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ゴーン肝入りのEVが大幅進化! 「リーフe+」は普通のリーフとどれだけ違う? 試乗で実力試す

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ゴーン肝入りのEVが大幅進化! 「リーフe+」は普通のリーフとどれだけ違う? 試乗で実力試す

■追加モデルとして登場した「e+」の実力とは

 日産「リーフ」は、世界初の専用ボディを備えた量産電気自動車として2010年12月に初代が発売されました。2017年夏には、2代目に進化して2018年4月に初代からの累計販売が日本国内で10万台を突破。

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 同年6月には、欧州でも累計販売10万台をオーバーし、世界販売30万台を超えた『世界一販売台数の多い電気自動車』となっています。そんなリーフに2019年1月9日、「リーフ e+(イープラス)」という派生モデルが追加されました。普通のリーフとはどこがちがうのでしょうか。

 もっとも大きな従来型(標準モデル)との違いは、バッテリー容量。従来車のバッテリーが40kWhなのに対し、追加された「e+」は62kWhと55%もアップ、そのメリットがどこにあるかといえば、もっとも恩恵を受けるのが電気自動車のウィークポイントといわれる航続距離です。

 標準モデルの一充電走行距離がWLTCモードで322?(JC08モード:400?)に対して、「e+」は458km(C08モード:570?)と40%以上の大幅アップ。ロングドライブ時の安心感はもちろん日常の利便性も大きく高まったといえます。

 変更されたのは、それだけではありません。ユーザーにとって航続距離延長と同じくらい大きなメリットとなるのが、充電性能のアップです。リチウムイオンバッテリーはバッテリーの“容量のうち充電されていない分(これから充電できる範囲)”が多い状態ほど急速充電時に大電流を受け入れられるという特性があります。

 そのため、バッテリー容量がアップした「e+」は、バッテリーに電気が残っている状態から始める急速充電において、同じ充電時間でも従来型より多くの電流を受け入れることが可能。

 日産は「バッテリー残量50%からの急速充電における30分間でバッテリーが受け入れ可能な電流量は40%も増えています」と説明。簡単にいえば、継ぎ足し充電が短い時間で済むということなのです。

 もうひとつの注目は、走行性能の向上。バッテリーの余裕が増したことで、モーターの最高出力は従来型比45%アップの160kWとなり、最大トルクは6%アップの340Nmへ高性能化しています。

 実際にサーキットで走らせてみましたが、コーナーからの立ち上がりでは驚くほど力強く、アクセルを踏み込むとタイヤはすぐにホイールスピンをおこし、横滑り防止装置が介入するほどの勢いで、スーッと気持ちよく速度が高まる感覚は、エンジン車と一線を画する気持ちよさで、速さも十分すぎるほどでした。

 日産の走行性能に関する説明では、「従来、50km/h以上で緩やかになっていた最大加速Gが70km/hまで継続したほか、80km/hから120km/hの中間加速が(従来型に対し)13%アップしています」といい、その説明にも納得です。

■従来型と「e+」の違いとは

 公道においては、高速道路の合流などでそれを感じることができるはず。また、コーナリング時は、姿勢がとても安定しているのも再確認。これは、バッテリーの大型化に伴って重心高が従来型よりも10mm下がっていることに加え、新しいバッテリーケースを採用したことでねじり剛性が8%アップしたことも効いていると思われます。重心が低くなった結果、車体のロール角が(0.4Gの旋回時に)5%ほど減っているそうです。

 大容量バッテリーを搭載したこの追加モデル「e+」について、日産自動車 日本EV事業部の寺西章氏は次のように話します。

――「e+」は、すべての面において従来型よりも優れているのでしょうか。

 従来型モデルより「e+」がすべての面で優れている訳ではありません。バッテリーが大きければすべていいというわけではなく、そのぶん価格帯が上がってしまう面もあります。

 また、40kWhのほうが車両重量は軽い(装備グレードにより異なるがe+は160kgから180kg重量増)ので、スタートが軽やかです。

――「e+」を追加した背景にはどのような理由がありますか。

 これまで航続距離の面で、EVを購入しなかった人にも選んでもらえる可能性が広がったと思いますし、従来型よりも伸びた航続距離で安心を求める人にも「e+」は最適だと思います。

 一方で、価格的には従来型のほうが手が届きやすいですから、「e+」の追加はさらに多くのお客様にマッチするためのラインナップ拡大が狙いとなります。

 そのため、今回の「e+」は進化版というよりは「選択肢を広げる」という意味合いが強いです。

※ ※ ※

 日産「リーフ」の車両価格(消費税込み)は、従来型(40kWh)が324万3240円から199万9240円に対し、追加された「e+」は416万2320円から472万9320円と同じグレード同士で比べても50万円以上高いです。

 ちなみに、「e+」は、バッテリーが大型化されているものの搭載レイアウトに工夫を施したことで、室内スペースは従来モデルと違いはありません。ただし、バッテリーのサイズアップ(高さが増している)に対応し、全高が5mm上がり、最低地上高は10mm低くなっています。

 また、従来はシルバーだったホイールのセンターキャップが黒くなってしますが、これは「e+」の追加と同時に従来型にも採用された変更点。従来型には同時に、踏み間違い衝突防止アシストやLEDヘッドランプが全車標準採用されるなど仕様が向上し、ナビがAndroid Autoに対応しました(Apple CarPlayには従来から対応)。

 そのほかの違いは、フロントバンパーの下端に青い縁取りが加わったことのみ。充電リッドを開くと「e+」のロゴが見えますが、これはオーナーだけが見える“隠れたオシャレ”といえそうです。 【了】

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