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おもてなし? 余計なお世話? こんな装備なんかいらない!

掲載 更新 49
おもてなし? 余計なお世話? こんな装備なんかいらない!

 現代のクルマはオートエアコンから、足をバンパー下にかざすだけで開くドア、話しかけるだけで音楽をかけたりするインフォテイメントまで、昭和の人間からすれば、まさにおもてなしの度を越して、ちょっとおせっかいなんじゃないと感じる装備も多い。

 そこで「余計なお世話、お節介な装備なんじゃない?」、「こんな装備いらない」と思われる装備をピックアップしてみた。さて、どんな装備が出てくるのか?

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文/永田恵一、写真/トヨタ、日産、ダイハツ、ホンダ、スバル、メルセデス・ベンツ

【画像ギャラリー】「あったらいいな」とはなっていない装備を見る!

■リバース連動でドアミラーの画面が下がる機能

シフトレバーをリバースに入れると連動してドアミラーが下向きになる、リバース連動ドアミラー。「勝手に下げないでよ…」と思うことも多々ある

 この機能を現在41歳の筆者が初めて知ったのは昭和の最後に見た当時のBMW7シリーズに装備されていたもので、自動車メディアで大絶賛されていた記憶がある。

 クルマを運転するようになりこの機能が付いたクルマに触れてみると、確かにバックで駐車する際などに後輪の動きや位置を確認するためにドアミラーの画面を下げるというシーンは多々あり、便利なようにも感じる。

 しかし、バックで駐車する際などには段階があり、駐車ならまだ駐車枠に近づいていなければ通常のミラー位置で全体的に後方を確認したいことが多く、結局この機能が付いていていると一度ミラー位置を調整することになる。

 駐車枠やロック板が近づいてきたら再度ミラー位置を下げるため、「手間が増えるからお節介」と感じる人も少なくないようだ。

 そのためこの機能は「あってもいいけど、分かりやすく操作できるキャンセル機能が欲しい」というのが落としどころではないだろうか。

■予約機能付きパワースライドドア

アルファードの予約機能付きパワースライドドア。あらかじめ設定したスライドドア検知エリアに近づくだけで、スライドドアが自動的に解錠する

 スライドドアとなっている日本車はミニバンどころか、N-BOXのような軽スーパーハイトワゴンでもドアハンドルを引けば電動でドアが開くパワースライドドアが当たり前となっており、スライドドアの電動開閉は欲しい人が多い装備となっている。

 最近では両側パワースライドドアも珍しくないものになっているのに加え、アルファード&ヴェルファイアなどでは「予約機能付きウェルカムパワースライドドア」に進化している。

 この機能はスマートキーを使って「操作なし」で自動オープンしたいスライドドアを予約すると、20分間の時間制限付きという条件下で作動範囲にて約2.5秒待つと予約したスライドドアが自動オープンするというものである。

 「子供がフロントのヒンジドアを開けようとして隣のクルマのドアパンチしてしまった」などの心配を考えれば、確かに有難いこともあるだろう。

 しかし、多くの人は「ドアハンドルを引けば電動で力も必要なくスライドドアが開くのだから、それで十分ではないか」と考えそうなだけに、現代におけるお節介な装備の代表的存在なのかもしれない。

■ミニバンのスライドドアに付く乗降用電動ステップ

セレナの乗降用電動ステップ。そもそも低床設計のミニバンであれば、必要性を感じない装備でもある

 これはパワースライドドアを開くと同時にサイドシルに収納されていた乗降用ステップが電動で出てくるというもので、三菱デリカD:5と日産セレナを例に考えてみる。

 デリカD:5の場合はコンセプトが「SUVの要素を盛り込んだミニバン」なだけに、最低地上高が高く、乗降性もよくないのでアリな装備だ。

 対するセレナは乗降用電動ステップがオプション設定されており(装着すると持ち込み登録)、あると2列目以降にアクセスしやすくなるのは事実だ。

 しかし、それはよく考えてみると「普通のミニバンのセレナで乗降用電動ステップがあるとよく感じるというのは、『セレナがプラットホームの古さなどによりそもそも乗降性が悪いから』という証拠ではないか」ということでもある。

 そのため普通のミニバンで乗降用電動ステップがあると有難いというのはユーザーの使い方もあるにせよ、お節介という以上にそもそもクルマに問題があると考えるべきではないだろうか。

■アイドリングストップ機構

エンジン停止した直後に再始動することも多々あり「意味ないじゃん…」と感じることもしばしば

 アイドリングストップは当サイトで何度か書いているようにお節介装備の筆頭だ。

 正確に言えば、燃費向上や環境負荷低減のため10年ほど前から普及し始めたアイドリングストップだったが、確かに特に市街地での燃費は明らかに向上するが、いろいろな使用パターンを総合した燃費の向上度合いはそれほど大きくない。

 それ以上にアイドリングストップは12Vバッテリーへの負担が大きいため、12Vバッテリーの寿命はアイドリングストップなしに対し3分の2程度。

 またアイドリングストップ車用のバッテリーの価格はアイドリングストップなし用の1.5倍程度のため、長いスパンで見るとアイドリングストップ付は12Vバッテリーに掛かる費用がアイドリングストップなしの2倍近く掛かる。

 この時点でアイドリングストップ装着によりかさむコストをガソリン代でペイすることはほぼ無理だろう。ということが明らかになってしまったので、今ではお節介な装備に成り下がってしまったというわけだ。

 さらに環境負荷という面でも、燃費の向上による二酸化炭素排出量は削減できたとしても、12Vバッテリーの消費が増えるというのは疑問が残る。

 ということを総合すると、CAFEにより「何が何でもカタログ燃費を向上しなくてはならい」というメーカーもあるにせよ、アイドリングストップの装着は環境負荷やユーザーの負担を総合的に見て、慎重に考えてほしいところだ。

■急激に進化した「自動駐車機能」だが……

ホンダ eのホンダパーキングパイロット。縦列駐車や並列駐車をスムーズに行ってくれるので、機能の進化を実感できる

 2003年登場の2代目プリウスで登場した自動駐車機能はちょっと前のものまで、「使い方が難しい、スペースがギリギリのところだと使えない、自分でやったほうが早い」といった理由で付いていても使っている人は少ない、お節介装備だった。

 実際、デジタル機器に疎い筆者は何のクルマだったかは忘れたが、自動駐車機能を使いバックで車庫入れ駐車をしたかったのに、なぜか想定と違う枠に前進で入っていたという経験もある。

 しかし、日本車ではマイナーチェンジされたレクサス LS、新型トヨタ MIRAI、ホンダ eに装備される最新のものだと、駐車したいスペースの指定が容易なうえに、スペースを指定したあとはブレーキペダルを離せば操作なしで、縦列駐車も上手かつ素早く行ってくれる。自分で駐車するストレスのほうが大きいほどに進化している。

 さらにあらかじめ登録しておけば、白線のない自宅駐車場のようなスペースへの駐車を行ってくれる点も非常に有難い。

 しばらく気にしなかったうちに性能を劇的に向上した自動駐車機能はお節介装備から、急激に進化して、”使える”装備に急成長した。

 しかし、そもそもこの自車駐車機能に頼るようなドライバーって甚だ疑問……、というより運転する資格があるのかということさえ思ってしまう。

 一部の高級輸入車には、ドライバーがクルマから降りてスマホなどで操作すると自動でクルマが駐車してくれるリモートコントロールパーキングという機能もある。これは駐車スペースが狭い時にドアを開けると降りられない、隣のクルマにドアをぶつけるといった時に有効だ。

 バックモニターと同様、お節介装備からありがたい装備に今後なっていくのだろうか。

■自動レーンチェンジ機能

レヴォーグのアイサイトXに装備される、アクティブレーンチェンジアシスト。完全にクルマ任せとはならない現段階では、必要性に疑問が生じる

 メルセデス・ベンツの各車、レヴォーグのアイサイトX、スカイラインのプロパイロット2.0といった高性能な運転支援システムを装備しているモデルは、ドアミラーの死角になりやすい斜め後方を監視するブラインドスポットモニタリングなどと呼ばれる装備を採用する。

 この機能を利用して高速道路を中心にドライバーがウインカーを出し、後方の安全が確認できると自動でレーンチェンジを行ってくれる機能も備えている。

 この機能は確かに見事なレーンチェンジを見せてくれるのだが、クルマがやることだけにユックリとしたレーンチェンジとなることもある。

 さすがにレーンチェンジの際にはドライバーもクルマ任せではなく後方確認をする点も考えると、現時点では自動レーンチェンジ機能まではお節介とは言わないにせよ必要性は薄いのではないだろうか。

 近くにクルマがいる際には誤ってレーンチェンジしてしまうのを防ぐ機能を普及させれば十分にも思う。ただ、将来的に自動運転が普及したときには必須の機能になるに違いない。

■備え付けのモニターをカーナビなどに使える機能は本当に有難いのか?

ナビ機能を持たないが、スマートフォンと接続することで好きなナビアプリをカーナビとして使用することができる

 三菱 エクリプスクロスが火付け役となった「スマートフォンを車両備え付けのモニターに接続することで、カーナビなどとしても使える機能」は、トヨタ車(トヨタ車の場合はディスプレイオーディオ)や輸入車でも増え始めている。

 この種の機能のメリットを考えてみると、まずダッシュボードの形状などによりDINサイズのカーナビの対応が難しい輸入車では、DINサイズのカーナビに対応するコストなどを考えれば、メリットは非常に大きい。

 しかし、日本車の場合は「スマートフォンの地図よりカーナビの地図のほうが好き(スマートフォンなら新しい道が即反映されるなどのメリットもあるにせよ)」、「スマートフォンとの接続がよく分からない、面倒」という層も少なくない。

 そのためトヨタ車ではこの種の機能が付いていても、6万6000円からとなるカーナビ機能を加えるというユーザーもそれなりにいるようで、実際筆者が買ったGRヤリスも最近筆者の叔母が買ったヤリスハイブリッドもカーナビ機能も加えている。

 もう1つこの種の機能で困るのがCDで、現在CDを使っている人がどのくらいいるのかは別にして、懸念事項としている人はそれなりにいるようだ。

 なお、GRヤリスではCDを加えることは不可、5ドアのヤリスはディーラーオプションでCDプレーヤーを加えるのは可能だ。ただ5ドアのヤリスの場合はチェンジャーではないものを助手席下に装着するタイプで、価格は4万1250円と高い。

 ということを総合すると、輸出などの事情もあるにせよ「今まで同様に2DINのスペースを用意し、ナビはCD付もある市販品を選べるほうが良かったのでは」という意見も成り立ち、この種の機能がお節介装備にならないかちょっと不安だ。

■今後の発展を期待したい便利装備

Aクラスに装備されたMBUX。「ハイ、メルセデス!」と呼ぶと起動する 。BMW 3シリーズにも音声認識システムが新たに採用されるなど、今後急速に普及していくものと思われる

●「ハイ! メルセデス」などの音声入力機能
 BMWにも付くこの種の機能は、今のところドライバーとの相性などにより感じ方が異なるところも大きいように思う。

 筆者の経験ではベンツのものは最初のAクラスでは意図が伝わりやすかったが、最近使ったEクラスのものなどはいまひとつ、BMWのものは比較的的中率が高い。

 筆者のGRヤリスのものはナビの目的地入力だけだが、的中率70%という印象だ。今後エアコンやオーディオなどの操作系も含め、性能が向上し、的中率が100%に近くなると、当たり前の装備になる日も遠くないのではないだろうか。

■現地点でもぜひ付けておきたい便利装備

日産のルークスに採用されているSOSコール(ヘルプネット)は、ルーフに設置されているスイッチを押すと専門のオペレーターと繋がり、自車位置などの情報が自動的に連絡される

●コネクテッド機能&緊急停止機能
 クルマとオペレーターさんがつながるコネクテッド機能はレストランに代表される施設の紹介以上に、イザという時の交信機能が非常に有難い。

 筆者が経験したことがあるのはコネクテッド機能も装着した自分のGRヤリスで、首都高への合流時にアクセルを深く踏んだ際にいきなりクルマが失速。

 コーションが点き、そのままオペレーターさんへの交信が可能となり、即購入ディーラーと連絡ができたということがあった。

 また、この種の機能には急な体調不良の際などに使えるSOS機能や、エアバッグが展開した際には問いかけがあり、返答がなかった場合には自車位置に救急車を手配してくれる機能もあり、有無が生死を分ける可能性もある。

 また最近ではドライバーの操作がないなどの、ドライバーの体調による異変をクルマが検知した際にはハザードランプやホーンで異常を周囲に知らせながら、クルマを徐々に減速し、最終的に停止させるという機能を持つものも増えている。

 特にこの種の機能を持つレクサス LSでは緊急停止後にコネクテッド機能との連携により、自車位置への救急車の手配も行ってくれるので、普及を望みたい装備の一つだ。

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みんなのコメント

49件
  • つまらん記事だけど、アイドリングストップは全面同意
  • 読んでしまったが、つまらない内容だ。
    技術の発達過程、模索を楽しめないとは。
    まるで蓮舫のようです・・・
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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