近年の軽自動車はものすごい勢いで進化しています。特に最新世代のそれは、ちょっとびっくりするほどのナイスな走りっぷりをみせてくるものです。
しかし同時に、最近の軽は「実はぜんぜん安くない」という欠点(?)も抱えています。車両価格だけで150万円以上になるのはもはや当たり前ですし、オプションなども含めた総額は200万円近くになってしまう場合も多いものです。
【30万円高の価値はあるか!??】三菱エクリプスクロス新型ディーゼルの真骨頂
みなさまよくご存じのように、150万円もの「大金」があれば、軽自動車ではなく類似ジャンルの普通車が楽勝で買えちゃうんですよね。
その場合の普通乗用車は新車ではなく「中古車」になるわけですが、中古車といっても1年落ちか、せいぜい2~3年落ちの低走行車です。それが、軽の新車と同じか、もしくはむしろ安い予算で買えちゃうのです。
もちろん軽には軽の良さがあります。税金は安いですし、自宅の周囲がかなり細い道だらけだったとしても、軽ならばスイスイ走れます。そういった点をどうしても優先したい場合は、新車の軽を買うのが正解でしょう。
しかし「どうして軽でなくちゃならない」という理由が特にないのであれば、これからご紹介する「普通車の中古車」に、ぜひとも注目してほしいのです。
文/伊達軍曹
写真/ベストカー編集部
ホンダN-BOXの代わりに→マツダCX-5
先代CX-5XDは175ps/42.8kgmの2.2L直4ディーゼルターボを搭載。先代とはいえ、評価の高いCX-5のディーゼルが150万円以内の予算で手に入るのは魅力的
2019年1~6月の軽自動車販売台数第1位がホンダN-BOXで、2位以下を大きく引き離す台数が全国で売れまくってます。
そして売れまくってるだけでなく、とっても素晴らしいスーパーハイトワゴンです。背が高いクルマとは思えないほど走りは安定してますし、スペース効率は日本最高レベルですし。
しかし売れ筋のG・Lホンダセンシングは車両本体価格だけで149.9万円。そこまでの予算を投じるのであれば、普通車の人気SUVである「マツダ CX-5」の中古車が実は楽勝で狙えます。
まぁ150万円以内で狙えるのは現行型ではなく先代ですが、それでも2016年式の「XDプロアクティブ」という、強力なクリーンディーゼルエンジンを搭載する中間グレードが車両140万~150万円ぐらいで探せるのです。
いくらN-BOXの走りが良いとはいえ、2.2Lのディーゼルターボを積んだ普通車のSUVとはさすがに比較になりません。後席の足元スペースや室内高こそN-BOXの圧勝ですが、もしもそこを気にしないのであれば、中古の先代CX-5に注目してみる価値は大です。
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スズキスペーシアの代わりに→スズキクロスビー!
ルックスは軽自動車のハスラーに似ているがその存在感はクロスビーが圧倒的。ハスラーに対し全長+365mm、全幅+195mm、全高+40mm 。クロスビーはハイブリッド車のみで、99ps/15.3kgmを発生する1L、直3ターボエンジンと3.1ps/5.1kgmのモーターを組み合わせている
スズキスペーシアは2019年1~6月の軽自動車販売台数第2位で、こちらも非常に素晴らしい軽スーパーハイトワゴンです。販売台数こそホンダN-BOXにいささか負けていますが、実力的にはほぼイーブンといえるでしょう。
スペーシアの売れ筋である「ハイブリッドX」は車両本体価格146万8800円。それはそれでいいのですが、そこまで出すのであれば、同じスズキの登録車である「クロスビー」を中古で買うという選択肢も浮上してきます。
クロスビーというのは非常に活発な1Lの直3ターボエンジンを搭載するクロスオーバーSUVで、こちらの売れ筋である「ハイブリッドMZ」の車両本体価格は200万3400円(2WD)。
しかしその中古車は、走行数千kmレベルの2017年式を車両150万円付近で探すことができるのです。
スペーシアの武器のひとつである「両側スライドドア」がクロスビーにはないという問題はありますので、そこを重視する人はスペーシアのほうがいいでしょう。
しかし、そこが気にならないのであれば、できれば活発な1Lターボエンジンを楽しんでいただきたいものです。
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ダイハツタントの代わりに→スズキ ソリオ!
ソリオは91ps/12.0kgmを発生する1.2L、直4エンジンに、3.1ps/5.1kgmのモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドと、13.6ps/3.1kgmのモーターを組み合わせたハイブリッドを用意。マイルドハイブリッドの新車価格は170万3160~200万6640円、ハイブリッドの新車価格は201万9600~223万1280円。ボディサイズは全長3710×全幅1625×全高1745mm
2019年1~6月の軽自動車販売台数第3位だったのがダイハツタントで、7月9日には新型が登場しました。
タントは言わずと知れた「子育て系」軽自動車で、大開口の両側パワースライドドアを中心とする使い勝手には素晴らしいものがありますし、かなり背が高い割に、意外と安定感のある走りも披露してくれます。
しかし、タントの上級グレードであるX(146万3400円)の新車を買う代わりに「中古のスズキソリオを買う」という考え方があってもいいはずです。
スズキソリオは1.2L直4エンジンと、このエンジンにハイブリッドと、マイルドハイブリッドを組み合わせたパワートレインを持つ小型ハイトワゴンで、新開発された軽量プラットフォームによる胸のすく走りと余裕たっぷりな室内空間は、軽自動車規格に準拠しているタントとはさすがに大きな差があります。
それでいて、走行数千kmレベルの2018年式マイルドハイブリッドMXの中古車相場は145万円ぐらい。新車価格だと170万3160円となります。
普通車のサイズと税金でも特に問題ないのであれば、絶対に一考の価値ありといえる選択肢です。
日産デイズの代わりに→スバルインプレッサスポーツ!
インプレッサスポーツ1.6i‐Lアイサイトの新車価格はFF車が194万4000円、AWD車が216万円。エンジンは115ps/15.1kgmを発生する1.6L水平対向4気筒NAエンジンを搭載。ボディサイズは全長4470×全幅1775×全高1480mm
2019年1~6月の累計台数では第4位ですが、直近では第2位に躍り出ているのが日産デイズです。最新世代の軽ハイトワゴンで、その走りの良さは軽自動車の次元を完全に超えています。
とはいえ「しょせんは軽自動車である」という言い方もできることは間違いなく、軽自動車規格に収まる小さなボディサイズなだけに、受動安全性の面で不安に思う点がないわけでもありません。
そんなときに注目したいのが、現行スバルインプレッサスポーツの中古車です。インプレッサスポーツというのは5ドアハッチバックですから、箱型のハイトワゴンである日産デイズとは表面的にはずいぶん異なります。
しかし、「走りが良くて」「荷物も人も載せられて」という本質部分においては似ていなくもないわけです。
で、新車のデイズを買うとなると、運転支援システム「プロパイロット」が付いているグレードは最低でも車両価格だけで156万7080円。オプションなども含めた総額は190万円ぐらいに達するでしょう。
しかしインプレッサスポーツの中古車であれば、走行1万km台の物件でも車両140万円ぐらい。もちろん、先進安全装備のアイサイトが付いています。
この価格帯で狙えるのは2L版ではなく1.6L版になりますが、1.6Lでも動力性能は普通車のなかで見て十分以上といえますし、もしも660ccの軽自動車と比べるなら「抜群にいい!」ということになります。
屋根の高さと後席の広さに特別なこだわりと必要性がないのであれば、ぜひ柔軟に検討してみてほしい一台です。
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