GRヤリスの細部まで知り尽くしたトムスの本気とは
パーツメーカーやスペシャルショップが、自慢のアイテムや技術を惜しみなく投入しているのが「デモカー」。それぞれどんなコダワリを投入しているのか、そして実際のところ、純正スペックと比べて何がどう変わっているのだろうか? 今回はトヨタ車でのレース活動やパーツ開発で知られるトムス(TOM’S)が手がけた「GRヤリス」のコンプリートカーに試乗してみた。
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肝はオリジナルのハイフロータービンとECUセッティング
トヨタのエースナンバーを背負ったレーシングチームとして国内外で戦ってきたトムス。レーシングチームであると同時に、市販車用カスタマイズパーツをリリースするパーツメーカーでもある。
これまでもディーラーなどでも販売されるエアロパーツやサスペンション、ブレーキなどオリジナルパーツをリリースするとともに、1988年に20系「ソアラ」と70系「スープラ」のコンプリートカー「C5ソアラ」&「C5スープラ」を発表したのを皮切りに、いくつものコンプリートカーを世に送り出してきた。
そんなトムスがコロナ禍をはさんで3年ぶりに、2023年1月の東京オートサロンで「GRヤリス」のコンプリートカーを発表した。トムス開発企画部の今村さんはこう語る。
「2020年のセンチュリー、スープラに続く新たなコンプリートカーとして、GRヤリスの上質な中古車をベースに、トムスのパーツで仕上げたコンプリートカーを提案しようと始まったのがこの企画です」
GRヤリスのコンプリートカーにはエアロパーツやブレーキキャリパーなどが装着されるが、なんと言っても注目は、ハイフロータービンと専用ECUの書き換えだ。
GRヤリスは現状アフターマーケットでもパワーアップが難しい車種。フルコン化して書き換えれば300ps後半も可能だが、100万円近いコストが必要となる。純正ECUデータの編集は可能だが、それほどパワーアップができない。そのためいまだECU書き換えチューンが普及していないのが実情だ。
トムスはオリジナルのハイフロータービンを装着し、それに合わせてECUを書き換えてセット。300ps/43kgmを実現している。発売当初から開発に取り組み、さまざまなテストを行った結果、パワーを引き出すことに成功しているのだ。
コンプリートカー専用! しかしその価値はある圧倒的な走りの快感
トムスのGRヤリスコンプリートカーに乗ってみると、たしかに刺激的。やや大きめのタービンになったことで低回転のもっさり感があるかと思ったが、1500rpmくらいから徐々に過給が始まる。3500rpmくらいからは明らかにノーマルよりも力強いトルクを味わえる。低回転から全域でトルクフルになっていて、乗りやすさが感じられるのだ。
さらにアクセルペダルに対してエンジンの反応が良くなっている。気持ちよくレスポンスしてくれるため、走る楽しみがアップしている。その辺を普通に乗っているだけでも十分に楽しい。
とくに3速以上はブースト圧が1.6kg/cm2程度かかり、長い時間にわたり高いブースト圧を楽しむことができる。これこそターボ車の魅力で、グイグイと車体が引っ張られていくのが快感だ。排気系は市販品よりもパイプ径を太くして排気効率を引き上げている。排気音は太めで気持ちの良い音質で、これも走る楽しさを高めてくれる。
とにかく気持ちよさがアップしていて、それでいてトルクもパワーも明らかに向上。サーキット専用ではなく、ぜひ街乗りで楽しみたくなる特性なのだ。
このタービンとECUはバラ売りはせずコンプリートカーのみに装着して販売される。アフターパーツとして購入はできないが、中古車をベースとしてコンプリートカーを仕上げてもらうことは可能なので、すでにGRヤリスをお持ちであればトムスに入庫してコンプリートカーとして仕立ててもらえば装着は可能だ。
今後はタービンのエキゾースト側も拡大したバージョンを計画中。そちらでは360psを目指しているという。
安心してアクセルを踏める足まわりのプロデュースも絶品
組み合わせる足まわりはオリジナルの車高調、Advoxサスペンションシステム。バネレートはフロント13kg/mm、リア14.5kg/mmだが極めてしなやか。大きめの段差ではやや硬さを感じる場面もあるが、基本的にはすごく快適だ。しなやかでありながらしっかりと初期から減衰力も出ているので、ステアリングの切り始めの反応の良さが心地よい。
タイヤはブリヂストンのPOTENZA RE-71RS(255/35R18)を前後に装着。本格的なサーキット走行から街乗りまで幅広く対応できるタイヤをチョイスする。そしてホイールはオリジナル品。鍛造製法にこだわりトムスが独自に企画し、高い剛性と軽さを併せ持つ鍛造アルミで製作した1ピースモデルだ。まもなく発売される新商品で、GR86に向けた10本スポークモデルなども発売される予定だという。
ブレーキはブレンボ製キャリパーをフロント6ポット、リア4ポットで装着し、極めて気持ち良いタッチを実現している。乗り始めた直後はやや効きすぎるかと思ったが、数分すればまったく違和感なく扱える。そのコントローラブルさが心地よい。しっかりと止められる自信が生まれるからこそ、存分にアクセルを踏むこともできる。その速度の出入り口のプロデュースが素晴らしいのだ。
* * *
レーシングチーム運営からレーシングカー製作にも携わるトムス。その中で培われた技術が市販車にもフィードバックされている。GRヤリスでも各種競技に携わっているからこそ、細部まで知り尽くしたレベルアップが提案できるのだろう。そのGRヤリスの気持ちよさは、ぜひ味わってもらいたいレベルである。
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みんなのコメント
ちゃんとしたスポーツカー出したら?
スープラも86も自社開発じゃないし
あーできないのか。パクリばかりやってたから
今じゃ実用的で経済的なつまらない車種を無理やり💦
トムスも落ちましたなぁ