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アンダー100万円でも大満足。シンプルそのもののスズキ アルト Aは、けっして「安っぽい軽自動車」ではなかった【試乗】

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アンダー100万円でも大満足。シンプルそのもののスズキ アルト Aは、けっして「安っぽい軽自動車」ではなかった【試乗】

スズキの軽乗用車、アルトのベーシックグレードである「A」に試乗する機会を得た。装備はシンプルで、車両価格は税込みで95万円もしないモデルだが、乗ってみると単なる安っぽいクルマではなく、クルマの原点の思い起こさせてくれた。

初代アルトの47万円は、現代の価格水準ではこれくらいか
9代目となる現行型のアルトは、2021年末にデビュー。2022年暦年(1~12月)の登録台数は3万7722台。2023年1月は5453台を販売し、軽乗用車の販売ランキングでは8位を占めた。上位はスーパーハイト&ハイト系ワゴンとハスラーしかいないから、いわゆるセダン型としては健闘している。

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

スズキによると、売れ筋グレードは、L-ハイブリッド X-ハイブリッド S-Aの順。ガソリン車とマイルドハイブリッド車の比率は、約6:4。グレード別の比率は公表していないが、エントリーグレードのAは全体の2割ほどと思われる。最も売れているLとAの車両価格差は税込み5万5000円。となると、電動格納式リモコンドアミラーやフルホイールキャップ、運転席シートヒーターなどの付いたLのほうがお買い得感が高いということになるのだろう。

さて、今回試乗したA(以下、アルト A)の車両本体価格はFFなら税込み94万3800円。これは、1979年に発表されて大ヒットした初代アルトの47万円を現代の物価水準に鑑みて、エアコンやパワーウインドーなどの快適装備に現在必要とされる安全装備を採用すると、この価格に匹敵するという。メーカーオプションのバックアイカメラ付きディスプレイオーディオ(税込み5万5000円)装着車でも、100万円を切る車両価格も絶妙だ。

メッキ類の加飾はなく、ホイールはスチール、ミラーの調整は手動、リアサイドウインドーは固定式、エアコンはマニュアルだし、内装もシンプル。リアシートバックは一体可倒式で、ヘッドレストはオプション。それでも、デュアルカメラのブレーキサポートや誤発進抑制機能などの安全装備「スズキ セーフティサポート」は上級グレードと同レベルのものを標準装備している。

走りっぷりには、まったく不満はない
前置きが長くなってしまった。キーのリモコンでロックを解除して、キーシリンダーにキーを差し込み、キーを捻ってエンジンを始動する。思えば、最近のクルマはスマートキーがほとんどだから、この一連の操作が懐かしくて新鮮で、でもクルマを始動させるという「儀式」がいい。

ノンターボの46psエンジンにCVTという組み合わせだから、走りには期待していなかった。だが、700kgを切る軽量ボディが奏功して、走りはきわめて軽快! 発進こそCVT独特の感触でスパッとはいかないけれど、市街地でも高速道路でも、その走りっぷりに不満はない。軽量ボディながら、HEARTECTのプラットフォームや環状骨格構造のボディのおかげで、けっこう剛性が高い。加速時などでエンジン回転数が上がると少しノイジーになるが、高速走行でも助手席のパッセンジャーとは普通に会話できる。

減速時のエネルギーを利用して充電するエネチャージやアイドリングストップ機能のおかげで燃費は良い。今回、約120kmの走行は3分の2くらいが高速クルージングで、残りは市街地走行や撮影のための移動といった感じだったが、平均燃費計の数値は29.6km/L! WLTCモードの25.2km/Lを大きく上回る数値を示した。もちろんエアコンは入れっぱなし。流れに乗った走りで、とくにエコランはしていない。高速クルージングが多かったとはいえ、街中走り中心で普通に乗っても燃費はおそらく20km/Lを切ることはないように思われる。

シート地もビニールレザーなんかじゃないし、シンプルだけど安っぽさは感じさせない。安全装備を含めて必要なものは揃っている。現行型のアルトが登場したとき、上級グレードに試乗して「これこそがベーシックカーの基本」と思ったけれど、このアルト Aこそが、まさにベーシックカーの基本だった。豪華装備に慣れてしまった人も、一度このアルト Aに乗ってみるといい。必要最低限なものしかなくても、基本性能がしっかりしていれば、クルマって乗って走って楽しいものなんだと再認識できるに違いない。(写真:井上雅行)

スズキ アルト A 主要諸元


●全長×全幅×全高:3395×1475×1525mm
●ホイールベース:2460mm
●車両重量:680kg
●エンジン:直3 DOHC
●総排気量:658cc
●最高出力:34kW(46ps)/6500rpm
●最大トルク:55Nm(5.6kgm)/4000rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:レギュラー・27L
●WLTCモード燃費:25.2km/L
●タイヤサイズ:155/65R14
●車両価格(税込):94万3800円

[ アルバム : スズキ アルト A はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

135件
  • アルトはこのグレードが道具っぽくてカッコイイ。
    色もシルバーが良いと思う。
  • 先代モデルに乗ってましたが、世の中に求められてる車かどうかは別にしていい車でした。初代はゲタ代わりって感じでしたが、すっかり乗用車って感じでした。ターボモデルを購入しましたがタイヤのグレードで車の性格変わるんだって初めて思うくらい仕上がってました。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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