だが、自分の走りに満足」チームは目標達成を喜ぶ:RB/F1第1戦
角田裕毅、予選11番手「0.007秒差でQ3に届かず残念だが、自分の走りに満足」チームは目標達成を喜ぶ:RB/F1第1戦
AUTOSPORT web

みんなのコメント

98件
  • 鷲峯
    メディアも普及の後押ししてますよね。
    自分たちの責任はないのですか?
  • ********
    補助金対象は日本ブランドと友好国に限定すればいいのに。
    つまり中韓は対象外。造る技術なんかはないだろうけど北露もダメ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

249.4304.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

140.9315.0万円

中古車を検索
サクラの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

249.4304.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

140.9315.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村