いすゞは2023年10月6日、タイで生産している1トン積みピックアップトラックの「D-MAX(ディーマックス)」にビッグマイナーチェンジを実施し、10月12日からタイで販売を開始すると発表した。順次、グローバルに展開するが、日本には残念ながら導入する予定はないとのことである。
いすゞのピックアップトラックは本格的に世界展開を始めた1972年のファスターから数えて7世代を数え、D-MAXとしては3代目。100カ国以上の国・地域で累計500万台を販売してきたグローバル戦略車である。現行モデルは2019年10月にデビューして以来、力強いデザイン、悪路走破性、燃費性能の高さでユーザーから支持されている。D-MAXは先日フルモデルチェンジした三菱トライトンのライバルであるが、タイ国内ピックアップトラック市場での2022年のシェアは45%で、堂々のナンバー1に輝いた。今回の大幅改良では、好評の内外装デザインに磨きをかけて安全性能、走行性能を向上させた点がポイントである。
外観はおもにフロントとリヤのデザインを一新。新モデルのコンセプトである「剛」(STRONG&AGGRESSIVE)、「駆」(SPORTY)、「進」(FUTURISTIC&DIGITAL)を表現した。フロントはエンジンフードにパワーバルジを追加して、グリルを高く幅広くすることで力強さをアピール。ヘッドライトはDRL(デイタイム・ランニング・ライト)を上部に配し、上級グレードには3つのキャラクターランプを追加することで新しさとスポーティさを演出した。リヤは上級グレードのテールランプをLEDライトチューブによる3段L字型モチーフで強調し、翼を広げているような印象と車両のワイド感を表現している。空力性能向上のためフロントバンパー左右にエアカーテンを新設し、テールゲート上部のスポイラー形状を大型化している。
インテリアのコンセプトは「靱」(STRONG&SUPPLE)、「麗」(HIGH-CLASS&SOPHISTICATE)。インパネのセンタークラスターは新しいU字シェイプを採用し、力強さとインフォテイメントディスプレイの一体感を強調。インフォテイメントディスプレイはダイヤル式スイッチを追加することで操作性がアップした。上級グレードのインパネガーニッシュ、シート素材などにミウラ折りパターンをモチーフにしたデザインを採用して新しさと高級感を打ち出している。また、7インチに拡大したメーター内のTFTディスプレイとインフォテイメントディスプレイには、いすゞ独自のGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)を採用し、タッチスクリーンの使いやすさと視認性を向上させ、洗練された上質感を演出した。
安全装備では、新世代ステレオカメラを採用。カメラレンズの周囲には電熱線を追加し、外気温低下時にカメラレンズ周辺のフロントガラスの曇りを防ぐ。上級グレードは交差点進入時にカメラが対向する横断歩行者を検知し、危険な状況と判断した場合に自動ブレーキが作動。さらに、前向き駐車からの後退時でも後側方から接近する車両を検知し、危険時には自動ブレーキが作動する。そのほか、渋滞時の前車追従走行をアシストする機能やMTモデルへのACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)対応など利便性を向上させている。
走行性能では、4WD車のリヤデフロック作動時のトラクションコントロール領域を広げることで、片輪が浮いて駆動力が抜けてしまう場合でも、浮いているタイヤのブレーキ制御を行い、もう一方のタイヤに駆動力を伝達することにより悪路での脱出性能を向上させている。走行モードには新たにラフテレインモードを追加。車両が最適なタイヤ回転数になるようにエンジン出力やブレーキを制御し、アクセル操作だけで悪路での発進・加速時のトラクションを確保し、高い走破性を実現している。
10月6日に行われた発表イベントで、いすゞの南 真介社長COOは、「タイでバッテリーEVピックアップの生産を計画しており、まずは欧州から導入し、タイを含め市場のニーズに応じて順次、投入を検討していく」との方針を発表した。いすゞは王者の強みをさらに伸ばす改良と、将来への対応も抜かりなく行っているのである。
〈文=ドライバーWeb編集部〉
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