マツダ「アクセラ」が「マツダ3」へとフルモデルチェンジを機に名称変更を行った。一般的に名称変更は世代交代に当たるフルモデルチェンジの際に行われるものだが、ブランドの統一を図るため、2019年7月に「アテンザ」が「マツダ6」に、続く9月に「デミオ」が「マツダ2」に名称変更されている。
そこで、今回はマツダブランドのエントリーモデルとなる「デミオ/マツダ2」の中古車事情に迫ってみる。同じ2019年式でもデミオとマツダ2では中古車相場はどれくらい変わるのだろうか。
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文/萩原文博
写真/編集部
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■デビューから着実に進化を続けたデミオ/マツダ2
4代目(最終型)のマツダ「デミオ」は2014年9月に登場。マツダのデザインテーマである「魂動」デザインを採用。またシャシー、エンジン、ミッションなどにマツダ独自の「スカイアクティブテクノロジー」を搭載したデザインそして走りにこだわったコンパクトカーだ。
左手前が新型マツダ2、右奥が従来型デミオだ。新型はヘッドライトのデザインがシャープになっているのと、グリルなどのデザインが変更され、スッキリとした印象となっている
デミオと比較して、プレスラインや切れ込みなどは変更せず、形状とデザインを変更したことでフロントマスクの印象がかなり違って見える
搭載するエンジンは、デビュー当初は1.3L直列4気筒ガソリンエンジンと、1.5L直列4気筒ディーゼルターボエンジンの2種類。その後、2015年9月にロードスターと同じハイオク仕様の1.5L直4気筒ガソリンエンジン+6速MTというパワートレインを搭載したモータースポーツ参戦用モデルの15MBを追加。
2018年8月の一部改良では1.3Lガソリンエンジンは1.5Lガソリンエンジンへと変更されている。そして、2019年7月の一部改良で、マツダ2へ名称変更を行うと発表し、9月より販売開始された。
デミオからマツダ2への進化したポイントは、新デザインとなったアルミホイールをはじめとした上質感を高めた外観デザインをはじめ、快適な乗り心地を実現した新サスペンションシステム。インテリアでは頭がぶれにくい構造のフロントシートを採用。電子デバイス系では、高速走行時の車両の挙動を安定させる「Gベクタリングコントロールプラス」を採用している。
デミオとマツダ2でインパネのデザインに違いはない。変更されているのはフロントシートで、デミオとシート形状は同じながら、骨盤を立てるというコンセプトのもとクッション素材が追加されている
さらに運転支援システムでは、全車速追従機能付のマツダレーダークルーズコントロール、レーンキープアシストシステム、さらに、夜間のより早い危険認知を追求し、左右20ブロックに分割したLEDを個別に点・消灯する「アダプティブLEDヘッドライト(ALH)」を搭載するなどアップデートを行っている。
そのいっぽうで、搭載するパワートレインは変更なく、1.5Lのガソリンとディーゼルターボのままとなっている。それでは、デミオ/マツダ2の中古車相場の状況を見てみよう。
■絶版車となったデミオ お得だが狙うならマツダ2がオススメ!
まずはデミオから。4代目デミオの中古車の流通台数は約2350台と豊富だ。しかし、3カ月前の時点では約2500台、ピーク時の5月末の時点では約2650台もあったので減少傾向となっている、
そのいっぽうで、中古車の平均走行距離は3カ月前の約2.7万kmから約2.9万kmと微増に留まっているものの、平均価格は3カ月前の約110万円から現在は約107万円へと値落ちしている。
一方のマツダ2だが、最新の中古車の流通台数は約210台。3カ月前の時点では約150台だったので、こちらは増加傾向となっている。
中古車の平均走行距離は、3カ月前そして現在も約1000kmと横ばいで推移し、平均価格は約196万円から現在は約188万円と値落ち幅は異なるものの、デミオ/マツダ2ともに値落ち傾向となっている。
そこで、同じ2019年式で最も流通台数の多い1.5Lガソリンターボエンジンを搭載したグレード同士でデミオとマツダ2を比較してみる。
「デミオ 1.5Sツーリング」の流通台数は約45台で、平均価格は約153万円から約146万円と約7万円の値落ち。一方の「マツダ2 1.5Sプロアクティブ Sパッケージ」の流通台数は約46台で、平均価格は3カ月前の約181万円から現在は約177万円まで値落ちが進んでいる。
デミオ、マツダ2ともに値落ち傾向となっているが、やはり絶版車となったデミオのほうが値落ち幅は大きくなっている。しかし、一部改良によって運転支援機能が充実したことを考えるとほとんどないものと言えるだろう。したがって、運転支援システムを重視するのであれば、やはりマツダ2がオススメだ。
後輪ホイールハウスに吸音インナーフェンダーを追加するなど静粛性の向上を図っている
マツダ2。さらに、運転支援システムがデミオよりも向上している
中古車の流通台数は1.5Lディーゼルターボエンジンを搭載した「XD Lパッケージ」が多いが、これは高速道路を多用する人向け。ストップ&ゴーの多い街乗りしかしないという人やチョイ乗り中心という人であれば、ガソリン車で十分満足できる。
そのガソリン車ならば流通台数の多い、「1.5S プロアクティブ Sパッケージ」がオススメ。走行距離が1000kmという高コンディションのクルマでも約160万円~約184万円と200万円以下で手に入れることができる。
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予算をもう少し抑えたいというのであれば、デミオを選択することとなる。デミオは年次改良といい、毎年のようにアップデートが行われているが、車両だけでなく歩行者も検知する「アドバンスド・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンスドSCBS)」が全機種に標準装備された2017年11月の一部改良以降のモデルを狙いたい。
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ディーゼル車ならば、流通台数が約94台と多い「XDツーリング」。価格帯は約96万~約170万円。ガソリン車の1.3Sならば、約80万~約149万円と100万円以下でも運転支援システムが充実したモデルが手に入る。
年式が進んだモデルならば、50万円以下でも手に入るが、これからのパートナーとして迎えるのならば運転支援システムを無視することはできない。しかし、デミオならば運転支援システムが充実したモデルでも100万円以下というリーズナブルで手に入るのは魅力だ。
これから2017年11月の一部改良モデルが最初の車検サイクルを迎えるので、今後さらに値落ちが期待できるだろう。
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