現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > フレーム強化とボディマウントの改良で、クロカン四駆ながら操安乗り心地も一気に進化!【スズキ・ジムニーシエラ 深掘りインプレッション】

ここから本文です

フレーム強化とボディマウントの改良で、クロカン四駆ながら操安乗り心地も一気に進化!【スズキ・ジムニーシエラ 深掘りインプレッション】

掲載 更新 2
フレーム強化とボディマウントの改良で、クロカン四駆ながら操安乗り心地も一気に進化!【スズキ・ジムニーシエラ 深掘りインプレッション】

フレームの捩れ剛性は1.5倍。シエラは1.3Lから1.5Lに排気量アップ

2018年のフルモデルチェンジから、はや4年が経過したジムニー&ジムニーシエラ。年次改良を重ね、現在は“3型”となっている。

マツダの最量販SUV「CX-5」に27インチ級ロードバイクを積んでみた!【スポーツ自転車積載チャレンジ:第4回 マツダ CX-5編】

オフロード走行(悪路ではなく路外)を最優先したメカニズムは健在。はしご形フレームの上にボディシェルを載せた構造なので座席が高く、小柄な人が乗り降りするのは少々大変だが、その分、悪路走破性は高い。

狭く見えるジムニーの後席だが、スクエア形状のボディの恩恵で特に肩まわりは十分に余裕がある。シエラもジムニー同様4人乗りだ。ヒップポジションの高さはジムニー&シエラならでは。遠くまで見渡せるため高速道路の巡行でもストレスが少ない。悪路走破性の目安には、最低地上高が使われることが多いが、実はこれは、あまり当てにならない。4輪独立サスを持つSUVの場合、アンダーカバーやエキゾーストサイレンサーが計測点になることが多いが、前後リジッドアクスルの場合、計測点はたいていディファレンシャルケース。前者は悪路でヒットすると壊れやすいのに対し、後者は厚い鋼板で覆われているため、乗り上げたり引きずったりしても、まず壊れない。

しかも、実際のオフロードで走行限界を決めるのは、前後バンパーやサイドシルの路面干渉であることが多く、本当に目安になるのは、対地障害角という数字。ジムニーはこれが、前から41度/28度/51度と桁違いに大きい。

データは軽ジムニーの場合。相当な角度で侵入しても前後のバンパーが障害物に干渉しないことが想像できる。並のSUVでは到底太刀打ち出来ない領域だ。現行型では、フレームもボディも一新。特にフレームは、ほぼ中央にX型のクロスメンバーを、リヤエンドにもストレートのクロスメンバーを追加しており、フレームの捩り剛性が1.5倍に高まっている。ボディのマウントもゴム板を挟んだだけのものから、ちゃんとした円筒形の大容量ラバーマウントとなった。

クロスメンバーの追加で大幅に捻り剛性を向上させたラダーフレーム。フレームもボディも高張力鋼板の使用率が大幅に高められた。ノーマルタイヤでもそこそこのオフロードを走り切る

エンジンは軽仕様がRA06となり、K6A型より最大トルクは低くなったが、ロングストローク化によって無過給域の粘りが増しており、悪路走破性は低下していない。シエラは1328ccのM13A型から1460ccのK15B型に換装。こちらもロングストローク化されており、低速トルクと実用燃費が向上している。

トランスミッションは5MTと4ATの両方を用意。トランスミッションの下流には、副変速機も標準装備される。これは自転車の前変速機に相当するもので、ローレンジを選ぶと、トランスミッションのギヤが一律にローレシオ化される。ジムニーのそれは2倍の減速比を持っており、各ギヤの駆動力を2倍に高められる。

レバー式の副変速機はシフトレバーの手前に配置。ローレンジの減速比は2倍。2倍の駆動力が得られる。こうした仕様のおかげで、ノーマルタイヤでもそこそこのオフロードなら走れてしまうので、手に入れたら一度はオフロードコースを走ってみることをお勧めする(最初は管理されたコースで、インストラクターから指導を受けながらのほうが良い)。

かつてのようなユルさや応答遅れは大幅に改善している

ジムニーは現行型(JB64&74型)になって、操安性や乗り心地が長足の進歩を遂げているが、誤解しないでいただきたいのは、「従来型に較べ」ということ。基本性能はあくまで“本格クロスカントリー4WD”なのだ。軽セダンやワゴンなどに較べれば、操舵応答性に機敏さはなく、乗り心地にもリジッドアクスル特有のドタバタ感はある。もし購入を考えているのなら、普段から走り慣れている道で試乗してから判断することをお勧めしたい。

ということを踏まえて、JA22型(二代目)とJB23型(三代目)で合計27万kmを走った僕がインプレをお届けしよう。まず、乗り心地が飛躍的に良くなっている。JB23型では、舗装路の補修跡を通過した程度でも左右に大きく揺すられ、頭がグラグラと動かされていたが、JB64&74型(四代目現行モデル)では、そうした動きはほとんど出ない。

ジムニーは各世代のモデルライフが非常に長く、JA22型は二代目第4期にあたる。(1995-1998年)JB23型は三代目で、1998年に登場。三代目ジムニーは10年のモデルライフの後、2018年に現行四代目にバトンタッチした。フレームの強化とボディマウントのアップグレードが奏功しているのだと思うが、荒れた路面でも身構えずに済むようになった。JB23&43型以前は、ローレンジで這い進むような極悪路は得意でも、林道のハイスピード走行は決して快適ではなかった。それがJB64&74型では、大きく改善されている。

操縦性能はマイルドながら、かつてのようなユルさや応答遅れは大幅に改善。ブレーキの食いつきも普通になった。従来型までは、ユルさや応答遅れを予測した運転が必要だったが、現行型なら、何も気にせず運転できる。

シエラのAT車でエコドライブするには?

シエラの動力性能は力強くなった。排気量が132ccアップされたのが効いており、従来型より低回転を維持したまま静かに走れる。試乗車はAT仕様だが、3速40km/h走行時のエンジン回転数は1600rpm、4速50km/h時で1400rpmぐらい。これより回っているときは、ロックアップがかかっていない。

ジムニーシエラの直4 1.5LエンジンはK15B型。75kW(102ps)/6000rpm、130Nm(13.3kgm)/4000rpmのスペック。AT車でエコドライブするには、ちょっとしたコツがいる。発進して巡航速度に達したら、メリハリ良くアクセルを戻して、積極的にシフトアップを誘うことだ。シエラの場合、30km/hぐらいでアクセルを戻せば3速に入り、40km/hでやれば4速に入る。

そこから加速する際にも、キックダウンしたりロックアップを放したりしないようにジワジワ行うと良い。そうやって郊外路を約10km走った燃費は15.4km/L(車載燃費計表示)。条件次第でこれくらいは出せる。

アイドルストップが付いたのが現代的だが、ローレンジに入れると作動しなくなるから、オフロードで邪魔になることはない。アイドルストップから発進する際には、エンジンが完全に始動してからアクセルを踏まないと、トルコンが食いつく際のショックを感じる。

ブレーキペダルを放したら、すぐにアクセルを踏み込むのではなく、一呼吸置いてエンジンが完爆するのを待つのが、スムーズに発進するポイントのようだ。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

「AI EV時代のトヨタ」めざすファラデー・フューチャー、新型EV『FX』最初の試作車が完成
「AI EV時代のトヨタ」めざすファラデー・フューチャー、新型EV『FX』最初の試作車が完成
レスポンス
待ってろスイスポ!!! FF1.3Lターボのピリ辛ボーイズレーサー[新型GRスターレット]は若者にも手が出しやすい250万円で登場か!?
待ってろスイスポ!!! FF1.3Lターボのピリ辛ボーイズレーサー[新型GRスターレット]は若者にも手が出しやすい250万円で登場か!?
ベストカーWeb
F1関係者への入国拒否が続くラスベガス。角田裕毅も足止め「危うく帰国させられるところだった。来られてラッキー」
F1関係者への入国拒否が続くラスベガス。角田裕毅も足止め「危うく帰国させられるところだった。来られてラッキー」
AUTOSPORT web
Team HRC、S耐の2年計画を完遂。初期メンバーの武藤「楽しい環境がいつまでも続けばいいな」
Team HRC、S耐の2年計画を完遂。初期メンバーの武藤「楽しい環境がいつまでも続けばいいな」
AUTOSPORT web
“45年ぶり”マツダ「サバンナGT」復活!? まさかの「オープン仕様」&斬新“レトロ顔”がサイコー!ワイドボディも魅力の「RXカブリオレ」とは?
“45年ぶり”マツダ「サバンナGT」復活!? まさかの「オープン仕様」&斬新“レトロ顔”がサイコー!ワイドボディも魅力の「RXカブリオレ」とは?
くるまのニュース
“ボロボロ”のランボルギーニ「ミウラ」に価値はある? マニア垂涎“ジャンクヤードのガラクタ”がオークションに登場! 気になる価格は?
“ボロボロ”のランボルギーニ「ミウラ」に価値はある? マニア垂涎“ジャンクヤードのガラクタ”がオークションに登場! 気になる価格は?
VAGUE
なんとハイブリッド仕様も!! クラシックなボディに6気筒を押し込んだ[クラウン]セダンがスゴすぎる
なんとハイブリッド仕様も!! クラシックなボディに6気筒を押し込んだ[クラウン]セダンがスゴすぎる
ベストカーWeb
ミニバンなら日本車……とも言い切れんぞ! ちょっとマイナーだけどヨーロッパにも個性派ミニバンが存在した
ミニバンなら日本車……とも言い切れんぞ! ちょっとマイナーだけどヨーロッパにも個性派ミニバンが存在した
WEB CARTOP
「すごい多重事故…」 関越道で「トラックなど3台が衝突」発生! 2車線が一時通行規制で「通過時間70分」の大渋滞 圏央道も混雑
「すごい多重事故…」 関越道で「トラックなど3台が衝突」発生! 2車線が一時通行規制で「通過時間70分」の大渋滞 圏央道も混雑
くるまのニュース
SS12は“安全上の問題”でキャンセルに。SS11を終えた時点でトヨタ勝田貴元は総合3番手|WRCラリージャパンDAY3午前
SS12は“安全上の問題”でキャンセルに。SS11を終えた時点でトヨタ勝田貴元は総合3番手|WRCラリージャパンDAY3午前
motorsport.com 日本版
コンチネンタル、車内の生体情報を検知する革新的ディスプレイ発表へ…CES 2025
コンチネンタル、車内の生体情報を検知する革新的ディスプレイ発表へ…CES 2025
レスポンス
[圧倒的燃費]と環境性能! [トヨタ・ヤリス]を超えるクルマってぶっちゃけある? 
[圧倒的燃費]と環境性能! [トヨタ・ヤリス]を超えるクルマってぶっちゃけある? 
ベストカーWeb
給与が高いスイスに拠点を置くザウバーは例外? ハースF1小松代表、FIAが検討する予算上限”優遇措置”に反論「皆反対している。シンプルなままでいい」
給与が高いスイスに拠点を置くザウバーは例外? ハースF1小松代表、FIAが検討する予算上限”優遇措置”に反論「皆反対している。シンプルなままでいい」
motorsport.com 日本版
日産「新型スカイライン」発売! 歴代最強「匠“手組み”エンジン」×旧車デザインの「特別仕立て」登場も「次期型」はもう出ない…? 「集大成」完売した現状とは
日産「新型スカイライン」発売! 歴代最強「匠“手組み”エンジン」×旧車デザインの「特別仕立て」登場も「次期型」はもう出ない…? 「集大成」完売した現状とは
くるまのニュース
実は大きく違う!? モータースポーツ総合エンターテイナー濱原颯道が開催した「クシタニライダー台湾人スクール」で感じた台湾人ライダーと日本人ライダーの練習環境の違いとは
実は大きく違う!? モータースポーツ総合エンターテイナー濱原颯道が開催した「クシタニライダー台湾人スクール」で感じた台湾人ライダーと日本人ライダーの練習環境の違いとは
バイクのニュース
旧車への憧れ、理由の1位は「デザイン」、人気車種は…旧車王が調査
旧車への憧れ、理由の1位は「デザイン」、人気車種は…旧車王が調査
レスポンス
いずれスポーツカー[バブル]は崩壊する!! その時あなたは買う勇気があるか!?
いずれスポーツカー[バブル]は崩壊する!! その時あなたは買う勇気があるか!?
ベストカーWeb
レゴとF1、パートナーシップを締結…2025年からクリエイティブな遊び提案へ
レゴとF1、パートナーシップを締結…2025年からクリエイティブな遊び提案へ
レスポンス

みんなのコメント

2件
  • >フレームの強化とボディマウントのアップグレードが奏功しているのだと思うが

    せっかくジムニーに詳しいんだからそこをもちょっと詳しく書いてくれるとうれしいなあ。
  • 普段使いに良いですね。オーバーフェンダーもキュート、鳥山明のマンガに出て来そうなフオルムで可愛いです。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

165.4200.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.0650.0万円

中古車を検索
ジムニーの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

165.4200.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.0650.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村