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イベント開けば1700台が大集合!? 人気の輸入車、ルノー歴代「カングー」5モデルの違いを見る

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イベント開けば1700台が大集合!? 人気の輸入車、ルノー歴代「カングー」5モデルの違いを見る

■フランスのクルマ文化の象徴ともいえる「遊びの空間」

 新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、2020年はオンラインで開催されるルノー「カングー」のオーナーミーティングが、カングージャンボリーだ。今回は6月7日にルノー・ジャポン公式YouTubeチャンネルのライブ配信されることが決定している。

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 例年5月に開催しているカングージャンボリー。2019年に開催された前回で、すでに11回を数える歴史あるイベントだ。

 参加台数や来場者も年々増え、前回の第11回では総参加者数は5011人、総参加車両台数は2422台と、オーナーズイベントとしてはマツダ「ロードスター」のロードスターミーティングなどと並び、日本最大級の規模にまで成長している。

 カングーだけでなく、ほかのルノー車やフランス車、日本車でも車種を問わず参加できるカングージャンボリーだが、参加車両の半分以上、1700台以上がカングーとなる。その駐車スペースは圧巻の光景だ。

 オンライン上でのカングージャンボリーが開催される前に、カングーの過去を振り返ってみよう。

●初代カングー 前期型(2002年~2003年)

 フランスでは1997年に登場した初代カングー。欧州でも大ヒットを記録、いわゆる「フルゴネット」というカテゴリーの代表的モデルといわれるカングーだが、じつは同様のコンセプトを持つシトロエン「ベルランゴ」の発売は1996年7月と、1年も早く誕生している。

 日本では2002年3月27日に発表、発売された。モノグレードで、75ps・114Nmを発生する1.4リッター自然吸気エンジンに4速ATを組み合わせ、車両価格は175万円(税抜価格。当時の消費税は5%)だった。

 スペック的には特記するものはないが、不足感なくきちんと速度を上げていく運転のしやすさが特徴。これほど背が高くても、コーナーでロール感を与えることなく、粘りながらクリアする走りも人気になったひとつの理由だろう。またシートが秀逸で、長距離運転しても腰が疲れないものだ。

 商用車ベースということもあり、インパネなどはプラスチッキーだが、遊び心のあるデザインでカングーの個性に合ったもの。またドアまわりは鉄板むき出しだが、それもまたカングーの味になっている。

 全長3995mm×全幅1675mm×全高1810mm、ホイールベースは2600mmと、圧倒的な車高の高さながら5ナンバーサイズに収まっているのも初代カングーの特徴だ。

 初代カングーの前期型は、ヘッドライトの下に涙目のようなオレンジのウインカーライトがあるのがエクステリアの特徴。フロントフェイスはグリルレスで、バックドアは跳ね上げ式になる。

●初代カングー 後期型(2003年~2009年)

 2003年8月に初代カングーはマイナーチェンジをおこなった。

 この際、1.4リッターエンジンに代わり搭載されたのが、95ps・148Nmを発生する1.6リッター自然吸気エンジン。このエンジンの搭載により、非常にパワフルな走りまで手に入れている。このタイミングでは4速ATのみの組み合わせで、車両価格は跳ね上げ式のハッチバックドアが193万円(消費税込、以下同)、ダブルバックドアが195万円だった。

 またこのマイナーチェンジで、従来の跳ね上げ式のバックドアに加え、現在のカングーのアイコンともいえる観音開きのダブルバックドアを選ぶことができるようになった。さらに5色のボディカラーに加え受注生産でさらに5色を用意。現在にも続く色とりどりのボディカラーはここから始まっている。

 2004年11月には5速MTが追加されている(車両価格は194万2500円)。これ以来、ミニバン然としたボディとしては異例の、30%を超えるMT比率を誇っていく。

 初代カングー後期型の見た目の特徴は、ヘッドライトの下のオレンジライトがなくなり、ヘッドライト自体が大型化されたこと。また前期型ではボンネット上にあったルノーのロゴマークが、フロントグリルに移動している。

 この初代カングーは前期型後期型合わせて、全世界で販売台数が250万台を超えるヒット作となった。

■大きくなった2代目は「デカングー」という愛称で親しまれる

●2代目カングー 前期型(2009年~2013年)

 欧州では2007年にすでにフルモデルチェンジされていたが、日本では2009年9月に登場した2代目カングー。

 全長4035mm×全幅1830mm×全高1830mm、ホイールベースは2700mmと、先代と比べて全長で180mm、全幅155mm、全高20mm、ホイールベースで100mm大きくなっている。

 あまりのサイズ拡大に、当時ルノー・ジャポンの担当者も「お客様が新型カングーを認めてくれるかどうか不安でした」と話していたことを思い出す。ただしフタを開けてみると、初代を上回る勢いで人気となり、大ヒットモデルに成長していく。

 通常時660リッター、最大で2866リッターにも拡大する荷室は、アウトドア趣味のアクティブなユーザーに受け入れられた。また後席を倒すと大人2人が寝ることができるスペースになり、この頃からブームとなり始めた車中泊にオススメの輸入車としても知られるようになる。2代目カングーのバックドアは観音開きのダブルバックドアに統一された。

 発売当時の車両価格は5速MTが219万8000円、4速ATが229万8000円。搭載エンジンは105ps・148Nmの1.6リッター自然吸気エンジンになる。

 シャープな顔立ちの現行カングーにくらべると、グリルレスで愛嬌のあるフロントフェイスが見た目での特徴。おっとりとした顔が、カングーというクルマの性格にいちばん合うというオーナーは多い。

●カングー ビボップ(2010年~11年)

 2010年7月に発表された、2代目前期型カングーをベースとしたショートバージョンが「カングー ビボップ」だ。

 全長は3870mm、ホイールベースは2310mmと、全長は345mm、ホイールベースは390mmも短縮されたこのモデルは、後席スライドドアを配した3ドアモデルになる。

 後席は独立した2座になり、乗車定員は4名。手動開閉式のフロントグラスルーフと前後スライドさせて開閉可能なリアグラスルーフ、電動でテールゲートに収納できるテールゲートグラスでオープンカーのような開放感を味わうことができる1台になる。

 エンジンは通常のカングーと同じ1.6リッター自然吸気、トランスミッションは5速MTのみで、車両価格は234万8000円だった。

 ショートホイールベースのスタイリングは、まるでチョロQのよう。派生モデルだけに販売された台数も少ないため、いまでも中古車市場で高値で取引される。

●2代目カングー 後期型(2013年~)

 2013年8月に大幅なマイナーチェンジをおこなって登場したのが2代目カングーの後期型だ。

 デザイン担当常務ヴァン・デン・アッカー氏による、ルノーの新デザイン戦略に基づくフロントフェイスは、俗に「アッカー顔」と呼ばれるもの。ただし、この際に搭載されたエンジンとトランスミッションは2代目前期型とまったく同じ1.6リッター+4速ATだった。車両価格はゼンが234万8000円、アクティフが214万8000円だった。

 後期型の大きな転換点となったのは2014年5月。新たに115ps・200Nmを発生する1.2リッターターボエンジンを搭載したことだ。当初このエンジンには6速MTのみが組み合わされ、ATモデルは1.6リッターのまま。価格は6速MTモデル・4速ATモデルともに241万5000円だった。

 この1.2リッターターボの出来が秀逸で、ここからまたカングーのMT比率が高まっていく。

 そして2016年7月に、ようやく1.2リッターターボエンジンに2ペダルの6速EDC(DCT)が追加になり、さらにカングーの人気が再燃した。この時点では1.6リッター+4速ATモデルも併売され、ゼン(6速EDC)が259万円、ゼン(6速MT)が247万円、ゼン(4速AT)が241万5000円、アクティフ(6速MT)が235万円だった。

※ ※ ※

 「クルール」や「オーセンティック」など、次々と限定車を発売することで新鮮度を保ち続けるカングー。ただし欧州での発売から14年、日本での登場から12年と、やはり相当モデルライフも長くなってきている。

 ライバルのフルゴネット、プジョー「リフター」、シトロエン「ベルランゴ」なども登場、最新のADAS(先進運転支援システム)を装備し、カングーの牙城を崩そうと虎視眈々と狙っている。

 タイミング的には、2020年には欧州で新型カングーがお披露目されることになる可能性が高い。初代から2代目にフルモデルチェンジされたときのような大幅ボディ拡大はどうやらなさそうだが、どのようなデザインで登場するのか。PHEVやピュアEVはあるのか。いまから楽しみだ。

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