スズキが2015年10月に国内で発売した新型「エスクード」。ハンガリーのスズキ子会社マジャールスズキ社で生産され、海外では「ビターラ」の名で販売されるそのグローバルモデルは、市場によって異なる仕様が設定されている。今回はイギリスで1月に発売された「ビターラ S」を紹介したい。
ビターラ Sの最大のトピックは、“ブースタージェット”と呼ばれる直噴ターボエンジン。ビターラSの場合、1.4リッターの排気量から最高出力140psを発生する。リッターあたり100psに達する高出力化も注目だが、低燃費と扱いやすさが追求されている点も見逃せない。
CO2排出量の少なさが重視される欧州ではそのソリューションとしてダウンサイジングターボが主流となっているが、“ブースタージェット”搭載のビターラ SはCO2排出量が127g/km、燃費は52.3mpg(18.5km/L)を達成。これはMT仕様の数値だが、AT仕様でも128g/kmとほとんど変わらない優れた環境性能を達成している。
また最大トルクも220Nm(22.4kg-m)と強力なうえ、それを1500rpmから4000rpmにかけて発生し続けることから、街中での扱いやすさが期待できそうだ。
“ブースタージェット”エンジンはシリーズ化され、今後日本に導入される予定のバレーノにも搭載される見通し。東京モーターショー2015では1リッター“ブースタージェット”エンジン搭載のバレーノが参考出品され、デリーオートエクスポ2016でも同エンジンを採用する「コンセプト バレーノRS」が披露された。エスクードへの“ブースタージェット”エンジンの設定も期待したいところ。
なおビターラ Sの英国での販売価格はMT仕様が2万0899ポンド(355万円/1ポンド=170円換算)でAT仕様は2万2249ポンド(同378万円)。ビターラにはFF仕様も用意されるが、上級モデルの位置づけとなる“ビターラ S”は4WDが標準採用される。参考までにビターラ Sの価格を現地の1.6リッター・4WDモデル(ALLGRIP SZ5)と比較してみると、およそ10万円差となっている。
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