カワサキが新型「W175」を発表! 車体寸法の大型化とインジェクション新搭載【海外】
これまでのキャリパーと何が違うのか?
最新スーパースポーツの上位機種が装備する“モノブロックブレーキキャリパー”。レース用やカスタムパーツとしても目にする機会が増えたが、従来のブレーキキャリパーと何が違ってドコが凄いのか?
このモノブロックという言葉、ひとつの塊を意味するのだが、従来のキャリパーが分割した左右のパーツを合わせてボルトで締めつけた、いわゆる2ピースだったのに対し、分割されない一体型が開発されたことで付いた呼び名だ。
―― 【モノブロックブレーキキャリパー】継ぎ目がなく、パーツを連結するボルトも存在しない一体構造。既存の2ピースキャリパーと差別化するため、モノブロックと呼ばれる。
そこでまず、従来の2ピースとモノブロックの関係を説明するため、ブレーキキャリパーについて少しおさらいしておこう。
バイクのブレーキは、現在はABS(アンチロックブレーキシステム)の装備が義務化されたので、仕組みから少し残っていた昔からのドラムブレーキは姿を消し、すべてディスクブレーキで油圧による操作となっている。この油圧式ディスクブレーキ、その名の通り油圧の力でキャリパーのピストンがブレーキパッドを押しつけて、ブレーキのディスクローターをギュ~ッと挟み込み、摩擦力でブレーキが効く構造だ。
このディスクローターを制動するブレーキキャリパーには、小排気量が中心のフローティングキャリパー(片押し式/スライド式と呼ぶこともある)もあるが、パフォーマンスが高くスピードも出るスポーツバイクは対向ピストン方式がほとんど。
その呼び名の違いのまま、対向ピストン方式のキャリパーは、ブレーキローターを挟んだ内側にブレーキパッドを押すピストンが向かい合って(対向)配置され、ブレーキをかけるとディスクを両側から挟み込む構造になっている。
そして本題のモノブロックキャリパーだが、じつはコレ、対向キャリパーのバリエーションのひとつで、ピストンやパッドが動く仕組み自体は変わらない。何が違うのかというと、キャリパー本体がひとつの部品(モノブロック)で作られているため、キャリパーがディスクを押し付けるとき、どんなに強くかけても、つまりどんなに高圧でもその反力にビクともしない高剛性、とてつもなく頑丈にできているのだ。
ハードブレーキングでも、キャリパーが広がらない/変形しない!
では、ブレーキキャリパーにどうしてそこまで高剛性が必要かというと……
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