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4000万円に価値が上がった「コンチネンタルGT」は「ナンバー9エディション」でした。「100台限定」の特別装備を解説します

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4000万円に価値が上がった「コンチネンタルGT」は「ナンバー9エディション」でした。「100台限定」の特別装備を解説します

ベントレー100周年を祝った極上のコンチネンタルGT

近年のスーパーカーや高級車業界においては、限定車ビジネスが大きなウェイトを占めています。また、とくに長い歴史を誇るブランドでは「○○周年」のアニヴァーサリー企画も重要視され、その双方の要素が限定モデルとして結実する事例も少なくはありません。今回は、2024年1月25日にRMサザビーズ北米本社がフェニックス市内で開催したオークション「ARIZONA 2024」に出品されていたベントレーの創立100周年記念モデル「コンチネンタルGTナンバー9エディション」をピックアップ。そのモデル概要とオークションレビューについて、お話しさせていただきます。

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まさしくコニサー好み! 歴史的遺産を組み込んだインテリア

2019年3月のジュネーヴ・ショーにて正式発表された、ベントレーの創立100周年記念車「コンチネンタルGTナンバー9エディション」は、現行ベントレーの最高性能グランドツアラー「コンチネンタルGT」をベースに選び、ベントレーの特装部門「Mulliner(マリナー)」が真正のベントレー愛好家に向けて、世界限定100台を生産したモデル。

車名の「ナンバー9」は、1930年のル・マン24時間レースにて「ベントレーボーイズ」のエース級ドライバー、ヘンリー・ラルフ・スタンリー“ティム”バーキン卿/ジャン・シャサーヌ組が搭乗した伝説的レースカー「41/2Litreブロワー」のゼッケンナンバーに由来する。

「ナンバー9エディション」には、バーキンのル・マン・カーと同じ「9」のレーシングナンバーがラジエーターグリルの中央に描き込まれるほか、カラーマッチした22インチのアロイホイールにカーボンファイバーのボディキット、そしてダークティントの「ブラックライン・スペシフィケーション」で完全武装されていた。

またダークなボディカラーも、1929~1930年にバーキン卿の主導で製作された5台のワークスマシン「バーキンカー」に従ったもの。しかし、この限定モデルでもっともファンを歓喜させそうな要素はインテリアにこそあった。

まずメーター類は、往年のブロワー・ベントレーが採用していた「イエーガー」社製のものを、マリナーとの共同開発で復刻した。さらに、新型コンチネンタルGTの特徴である回転式のインストルメントパネル「ローテーションディスプレイ」に配される3つのダイヤルのセンターには、1930年にバーキン卿が駆った「オールドNo.9」をレストアする際に運転席から回収された小さな木片が、ライトで浮かび上がるようセットされる。

ほかの高級車ブランドの愛好家に比べて、クラシックモデルへのリスペクトが強い傾向のあるベントレーの顧客にとってはこのうえなく魅力的なディテールで設えられたこの限定車は、名門ベントレーの100周年を祝うに相応しいアイコニックな1台となっていたのだ。

邦貨換算4000万円近い落札価格も、充分にリーズナブル?

2019年の発売当時、ベントレー コンチネンタルGTナンバー9エディションは、「ビリジアン・グリーン」および「ベルーガ・ブラック」の2色から選べることになっていたが、このほどRMサザビーズ「ARIZONA 2024」オークションに出品された個体は前者のグリーン。同系色である「カリビアン・グリーン」の本革レザーインテリアが組み合わされている。

コネチカット州グリニッジのベントレー正規ディーラーにて、2020年に新車として販売されたこの個体には、100台すべての「コンチネンタルGTナンバー9エディション」に共通する「オールド・ナンバー9」ル・マン・カーの木製部品から直接採取したウッドインサートを装着。それは樹脂にはめ込まれ、バックライトで照らされ、ダッシュの中央に配置されている。

また「センテナリーゴールド」のトリムピースの数々にくわえて、「1/100」の特別なドアシルプレートや18Kゴールドプレートのオルガンストップなど、ティム・バーキン卿と彼の名高いブロワー・ベントレーへのオマージュを、ディテールの随所でアピールしている。

さらには「バング&オロフセン」社製の純正オーディオシステムやレザーハイドのコントラストステッチ、クーラー/ヒーターを組み込んだコンフォート仕様のフロントシート、「ウイングドB」のロゴが地面を照らすウェルカムライトなど、すべて合算すると8万ドル以上に相当する純正オプションが奢られていたとのことである。

ボディ全体にはクリアの保護塗装が施され、ディープパイルのフロアマット、バッテリー充電器、取扱説明書などの付属品も完備した状態で、オークションに出品されることになった。

気鋭のパフォーマンスとハンドメイドのラグジュアリーを融合させたベントレー・コンチネンタルGTは、結果としてスーパーカーの性能とサルーンの快適性を両立させたことで、自動車界において唯一無二の地位を占めてきたといえよう。

そして現代ベントレーの真髄ともいえるこのユニークな限定モデルは、スタンダードモデルであっても傑出したスーパースポーツであるコンチネンタルGTに、さらなる特別な意味と美しいディテールを付加。ベントレー愛好家やコレクターにとっては非常に魅力的な限定モデルと思われる。

この魅力的かつ希少なベントレーに対して、RMサザビーズ北米本社は現オーナーとの協議のうえ、27万5000ドル~30万ドルのエスティメート(推定落札価格)を設定。オークション公式カタログには「Offered Without Reserve」の表記がないことから、最低落札価格もしっかり設定していたようだ。

ところが1月25日に行われた競売では、エスティメート下限に満たない26万6400ドル、日本円にして約3940万円で落札されることになった。

このハンマープライスは、同じ年式の三代目コンチネンタルGTクーペの相場価格はもちろん、この「コンチネンタルGTナンバー9エディション」が新車としてリリースされた当時の販売価格も上まわるものではある。

でも、いちクラシック・ベントレー愛好家としては、もっと高く評価されても良いのでは……? という気がしなくもないのである。

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みんなのコメント

1件
  • nor********
    フロントグリルの9がマヌケに見える。デカデカとしすぎ。ワンポイントでグリル端に七宝焼でNUMBER9で良いと思うけどな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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