この記事をまとめると
■新興国ではPHEVやBEVなどに向けて専用のナンバープレートを発行している
まだしばらくはエンジンが主流! 日本よりも圧倒的にBEVタクシーが普及しているインドネシアで見えた課題とは
■BEVやPHEVは割高なので、専用ナンバープレートはステータスとして扱われている
■日本でもナンバープレートを区別することでBEV等の需要喚起に繋がるかもしれない
海外ではNEVに専用のナンバープレートを発行している
おもに新興国では、NEV(新エネルギー車/BEV[バッテリー電気自動車]、PHEV[プラグインハイブリッド車]、FCEV[燃料電池車]など)の販売促進というか、消費者の購買意欲を煽る意味もあるのか、専用のナンバープレートを用意している。つまり、クルマに詳しくない人でもナンバープレートを見ると、NEVなのかどうかが一目でわかるのである。
筆者が実際見てきた例では、中国では白地と緑地が上下でグラデーションさせている。韓国ではナンバープレートの地の色が薄いブルーになっている。そしてインドネシアではナンバープレート下部が青くなっている。
そもそもどの国でも、同クラスICE(内燃機関)車に比べれば、BEVなどのNEVは車両価格が割高となっているので、NEVを買える人は所得に余裕のある人ともいえる。そのような人たちをターゲットカスタマーとしているので、専用ナンバープレートはステータスを主張するツールとして格好の撒き餌となっているともいえるかもしれない。
日本でも、黄色地で黒文字が当たり前だった軽自動車のナンバープレートに白地のものも登場すると、軽自動車ユーザーはこぞって白地ナンバープレートを選択するという動きがある。黄色地のプレートでは見た目ですぐ軽自動車とわかってしまうので嫌がるユーザーが多かった証ともいえるかもしれない。
たとえば、トヨタ・プリウスでは2リッターのHEV(ハイブリッド車)の納期がずば抜けて時間がかかっている。筆者が聞いた時点では2025年初秋以降が納期となっていたのだが、間もなく新規受注停止となり、受注再開するころには納車予定時期は2026年に突入するだろうとのことであった。一方でPHEVは2リッターHEVより1年ほど納期は短くなっている。
HEVに比べて車両価格が割高なことも影響しているとのことだが、ここで日本ではHEVは当たり前のように街なかで走っているので、PHEV、BEV、FCEVに限定した専用ナンバープレートで、HEVとの違いが一目でわかるようならば、PHEVの需要喚起につながることになるのではないだろうか。そもそも現行プリウスの購入検討をしている人の多くは日々カツカツとした生活に追われることなく、所得に余裕のある人が大半なはずなのだから、PHEVへ背中を押す意味でも、日本でも専用ナンバープレートをぜひとも導入すべきと考えている。
日本も残念ながら国民の間での所得格差が広がっている。そのなかで、富める人たちにできるだけお金を使ってもらうことや、今後いつになるのかわからないが、政府も本腰を入れて、NEVの普及を進めるときには専用ナンバープレートの設定はかなり効果があるものと考えている。もちろん、富裕層だけでなく地球環境問題に積極的に取り組むような感度の高い人へのアピールも強いものとなるだろう(NEVがICE車より本当に地球環境に優しいか否かは別、あくまでイメージ)。
ナンバープレートは一例に過ぎないが、補助金用意するぐらいでなんの手立てもしない政府の動きをみると、まだまだNEV普及に本気ではないなということがわかる(そもそもこの手の話をすると、日本の発電の大半は化石燃料由来だから意味ないというオチにもなってしまう)。
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