現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 見慣れないリア周りが、これはこれでイイかも!「前期型130セドリック後期型」【魅惑の自動車カタログ・レミニセンス】第10回

ここから本文です

見慣れないリア周りが、これはこれでイイかも!「前期型130セドリック後期型」【魅惑の自動車カタログ・レミニセンス】第10回

掲載 9
見慣れないリア周りが、これはこれでイイかも!「前期型130セドリック後期型」【魅惑の自動車カタログ・レミニセンス】第10回

二度目のマイチェンで後部のデザインを大幅変更

大変な好評をもって歓迎されている(たぶん)当連載「魅惑の自動車カタログ・レミニセンス」の第1回では、ピニンファリーナによるデザインの411ブルーバードをご紹介したが、もう1台、同じくピニンファリーナによるスタイリングの日産車を採り上げよう。130セドリックである。

待望のe-POWERモデルが追加された「セレナ」を展示、軽EV「サクラ」に試乗できます! 日産ブース出展情報【ル・ボラン カーズ・ミート2023 横浜】

【画像12枚】イタリアンモードを微妙にアップデートした前期の後期セドリックを見る!

初代セドリック(30型系)は1960年、それまで日産がライセンス生産を行ってきたオースチンA50での蓄積を活かした乗用車としてデビューした。排気量は1.5L、のちに1.9Lに拡大。ボディスタイルは一見アメリカ的なディテール(ラップアラウンドのフロントウィンドウ、縦配置のデュアルライト)が特徴であったが、分厚いプロポーションには、オースチン、ひいては英国車の影響も見え隠れしていた。このセドリックがモデルチェンジを行って二代目に移行したのは、1965年10月のことである。

二代目セドリック(130型系)のスマートなボディは、前述の通りイタリアのピニンファリーナがデザインを担当したものだ。下すぼまりのCピラーや、リアフェンダー上部からルーフ後端を結ぶメッキモールが特徴的だが、フロント周りの形状や、緩やかに下降するサイドラインは、同じくピニンファリーナが手掛けた、キャデラック・ジャクリーヌ(1961年)にも共通するもの。このフロントマスクのモチーフは、1967年のオースチン3リッターにも用いられている。

車体は初代同様にモノコック式で、全長4680mm、全幅1690mmと初代より大きく、全高1455mmと初代より低い。ホイールベースは2690mm。サスペンションは前ダブルウィッシュボーン/後リーフリジッドで初代と変わりなかったが、エンジンは新開発の直列6気筒SOHCを、トップグレードのスペシャル6に搭載。これこそ、その後長く日産車を支え続けたL20型の登場である。中級グレードには同じ直6 2LながらもOHVのJ20、そして廉価モデルには直4 2LのOHVであるH20。シフトは3速が標準で4速をオプション設定、6気筒車にはボルグワーナー製の3速ATも用意されていた。

こうして華々しくデビューした2代目セドリックであったが、その販売成績は芳しいものではなかった。下降したサイドラインを特徴とするボディスタイルが「尻下がり」として不評を買ってしまったことが、その最大の理由である。このため、1966年10月の細部(テールランプやフロントグリル)の変更を挟み、1967年10月にはリアフェンダーなどトランク周りの形状を大きく修正。フェンダー上部やトランクリッドは水平に近くなり、これはトランク容量の拡大にもつながっている。

そしてこれでもまだ足らぬとばかりに、翌1968年9月にはビッグマイナーチェンジを敢行。フロントノーズは完全なフラットデッキとなり、リア周りもさらにスクエアな形状に変更された。サイドウィンドウには曲面ガラスが採用され、これによりグリーンハウス形状も上すぼまりのものとなって、見ようによっては完全に異なる形である。このデザイン変更はなかなか好評だったようだが、当時のライバルは”白いクラウン”で大いに売ったS50型系クラウンだけに、やはり苦戦が続いたようだ。

エンジン変更や格上げが続いた中級グレード
さて、ここでお目にかけているカタログは、2度目のマイナーチェンジを受けた1967年10月~1968年9月のタイプ、所謂「前期の後期」にあたるモデルのものである。最上級のスペシャル6と最下級のスタンダードを除いたバリエーション、つまり中級グレードのみを紹介するカタログだ。サイズは363×255mm(縦×横)とかなり大きく、というより縦長で、そのため真ん中に二つ折りにした折れ目がついているのだが、この点はご容赦いただきたい。発行年月の記載はなし。

中級グレード専用とは言いつつも、紙質は悪くなく、しっとりした手ざわりにも高級感がある。掲載されているのはカスタム6、デラックス6、パーソナル6の3グレードだが、すこし補足しておくと、パーソナル6はそれまでのスタンダード6(スタンダードには4気筒車と6気筒車があった)をベースに、オーナードライバー向けに仕立てたグレードで、1966年10月に追加されたものだ。スタンダードでは黒いゴムシールのみとなる前後ウィンドウにメッキモールを装着、ホイールにもデラックスと同じフルキャップを付け、内装はスタンダードと同等ながら前席がセミセパレートとなる。

また、デラックスは当初スタンダードと同じ4気筒のH20型エンジン搭載であったものが、これも1966年のマイナーチェンジで6気筒車に格上げとなり、この時デラックス6へと名称を変えている。デラックス6のエンジンはL20ではなくJ20である。型式はL型エンジン搭載モデルがH130、J型搭載モデルがP130、H型搭載車が130となるので注意。

130”前期の後期”セドリックは、ボディの大部分にはオリジナルデザインの持ち味が残るものの、リア周りの基本形状は後期型のそれに近づいており、過渡期的な雰囲気が却って魅力である。続く230型以降のロングノーズ・ショートデッキとは異なり、130はキャビン・フォワード的なプロポーションの持ち主なのだが、前期の後期はそれを際立たせるスタイリングで、スーッと長く伸びたリアエンドがなかなか格好良い。このカタログからその点を感じ取って頂ければ幸いである。

こんな記事も読まれています

新型コンパクトSUV『EMZOOM』、世界市場で成功…中国広州汽車
新型コンパクトSUV『EMZOOM』、世界市場で成功…中国広州汽車
レスポンス
日本でまさかの拳銃を使ったタクシー強盗発生! キャッシュレス化で現金をもたない仕組み作りが一番の解決策
日本でまさかの拳銃を使ったタクシー強盗発生! キャッシュレス化で現金をもたない仕組み作りが一番の解決策
WEB CARTOP
全長5m級!トヨタが新たな「ラージSUV」まもなく発売!? 17年ぶり復活! 斬新フェイス&車中泊出来そう空間の「クラウン」 発売はどうなった?
全長5m級!トヨタが新たな「ラージSUV」まもなく発売!? 17年ぶり復活! 斬新フェイス&車中泊出来そう空間の「クラウン」 発売はどうなった?
くるまのニュース
伝統を継承するマッスルクルーザー! スズキが米北米市場で2025年型「ブルバードM109R」を発売
伝統を継承するマッスルクルーザー! スズキが米北米市場で2025年型「ブルバードM109R」を発売
バイクのニュース
本田宗一郎とイーロン・マスクに共通点があった? 稀代の経営者を支える「無知の知」とは何か
本田宗一郎とイーロン・マスクに共通点があった? 稀代の経営者を支える「無知の知」とは何か
Merkmal
フレキシブルウイング巡る論争が再燃。メルセデスに注目集まるも、今のところFIAは介入せず
フレキシブルウイング巡る論争が再燃。メルセデスに注目集まるも、今のところFIAは介入せず
motorsport.com 日本版
驚異のパフォーマンス向上! 最新スパークプラグの技術とその効果~カスタムHOW TO~
驚異のパフォーマンス向上! 最新スパークプラグの技術とその効果~カスタムHOW TO~
レスポンス
シボレー コルベット【1分で読めるスーパーカー解説/2024年最新版】
シボレー コルベット【1分で読めるスーパーカー解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン
『ぽんこつジムニー』ハコ替え計画26-1「JB64のシートを移植しよう」
『ぽんこつジムニー』ハコ替え計画26-1「JB64のシートを移植しよう」
グーネット
【新車価格情報】軽自動車 デビュー&改良情報(ダイジェスト)※2024年6月20日時点
【新車価格情報】軽自動車 デビュー&改良情報(ダイジェスト)※2024年6月20日時点
カー・アンド・ドライバー
日産が新型「流麗セダン」初公開! “キラキラ”大型グリル&精悍ホイール! 最新機能モリモリの小型セダン「セントラ」ブラジルで発売!
日産が新型「流麗セダン」初公開! “キラキラ”大型グリル&精悍ホイール! 最新機能モリモリの小型セダン「セントラ」ブラジルで発売!
くるまのニュース
日本上陸が待ち遠しい! ジープ最小コンパクトSUV 新型「アベンジャー」の欧州での受注が早くも10万台突破 愛される理由とは
日本上陸が待ち遠しい! ジープ最小コンパクトSUV 新型「アベンジャー」の欧州での受注が早くも10万台突破 愛される理由とは
VAGUE
ケータハムが70~80年代の人気モデルに現代風のアレンジを加えた「スーパーセブン600」と「スーパーセブン2000」を発売
ケータハムが70~80年代の人気モデルに現代風のアレンジを加えた「スーパーセブン600」と「スーパーセブン2000」を発売
@DIME
【おもちのビート】レンタカーのS30Zで峠と高速道路を運転したら色々とヤバかった
【おもちのビート】レンタカーのS30Zで峠と高速道路を運転したら色々とヤバかった
月刊自家用車WEB
トヨタ 新「プリウス”スポーツカー”」に大反響! “GT風”バンパー&重低音マフラー採用! ド迫力エアロの「ハイブリッドスポーツカー」7月発売へ
トヨタ 新「プリウス”スポーツカー”」に大反響! “GT風”バンパー&重低音マフラー採用! ド迫力エアロの「ハイブリッドスポーツカー」7月発売へ
くるまのニュース
ランドローバーが日本文化からインスピレーションを得てデザインされた「レンジローバーSV ビスポーク1858エディション」が登場
ランドローバーが日本文化からインスピレーションを得てデザインされた「レンジローバーSV ビスポーク1858エディション」が登場
@DIME
イタルジェット「ドラッグスター125」【1分で読める 原付二種紹介 2024年現行モデル】
イタルジェット「ドラッグスター125」【1分で読める 原付二種紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ
EVシェア欧州拡大へ急加速! 中国「奇瑞汽車」戦略的合弁と生産拠点構築、垣間見える“中国ビッグ5”のメンツとは
EVシェア欧州拡大へ急加速! 中国「奇瑞汽車」戦略的合弁と生産拠点構築、垣間見える“中国ビッグ5”のメンツとは
Merkmal

みんなのコメント

9件
  • サイドなんかはメルセデスの影響を多分に受けているように見えるけどカッコいいな。
    でもこれを良いと思うのはジジイの証拠なんだろうなとも思う。
  • 愛知機械工業のコニー360のカタログは、飛び出す絵本になっていた
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

311.0566.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

24.9479.0万円

中古車を検索
セドリックの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

311.0566.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

24.9479.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村