ベストセラー車復活か
ポルシェは、第2世代のSUV「マカン」をEV専用とする決定を覆す可能性がある。ドイツの名門ブランドは93年の歴史の中でも特に困難な時期を迎えている。
【画像】EV専用となった第2世代【ポルシェ・マカン・エレクトリックを写真で見る】 全25枚
新型マカン・エレクトリックは、タイカンGTに続くポルシェ第2のEVとして、昨年7月に発売された。
より大型のSUVであるカイエンは、今年後半に予定されているEVバージョンの発売後もガソリン車の販売を継続できるよう改良されたが、ガソリン車のマカンは、欧州のサイバーセキュリティ規制に準拠していないとして、4月にEUでの販売が終了した。他の市場では引き続き販売されているが、それも今年いっぱいで終了する見通しである。
ポルシェの内部関係者がAUTOCARに語ったところによると、ポルシェのベストセラー車を内燃機関(ICE)から切り離すという決定を経営陣が再検討されているという。これは、ポルシェの世界的な販売台数が7%減少したことを受けたものだ。
この落ち込みは、EVへの関心が全般的に低迷する中で、タイカンの販売減少が主な要因となっている。タイカンの販売台数は50%減少し、2024年にはポルシェの最も売れ行きの悪いモデルとなった。
そのため、ポルシェはタイカンの生産を大幅に縮小した。一部メディアの報道によると、シュトゥットガルトの主力工場から撤退し、数千人の雇用が危険にさらされる可能性もあるという。
副会長兼最高財務責任者(CFO)のルッツ・メシュケ氏は、ICEモデルがポルシェのラインナップの重要な一部として、従来予想されていたよりも長く残ることを認めた。
当初、ポルシェは2030年までに世界販売の80%をEVにすることを目指していたが、この目標はやがて「顧客の需要次第」と修正された。
「当初計画していたEVの一部に、将来的にハイブリッド駆動またはICEを搭載する可能性を検討している」とメシュケ氏は述べた。
「大筋は決定しているが、はっきりしているのは、我々がずっと長い間ICEにコミットしているということだ」
ICE生産拡大の主な焦点はカイエンに置かれてきたが、ポルシェ内部の情報筋によると、「さまざまな製品シナリオ」の一部として、ICEのマカンが再検討されているという。
「新型マカン(エレクトリック)への反響は好意的だが、不確実な市場状況を考えると、長期的なパフォーマンスはまだわからない」と、ポルシェの幹部は話す。
「タイカンの販売低迷は、新たな市場動向を浮き彫りにしている。消費者行動に関する従来の想定だけに頼るわけにはいかない」
ICEのマカンはポルシェにとって非常に重要な製品であり、累計販売台数は10年間で50万台に達した。また、ポルシェの2024年の販売台数がほぼ30%減少した中国市場でも売れ筋だった。
新型ICEマカンの導入が決定した場合、フォルクスワーゲン・グループ傘下の兄弟ブランドであるアウディと足踏みを揃え、第3世代のQ5に倣ってPPC(プレミアム・プラットフォーム・コンバッション)ベースで開発されることになるだろう。Q5は、新型Q6 eトロンとともに昨年末に発売されたばかりだ。
迫られるラインナップの見直し
世界的に不透明な市場状況にもかかわらず、ポルシェの利益率は依然として高い水準を維持しており、2024年の最初の3四半期には14.1%に達し、売上高237億ポンド(約4兆4000億円)から営業利益33.5億ポンド(約6400億円)を計上した。
製品ラインナップの見直しは、世界最大の自動車市場である中国の動向に沿ったものである。中国では多くの自動車メーカーが幅広い顧客層に対応するために、EVと並行してPHEVやレンジエクステンダーEVを導入している。
ポルシェの電動化計画は、引き続き大きな課題に直面している。タイカンの生産が大幅に縮小される中、当初2025年に予定されていたEVスポーツカー、718ボクスターおよびケイマンも、バッテリーサプライヤーのノースボルト社が最近破産申請したことにより、遅延が予想される。
ポルシェは、マカンに関するAUTOCARの問い合わせに対しコメントを控えた。
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