GA-Cプラットフォームの採用とパワートレーン全面刷新
自販連の統計上では、昨年度のミドルクラスミニバンの最量販車種は日産セレナだが、兄弟車であるノアとヴォクシーを合算すれば、立場は逆転する。そんなノア/ヴォクシーが、今年の初旬にフルモデルチェンジ(FMC)を行った。前回のFMCが2014年だから、実に8年ぶりのことである。
新型ノア&ヴォクシーがランクイン。4月新車販売台数のトップ10をトヨタ8車種が独占!
しかも前回のFMCでは、プラットフォームのフロントセクションをキャリーオーバーしているから、土台からすべてが変わるのは15年ぶりだ。新型のプラットフォームは、50系プリウスで頭出しとなったGA-C。前回のFMCにはギリギリ間に合わないタイミングだったのだ。
新設計のモノコックは左右Cピラーの間隔を75mmも広げることで、セカンドシートを左右にずらすことなくロングスライドを実現。パワーユニットの低重心・低慣性レイアウトが図られたオールニューのプラットフォーム。GA-Cプラットフォームについては、すでにたくさん語られているため、多くは説明しないが、CAEによる解析を駆使して骨格構造を最適化し、パワーユニット系の搭載位置や補機類のレイアウトも“低重心・低慣性”を目標に再構築されたもの。プリウス以降、C-HRやカローラシリーズ、レクサスUXなどにも展開されているが、ノア/ヴォクシーのそれは、リヤサスペンションがマルチリンク式からトーションビーム式へと変更されている。これは恐らく、軽量化とキャビンスペースの確保を狙ったものだ。
GA-Cプラットフォームを得て、より足の動きが良くなったフロントサスペンション。リヤサスペンションはトーションビームを採用してラゲッジスペースを確保。パワートレーンもほぼ全面刷新。ハイブリッドシステムは、MG1(発電機)の減速ギヤに遊星歯車を使っていた第3世代から、平行軸歯車に変更した第4世代を飛び越して、RC-IGBTを使用して小型化したインバーターや高出力モーターを採用する第5世代へと2世代分、進化。WLTCモード燃費は23.0km/Lと、旧型比で23%アップという“あり得ない”レベルで向上している。
ガソリンエンジンも“ダイナミックフォース”と呼ばれるM20A-FKS型へと換装。トランスミッションも、発進用にギヤ駆動を追加した“ダイレクトシフトCVT”に換装され、燃費は10%以上、良くなっている。
使い勝手の面でも、電動も手動もどの位置でも止められるバックドアや、2アクションで折りたためて固定操作もいらないサードシートなど、従来型の“かゆいところ”に手が届くどころか、これから痒くなりそうなところに、すでにかゆみ止めが塗ってあるような配慮を満載。「合算すれば王座は安泰」状態は、しばらく続きそうな出来映えだ。
市街地の短距離試乗でも17.2km/lの燃費をマーク
新世代プラットフォーム“GA-C”を手に入れた新型ヴォクシーの乗り味は、ひとことで言うと「しなやか」。駐車場内を移動しているだけで、サスペンションがよく動いているのがわかる。真っ直ぐ走りながら、左右に軽くハンドルを切ってみると、ロールは無理に止めずに、ある程度、許容する感じ。アイポイントが高いため、少しゆらゆらする感じはあるが、軸の通った動きなので、不快ではない。ハンドルの効き始めも意図的にマイルドにしている感じだが、舵が利き始めてからのフィーリングは、GA-Cに共通するダイレクト感がある。
乗り心地は基本的にしっとり系だが、40km/h以下の速度域で荒れた路面を通過すると、少しタイヤが硬い印象がある。試乗車のタイヤが205/55R17というサイズだったせいもあるかも知れないが、ファミリーユースなら65扁平ぐらいのほうが快適ではないかと思う。
気をてらったところはなく、扱いやすくデザインされたインストゥルメントパネル。カップホルダーのクロームパーツとソフトパッドのはめ合わせなどに質感の高いフィニッシュが見て取れる。河川敷の公園と、その周辺道路を少し走っただけだが、うねった路面でもサスペンションのストローク感が豊かで、収まりも良い。ピッチ方向の動きも、ドライバーの後頭部あたりに中心がある感じで、視線のブレが少なく、首への負担も小さい。これならロングドライブの際にも、肩が凝りにくそう。ステアリングの前後調整幅が大きいので、足首が窮屈にならないのも良い。
加速応答も電気モーターらしい俊敏なものだが、エンジンが稼働したときの音質がもう少し上質になると、なお良い。市街地のみ短距離の試乗で、燃費計の数値は17.2km/L。みなさんの日常使いでも、このくらいは走ると思う。
ハイブリッド車の燃費は先代モデルの19.8km/lから23.4km/lへと大幅(18%も!)向上。実走行においても燃費の良さは十分実感できる。新型ヴォクシー/ノアはタイプに関わらず、全車1730mmの3ナンバーサイズになった。全幅の増加分以上に大きく堂々としたフォルムに感じられるのは、新型ヴォクシー/ノアの特徴だ。なお全長は、ライバル2車と異なり、全車が5ナンバーサイズの4695mmに止まる。トヨタ ヴォクシー S-Z(7人乗り) 全長×全幅×全高 4695mm×1730mm×1895mmホイールベース 2850mm最低地上高 140mm車両重量 1670kg駆動方式 前輪駆動サスペンション F マクファーソン・ストラット R トーションビームタイヤ 205/55R17 エンジン種類 直列4気筒DOHC総排気量 1797ccエンジン最高出力 72kW/5200rpmエンジン最大トルク 142Nm/3600rpmモーター最高出力 47kW/2302-10455rpmモーター最大トルク 195Nm/0-2302rpmWLTCモード燃費 23.0km/l 車両本体価格 3,740,000円
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「国民ブチギレ」 税金取りすぎでは…条件次第で約13万円!? 最も高い“自動車税”いくら? 納税祭りの仕組みとは
驚愕「1億超え」も!? 日本一の高級車ってどのクルマ? いつか乗りたい“高級国産車”ランキングトップ3
トヨタ「新型バン」発表! 6速MT&リアハッチ開きも!? ボンネットある商用バン!? 各モデルの特徴は
トヨタの「新型SUVミニバン」!? 全ドア「スライドドア」&タフ外装採用! 斬新3人乗り仕様もある「クロスバン」の示すものとは
ホンダ新型「最高級ミニバン」500万円超でもコスパ最強! 「ライバル車より良い!」の声も!? 新型「オデッセイ」への反響は?
「国民ブチギレ」 税金取りすぎでは…条件次第で約13万円!? 最も高い“自動車税”いくら? 納税祭りの仕組みとは
新車の慣らし運転は不要!? メーカーとエンジンチューナーとでどうして見解が食い違うのか。長く乗るならやっておいたほうが無難
ホンダ新型「最高級ミニバン」500万円超でもコスパ最強! 「ライバル車より良い!」の声も!? 新型「オデッセイ」への反響は?
たぶん純エンジン最後のR35GT-Rは借金してでも買え!? ファイナルモデルを買えばきっと幸せになれるハ…ズ
まるで「旧車いじめ」!? 13年超のクルマの「自動車税」なぜ高くなる? それでも旧車に乗り続ける理由とは?
みんなのコメント
替えたのは、軽量化よりもコストダウンでしょ。
普段買い物用に使っている軽より良い。