現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > トヨタ「GRヤリス」をトムスが本気で仕上げたら…? コンプリートカー専用タービン&ECUがスゴすぎました【デモカー試乗】

ここから本文です

トヨタ「GRヤリス」をトムスが本気で仕上げたら…? コンプリートカー専用タービン&ECUがスゴすぎました【デモカー試乗】

掲載 41
トヨタ「GRヤリス」をトムスが本気で仕上げたら…? コンプリートカー専用タービン&ECUがスゴすぎました【デモカー試乗】

GRヤリスの細部まで知り尽くしたトムスの本気とは

パーツメーカーやスペシャルショップが、自慢のアイテムや技術を惜しみなく投入しているのが「デモカー」。それぞれどんなコダワリを投入しているのか、そして実際のところ、純正スペックと比べて何がどう変わっているのだろうか? 今回はトヨタ車でのレース活動やパーツ開発で知られるトムス(TOM’S)が手がけた「GRヤリス」のコンプリートカーに試乗してみた。

500台限定のトヨタ「GRMNヤリス」をサーキットとオフロードで乗り比べ! ミニ「JCW」を超えるために必要なこととは

肝はオリジナルのハイフロータービンとECUセッティング

トヨタのエースナンバーを背負ったレーシングチームとして国内外で戦ってきたトムス。レーシングチームであると同時に、市販車用カスタマイズパーツをリリースするパーツメーカーでもある。

これまでもディーラーなどでも販売されるエアロパーツやサスペンション、ブレーキなどオリジナルパーツをリリースするとともに、1988年に20系「ソアラ」と70系「スープラ」のコンプリートカー「C5ソアラ」&「C5スープラ」を発表したのを皮切りに、いくつものコンプリートカーを世に送り出してきた。

そんなトムスがコロナ禍をはさんで3年ぶりに、2023年1月の東京オートサロンで「GRヤリス」のコンプリートカーを発表した。トムス開発企画部の今村さんはこう語る。

「2020年のセンチュリー、スープラに続く新たなコンプリートカーとして、GRヤリスの上質な中古車をベースに、トムスのパーツで仕上げたコンプリートカーを提案しようと始まったのがこの企画です」

GRヤリスのコンプリートカーにはエアロパーツやブレーキキャリパーなどが装着されるが、なんと言っても注目は、ハイフロータービンと専用ECUの書き換えだ。

GRヤリスは現状アフターマーケットでもパワーアップが難しい車種。フルコン化して書き換えれば300ps後半も可能だが、100万円近いコストが必要となる。純正ECUデータの編集は可能だが、それほどパワーアップができない。そのためいまだECU書き換えチューンが普及していないのが実情だ。

トムスはオリジナルのハイフロータービンを装着し、それに合わせてECUを書き換えてセット。300ps/43kgmを実現している。発売当初から開発に取り組み、さまざまなテストを行った結果、パワーを引き出すことに成功しているのだ。

コンプリートカー専用! しかしその価値はある圧倒的な走りの快感

トムスのGRヤリスコンプリートカーに乗ってみると、たしかに刺激的。やや大きめのタービンになったことで低回転のもっさり感があるかと思ったが、1500rpmくらいから徐々に過給が始まる。3500rpmくらいからは明らかにノーマルよりも力強いトルクを味わえる。低回転から全域でトルクフルになっていて、乗りやすさが感じられるのだ。

さらにアクセルペダルに対してエンジンの反応が良くなっている。気持ちよくレスポンスしてくれるため、走る楽しみがアップしている。その辺を普通に乗っているだけでも十分に楽しい。

とくに3速以上はブースト圧が1.6kg/cm2程度かかり、長い時間にわたり高いブースト圧を楽しむことができる。これこそターボ車の魅力で、グイグイと車体が引っ張られていくのが快感だ。排気系は市販品よりもパイプ径を太くして排気効率を引き上げている。排気音は太めで気持ちの良い音質で、これも走る楽しさを高めてくれる。

とにかく気持ちよさがアップしていて、それでいてトルクもパワーも明らかに向上。サーキット専用ではなく、ぜひ街乗りで楽しみたくなる特性なのだ。

このタービンとECUはバラ売りはせずコンプリートカーのみに装着して販売される。アフターパーツとして購入はできないが、中古車をベースとしてコンプリートカーを仕上げてもらうことは可能なので、すでにGRヤリスをお持ちであればトムスに入庫してコンプリートカーとして仕立ててもらえば装着は可能だ。

今後はタービンのエキゾースト側も拡大したバージョンを計画中。そちらでは360psを目指しているという。

安心してアクセルを踏める足まわりのプロデュースも絶品

組み合わせる足まわりはオリジナルの車高調、Advoxサスペンションシステム。バネレートはフロント13kg/mm、リア14.5kg/mmだが極めてしなやか。大きめの段差ではやや硬さを感じる場面もあるが、基本的にはすごく快適だ。しなやかでありながらしっかりと初期から減衰力も出ているので、ステアリングの切り始めの反応の良さが心地よい。

タイヤはブリヂストンのPOTENZA RE-71RS(255/35R18)を前後に装着。本格的なサーキット走行から街乗りまで幅広く対応できるタイヤをチョイスする。そしてホイールはオリジナル品。鍛造製法にこだわりトムスが独自に企画し、高い剛性と軽さを併せ持つ鍛造アルミで製作した1ピースモデルだ。まもなく発売される新商品で、GR86に向けた10本スポークモデルなども発売される予定だという。

ブレーキはブレンボ製キャリパーをフロント6ポット、リア4ポットで装着し、極めて気持ち良いタッチを実現している。乗り始めた直後はやや効きすぎるかと思ったが、数分すればまったく違和感なく扱える。そのコントローラブルさが心地よい。しっかりと止められる自信が生まれるからこそ、存分にアクセルを踏むこともできる。その速度の出入り口のプロデュースが素晴らしいのだ。

* * *

レーシングチーム運営からレーシングカー製作にも携わるトムス。その中で培われた技術が市販車にもフィードバックされている。GRヤリスでも各種競技に携わっているからこそ、細部まで知り尽くしたレベルアップが提案できるのだろう。そのGRヤリスの気持ちよさは、ぜひ味わってもらいたいレベルである。

■「デモカー試乗」連載記事一覧はこちら

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】もう二度と作ることができない限定400台[インプレッサ22B-STiバージョン]はいまや3000万円以上!!!!
こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】もう二度と作ることができない限定400台[インプレッサ22B-STiバージョン]はいまや3000万円以上!!!!
ベストカーWeb
佐藤万璃音を擁してWEC・LMGT3に参戦するユナイテッドAS、マクラーレン720S GT3エボの新リバリー発表
佐藤万璃音を擁してWEC・LMGT3に参戦するユナイテッドAS、マクラーレン720S GT3エボの新リバリー発表
AUTOSPORT web
【詳細データテスト】プジョー5008 経済性は良好 走りと快適性は及第点 実用性や居住性は不満も
【詳細データテスト】プジョー5008 経済性は良好 走りと快適性は及第点 実用性や居住性は不満も
AUTOCAR JAPAN
「スーパーフォーミュラしかない!」念願かなったルーキーたちの課題は。2レース制増も影響か
「スーパーフォーミュラしかない!」念願かなったルーキーたちの課題は。2レース制増も影響か
AUTOSPORT web
こ、これアウトランダーじゃね!? 決算説明から見えた[日産PHEV第1号車]は三菱からのOEMか?
こ、これアウトランダーじゃね!? 決算説明から見えた[日産PHEV第1号車]は三菱からのOEMか?
ベストカーWeb
日産「フェアレディZ」にワゴンが登場!?  実は「ステージア」ベースで「リーフ」リアゲートを移植…車検をとって公道走行可能なカスタムカーでした
日産「フェアレディZ」にワゴンが登場!? 実は「ステージア」ベースで「リーフ」リアゲートを移植…車検をとって公道走行可能なカスタムカーでした
Auto Messe Web
実はサーキットより面白い? 本気のオフロード走行のススメ SUV人気の裏にある魅力
実はサーキットより面白い? 本気のオフロード走行のススメ SUV人気の裏にある魅力
AUTOCAR JAPAN
「オートモビリア」って、なに? ミニカーや古本などがずらりと並んだ「アミューズメントゾーン」にはキャンギャルも登場して熱気に包まれてました
「オートモビリア」って、なに? ミニカーや古本などがずらりと並んだ「アミューズメントゾーン」にはキャンギャルも登場して熱気に包まれてました
Auto Messe Web
「これが売れなかったら四輪撤退…」→超ロングセラーに! 世界の「シビック」を生んだ“妙な納得感のある理論”とは
「これが売れなかったら四輪撤退…」→超ロングセラーに! 世界の「シビック」を生んだ“妙な納得感のある理論”とは
乗りものニュース
沼にハマる 『レトロモビル2025』でフランス車の魅力に迫る 高い技術力と芸術的デザインの融合
沼にハマる 『レトロモビル2025』でフランス車の魅力に迫る 高い技術力と芸術的デザインの融合
AUTOCAR JAPAN
トヨタ「86」&スバル「BRZ」用クラッチは「歯打ち音」を低減!「ヤリス」用は半クラが扱いやすい…待望のアイテムが「小倉クラッチ」からリリース!
トヨタ「86」&スバル「BRZ」用クラッチは「歯打ち音」を低減!「ヤリス」用は半クラが扱いやすい…待望のアイテムが「小倉クラッチ」からリリース!
Auto Messe Web
先端の「クマ」も再現 ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(2) 受賞多数のオープンボディ
先端の「クマ」も再現 ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(2) 受賞多数のオープンボディ
AUTOCAR JAPAN
帽子を焦がしたレーシングシャシー ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(1) バラバラからの再生
帽子を焦がしたレーシングシャシー ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(1) バラバラからの再生
AUTOCAR JAPAN
トヨタ勝田貴元、惜しくも優勝逃す2位フィニッシュ……3.8秒差で僚友エバンスに軍配|WRCラリー・スウェーデン
トヨタ勝田貴元、惜しくも優勝逃す2位フィニッシュ……3.8秒差で僚友エバンスに軍配|WRCラリー・スウェーデン
motorsport.com 日本版
スズキの超ハイルーフ「本格SUV」に期待大!「ジムニー」超える“悪路走破性”に「まるで軍用車!?」な斬新デザイン採用! 日常から“アウトドア”まで大活躍の「エックスヘッド」コンセプトがカッコイイ!
スズキの超ハイルーフ「本格SUV」に期待大!「ジムニー」超える“悪路走破性”に「まるで軍用車!?」な斬新デザイン採用! 日常から“アウトドア”まで大活躍の「エックスヘッド」コンセプトがカッコイイ!
くるまのニュース
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
WEB CARTOP
被災3年…ついに架設スタート! 阿武隈川を渡る国道399号“軽くなる”新しい橋の姿は?
被災3年…ついに架設スタート! 阿武隈川を渡る国道399号“軽くなる”新しい橋の姿は?
乗りものニュース
“ランクル250”をハードコアにカスタマイズ!? オフロードチューニングのスペシャリストが最新コンプリートカー「AT37」を発表!
“ランクル250”をハードコアにカスタマイズ!? オフロードチューニングのスペシャリストが最新コンプリートカー「AT37」を発表!
VAGUE

みんなのコメント

41件
  • こんな改造車ばかり出してないで
    ちゃんとしたスポーツカー出したら?
    スープラも86も自社開発じゃないし

    あーできないのか。パクリばかりやってたから
  • 前は大排気量セダンばかりだったのに
    今じゃ実用的で経済的なつまらない車種を無理やり💦
    トムスも落ちましたなぁ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

349.0533.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

208.01148.0万円

中古車を検索
GRヤリスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

349.0533.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

208.01148.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村