2代目「プリメーラ」にはどうして「UK」を名乗ったモデルがあるのか？ 英国で生産された5ドアハッチバックを紹介します

スポーティなイメージに仕上がっていた

日産「プリメーラ」といえば、1990年代までに技術の世界一を目指すことを目標とした「901運動」で生まれた名車である。欧州市場をメインに据えて開発されたこともあって国産車離れした走り味を持ち、今でも人気の高いモデルのひとつだ。

細かな部分で差異が存在していた

そんなプリメーラには、メイン市場である欧州の英国にある工場で生産されたものを日本に輸入して販売されたモデルが存在していた。それが日本仕様には存在しなかった5ドアハッチバックモデルである。

1991年10月から日本への輸入販売がスタートしたプリメーラの5ドアハッチバックモデルは、「20e GT」というグレード名で販売され、エンジンは2LのSR20DE型、トランスミッションは4速ATのみの組み合わせとなっていた。

エクステリアはリアがハッチバックになる以外はエアロスポイラーが標準になり、足元にはベルギーのレメルツ社製の14インチアルミホイール、そして専用エンブレムが備わる程度。インテリアはリアシートもヘッドレスト付となるほか、ルームミラーはフロントウインドウに直付け、メーターには油圧計が備わるなど、細かな部分で差異が存在していたのだった。

当初はモノグレードだったプリメーラ5ドアハッチバックだが、モデル末期の1995年1月のマイナーチェンジで新たに廉価版の「2.0SLX」を追加し、同年6月には円高差益還元で両グレードとも10万円の値下げを実施している。

その後、プリメーラ自体は1995年9月にフルモデルチェンジを果たして2代目となるが、英国生産の5ドアハッチバックモデルの2代目は1997年2月にようやく日本へ導入が開始される。

スポーティさと豪華さを併せ持っていたUKモデル

2代目モデルでは、英国からの輸入モデルであることをよりアピールするために車名を「プリメーラUK」と改め、グレードは先代と同じくSR20DE型エンジンと4速ATを組み合わせた「2.0GT」のみとなっていた。

プリメーラUKもGTと名が付くようにエアロパーツを標準装備とし、15インチアルミホイールを装着したスポーティな仕様となっており、インテリアには専用のハーフレザーシートを備えるなど、スポーティさと豪華さを併せ持つものとなっている。

この辺りは2代目プリメーラにはステーションワゴンモデルが新たにラインアップに加わったため、5ドアモデルのキャラクターをよりハッキリ差別化したいという思惑もあったのだろうが、残念ながらユーザーには響かなかったようで、1998年の末を持って販売を終了してしまった。

プリメーラ自体は2001年1月に3代目へとフルモデルチェンジを果たし、英国生産モデルには引き続き5ドアハッチバックモデルがラインアップされていた。

奇しくも2003年に登場した2代目「プリウス」がスマッシュヒットを記録し、5ドアハッチバックへの抵抗が減少していたタイミングであったため、2代目のように遅れて追加されるかとも思われたが、結局日本へ導入されることはなかった。

Comments

わりと見かけたような

プリメーラの前身にあたるオースターには､
ユーロハッチと呼ばれた5ドアハッチバックが
設定されていたが､イギリスではこのオースターが
ブルーバードの名で売られ､人気がありました｡
(また､特別仕様車にXiブリティッシュがあった｡)
プリメーラが登場してから1年後に英国製の5ドアが
されましたが､これは先代のオースターと同じ方式です｡
かつてイギリスで人気があったことに思い入れが
あったせいか､UKの名を付けたのだと思います｡