■SUVが多いマツダ車のなかでも「広くおススメしやすい」CX-5
モデルチェンジ直後で話題を呼ぶニューモデルだけではなく、デビュー後数年が経過しても地道に売れ続けているクルマがあります。マツダのSUV「CX-5」もそんな一台です。
今回はCX-5が根強く支持され続ける理由について、販売データなどをもとに探ってみます。
【画像】全方位で「ちょうどいい!」マツダ販売の中核を担い続ける「CX-5」を写真で見る(33枚)
身の回りで「よく見かけるなぁ」と思うクルマは、たくさんあると思いますが、その中でも地道にコツコツと販売台数を伸ばしている、とても目立つわけではないのに、すごいクルマって実はたくさん存在しています。
そんなクルマには「一体どんな秘訣や魅力があるんだろう?」と、詳しく調べてみることにしました!
今回取り上げるのは、マツダのクロスオーバーSUVであるCX-5です。日本車のSUVのなかでも、近年のSUVブームの火付け役になった1台と言っても過言ではありません。
現在のマツダ車のデザインテーマである“魂動(こどう)”が始まったのは、2010年の北米ロサンゼルスショーに出展された「靱(SHINARI)」という4ドア・4シータークーペの美しいコンセプトカーから。
市販車として“魂動”デザインをまとったのは、2011年にデビューし翌2012年から発売された初代CX-5からでした。
これまでにない美しいデザインのSUV、そして使い勝手も良く、運転も楽しい。このように、SUVとしての新しい価値感を生み出したことで、大きな人気を博しました。
初代のグローバルの販売台数は、約170万台、日本では約15万台です。
2016年にフルモデルチェンジし2017年から発売を開始した現行型モデルは、すでにそれを上回る約200万台以上を売り上げています。
現行型CX-5の購入層は幅広く、20代から50代のそれぞれの年代で20%前後の割合になっています。
若い世代からファミリー層、子供が独立してからも乗る人……ここまで層が厚いのは、SUVの中でも日本の道に合ったサイズ感と手頃な価格帯、そして、どんな人でも似合う美しいデザインがあったからだと思います。
筆者(伊藤 梓)の友人には、20代からCX-5に乗り始めて、家族ができてからも愛用している人がいるのですが、「最初はかっこよくて買ったけど、運転がしやすくて楽しいから、もう他のクルマヘの乗り換えは考えられない」といっていました。
現在CX-5の購入層の約40%は同じCX-5からの乗り換えで、ほかのマツダ車からの乗り換えもプラスすると、57%にもなっているそうです。
価格帯も200万円台後半から約350万円と、サイズ感やものの良さを考えると手頃な値段になっていると感じます。
また、SUVというカテゴリーに、マツダのクリーンディーゼルエンジンがマッチしているのも大きいのでしょう。
パワートレインの販売率でいうと、ディーゼルエンジンの「SKYACTIV-D 2.2」が66%、ガソリンエンジンの2.5リッター「SKYACTIV-G 2.5」が9%、2リッター「SKYACTIV-G 2.0」が24%となり、圧倒的にディーゼルエンジンを選んでいるユーザーが多いことが分かります。
購入時の価格は同グレードで比べるとディーゼルモデルの方が30万円以上高いのですが、長い目で所有することを考えると、軽油は燃料代が安いうえ、ディーゼルエンジンも燃費がよいので経済的。それでいてガソリンモデルよりもパワフルで扱いやすいとなれば、人気があるのは納得ですね。
個人的に気に入っているのは、2021年11月に追加設定された「フィールドジャーニー」。アウトドアにも似合う特別仕様車です。
テーマカラーの「ジルコンサンドメタリック」というカーキ系のボディカラーと、アクセントにライムグリーンの蛍光色が効いていてとてもかっこいい!
残念ながら、まだ認知度はそこまで高くないようですが、これまで美しさに念頭を置いて作られていたCX-5が、タフさも身につけてよりクルマとしての幅が広がったと感じます。
これもあまり知られていませんが、マツダの4WDは技術も高く悪路走破性にも優れているので、街中を美しく走るだけではなく、オフロードもガンガン走るCX-5が増えたら良いなと思っています。
CX-5は、私自身も好きなクルマのひとつ。これまであまり自分には馴染みのなかったSUVというモデルが、グッと身近に感じられるようになったのはCX-5がきっかけだったと思います。
マツダ車というと、スポーティな半面でちょっと足回りが硬めなクルマが多いように感じますが、CX-5などはしっかりサスペンションがストロークする余地があったり、タイヤも扁平率が高いので、乗り心地もよく快適です。
アイポイントも高く、操縦性も作り込んであるので、運転が苦手な人でも運転しやすいSUVになっていると思います。
これまでマツダが育ててきた「走る歓び」や「魂動デザイン」などが、CX-5という親しみやすいSUVを介して、より良い形で幅広い層に届いているのが、CX-5が長く人気を維持している秘訣なのかなと思います。
※ ※ ※
上級モデルの新型CX-60など、マツダのSUVはどんどん車種も増えてきています。
しかし格好よく価格が手ごろでサイズ感も適度、さらに走りも楽しい……。相変わらずどんな人にでも一番おすすめできるのはこのCX-5だな、と再認識しました。
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みんなのコメント
売れるよねえ。
車はデザインもとても大切だと思います。気に入っている車は大切に扱って、事故率も減少すると思います。美しさとパワーそして安全装備、何より低コスト。マツダしか考えられないです。