150psの4気筒ガソリン+115psのモーター
クロスオーバーなどSUVの台頭で、ミニバンなどのMPV市場は欧州では大幅に縮小している。ひと回り大きいシャランは、2021年で終了した。それでもフォルクスワーゲンは、長寿命となったゴルフ・トゥーランをラインナップしている。
【画像】T7世代のフォルクスワーゲン・マルチバン ベンツ、フォード、オペルの競合モデルと比較 全128枚
さらにもう1台、カリフォルニアの浜辺を想起させるマルチバンもある。フォルクスワーゲン・タイプ2が作り上げたオシャレなライフスタイルのイメージは、最新モデルへも受け継がれているようだ。
すでにAUTOCARではT7世代へ進化したマルチバンへ試乗し、完成度の高さへ感銘を受けている。優れたドライビング体験を備え、実用性もすこぶる高い。構成する部品以上の仕上がりといっていい。
マルチバンはマイクロバスのように四角く、貨物バンのように大きな車内空間を持つ。しかしフォルクスワーゲン・ゴルフも採用するMQBプラットフォームをベースとすることで、乗用車のように走りは好印象だ。
加えて、MQBプラットフォームに搭載可能な、幅広いパワートレインにも対応している。今回試乗したプラグイン・ハイブリッド(PHEV)も、その1つに当たる。
150psを発揮する1.4L 4気筒ガソリンターボに、115psの駆動用モーターが組み合わさり、システム総合での最高出力は218ps。6速デュアルクラッチAT(DSG)を介して、前輪を駆動する。駆動用バッテリーは10.4kWhあり、最長49kmをまかなえる。
柔軟に使える広々とした空間の3列シート
マルチバンにはリアのオーバーハングが200mm伸ばされたロングもあるが、今回の試乗車は全長4973mmの標準ボディ。トリムグレードは、英国仕様ではベーシックなライフだった。
ロングボディと標準ボディとの違いは、さほど大きくはない。全長が伸びることと、3列目シートの後ろに、トノカバーで覆えるひと回り広い荷室空間が得られる程度の差といっていい。前後タイヤの間隔、ホイールベースは変わらない。
標準ボディでも、マルチバンの車内空間はとても広々としていて、柔軟に使える。180度回転できる2列目は2席か3席かを選択でき、3列目も併せて前後へ大きくスライドが可能。シートが不要なら、取り外すこともできる。
テーブルが仕込まれたセンターコンソールも、レールの上をスライドする。必要に応じて、7シーターか6シーターのミニバンから、ノマド・ワークに最適なミニオフィスへ模様替えするのも簡単だ。
ドライビング体験は、特に魅力的と呼べるわけではない。それでもステアリングホイールは適度に軽く、操舵感は正確で予想しやすい。乗り心地もしなやかで、見た目から想像する以上に良い。
運転姿勢は背筋を伸ばし、座面が高めのコマンドポジション。視点が高く視界に優れ、都市部でも交通状況を把握しやすい。
T7世代のスイートスポットの1つ
PHEVのマルチバンを発進させてみると、2750kgという車重のおかげで若干パワー不足を感じる。駆動用モーターがトルクを加算し、スタートダッシュは充分活発ながら、そこからスピードは伸びにくい。
駆動用バッテリーの容量がある限り電気の力だけで走行でき、滑らかで静か。実際的な条件では、32kmから40kmくらいはまかなえるようだ。
ガソリンターボ・エンジンが介入すると、明確にノイズが車内へ届く。アクセルペダルを踏み込むと、回転数の上昇とともにボリュームも大きくなる。
ただし、それらはプラットフォームをともにするゴルフと比べた場合。競合のワンボックスやMPVと比較すれば、その質感は平均点以上。パワートレインも、納得といえる動力性能を発揮してくれる。
駆動用バッテリーの電気を使い切った後は、正面面積や車重から燃費が悪化するだろうと想像していたが、実際の数字は12.4km/L程度。良好といっていいだろう。こまめに充電を繰り返すことで、ガソリン代を大幅に節約することも可能そうだ。
新しいマルチバンのPHEVは、T7世代のスイートスポットの1つかもしれない。英国価格は4500ポンド(約73万円)高くなるものの、税金も含めて、乗り方次第ではランニングコストを抑えられる。長く所有するほど、そのメリットは得られるだろう。
フォルクスワーゲンのバンとして優れた実用性を備え、ややクラシカルなスタイリングも含めて、おしゃれなライフスタイルとの親和性に長けた新しいマルチバン。PHEVは、その魅力を一層高めていると感じた。
フォルクスワーゲン・マルチバン 1.4TSI eハイブリッド・ライフ(英国仕様)のスペック
英国価格:5万2714ポンド(約859万円)
全長:4973mm
全幅:1941mm
全高:1907mm
最高速度:191km/h
0-100km/h加速:9.0秒
燃費:52.6-55.5km/L
CO2排出量:41-43g/km
車両重量:2750kg
パワートレイン:直列4気筒1395ccターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:218ps(システム総合)
最大トルク:25.3kg-m(システム総合)
ギアボックス:6速デュアルクラッチ・オートマティック
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みんなのコメント
EVのミニバンというジャンルも残念ながら現状ないので、新しい選択肢として日本に導入してほしい。