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IMSA:マツダ、58周に渡って首位走行も表彰台目前でトラブル発生。「悔しいが収穫も多かった」

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IMSA:マツダ、58周に渡って首位走行も表彰台目前でトラブル発生。「悔しいが収穫も多かった」

 IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップに参戦しているマツダチーム・ヨーストは3月17日、シリーズ第2戦セブリング12時間に臨み、55号車マツダRT24-P DPi(ジョナサン・ボマリート/スペンサー・ピゴット/ハリー・ティンクネル組)が総合6位、77号車マツダ(オリバー・ジャービス/トリスタン・ヌネス/レネ・ラスト組)が総合8位でフィニッシュ。2台が揃って完走を果たした。

 開幕戦デイトナ24時間は、事前の準備虚しく両車リタイアという悔しい結果に終わったマツダチーム・ヨースト。前戦の雪辱に燃えるチームは、今戦も事前の合同テストに参加するなど万全の体制を整えてレースウイークを迎えた。

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 木曜のナイトプラクティスでトップタイムをマークするなど、良いカタチでセッションを進めていったチームは、77号車マツダが総合7番手、55号車マツダが総合9番手で予選を終える。

 しかし、予選後の車検でレギュレーション違反が発覚。2台はタイム抹消のペナルティを受け、決勝はプロトタイプクラスの最後尾からスタートすることとなった。なお、車検不通過の原因は、ボディパーツのつなぎ目に、空気抵抗を抑えるための透明テープが貼付されていたためとアナウンスされている。

「暑さのせいでリヤタイヤがオーバーヒートし、ハンドリングは厳しいものになった」と語るのは、77号車マツダを駆り予選7番手タイムをマークしたラスト。

「しかし、僕らはレースペースでは満足できると信じている。特に(日が暮れて)気温が下がってからは、ライバルたちよりうまくタイヤを使えるはずだ。ミスをせず、安定した走りでクルマをチェッカーまで届けられるように頑張るよ」

 また、マツダUSAモータースポーツ担当のジョン・ドゥーナン氏も「木曜夜のパフォーマンスを見る限り、今回は十分に戦える態勢にあると確信している」とコメント。低気温時のスピードに自信を窺わせた。

■トップ争いに絡み、表彰台は目前だった
 17日(土)10時40分にスタートが切られた決勝レース。クラス最後方から追い上げる2台のマツダ車は、それぞれ順調な立ち上がりをみせ、スタートから1時間の時点で55号車マツダが総合6番手、77号車マツダは同9番手に浮上する。

 ところが、スタートから4時間を迎える直前、77号車マツダにブレーキトラブルが発生。チームはすぐにトラブルの対処にあたり、ふたたびマシンをコースに戻すが、77号車マツダはトップと8周差の総合15番手に順位を下げてしまった。

 一方、僚友55号車マツダは、その後も実質の総合5~6番手を走行しながら、ピットタイミングの差によってスティント毎にラップリーダーとしてレースを引っ張っていく。

 そのなかで徐々にトップグループとのギャップを詰めていった55号車マツダは、フィニッシュまで残り1時間となった時点で、総合首位を走る22号車ニッサンDPiと約6秒差の総合3番手にポジションアップ。

 そして、レース残り45分を切り、上位陣が最後のピット作業を行なうため同時にピットインしたタイミングで、ティンクネルの駆る55号車マツダもピットエリアに滑り込んだ。

 ピットクルーの迅速な作業によって、燃料補給とタイヤ交換を首位の22号車ニッサンとほぼ同時に終えた55号車マツダだったが、ピットアウト時にまさかのエンジンストール。レース序盤から症状が出ていたバッテリーの不具合が、最後の局面で致命的なロスにつながってしまった。

 結局、55号車マツダは再始動に約2分を擁し、1周遅れの総合6位にポジションダウン。その後、優勝した22号車ニッサンを上回るペースで走行したものの順位は変わらず。344周中、合計58周に渡って総合首位を走るも最終的に総合6位完走に留まっている。

「最後の40分間が運命の分かれ道だった。そこまでに見せた僕たちの存在感は(ライバルにとって)驚異的だったはずだ」と語るのは55号車マツダの最終スティントを担当したティンクネル。

「このレースにおける、最高のライバル達との優勝争いに加わることができたことを、チームに心から感謝している。シーズン開幕前、僕はこのクルマなら絶対勝てると確信していた」

「そして、今回は勝利のすぐ目前まで迫ることができた。今は悔しさでいっぱいだけど、ポジティブな収穫もたくさんあり、今シーズンの残りのレースがとても楽しみだよ」
■77号車マツダがファステストラップを記録
 レース序盤のトラブルで一時は総合15番手まで順位を下げた77号車マツダは、その後順調に走行を重ね、レース途中にはジャービスのドライブでファステストラップをマーク。最終的に総合8番手まで順位を戻し今季初完走を果たした。

 ジャービスは「序盤のタイムロスを挽回するため、僕たちはプッシュし続けた」とコメント。

「今日のクルマは本当に素晴らしいパフォーマンスを発揮したと思う。マツダRT24-Pの競争力は確かであり、デイトナから大きな進歩を遂げているんだ。今回のトラブルもすぐに解決できると思うよ」

 2台が揃って完走を果たし、そのうちの一台は優勝争いを繰り広げたレースをドゥーナンは次のように振り返った。

「マツダチーム・ヨーストにとって、今日は信じがたい一日となった。私達がトップ争いをし、さらに長い間レースリーダーとなり、ファステストラップを記録。さらに素晴らしい燃費を実現するとは、誰が想像しただろうか」

「私はこのチームと、今日のパフォーマンスを支えてくれたすべてのテクニカルパートナー達を誇りに思う。デイトナ以後、我々は大きな進化をとげたのだ」

「今回のレースでは、いくつかの逆境を克服しながら、最高のパフォーマンスを見せたドライバーの頑張りに心から感服している。レースの最終局面で優勝のチャンスを逃してしまったが、これにめげず、また上を向いて行きたいと思っているよ」

“耐久王”とも称されるヨースト・レーシングとのコンビネーションで迎えた第2戦において、優勝を争える高いパフォーマンスの一端を見せつけたマツダチーム・ヨースト。約半年ぶりの表彰台獲得は夢と消えたが、ふたたびポディウムをかけて争い、その頂点に立つ日はそう遠くないと感じたスポーツカーファンは多いのではないだろうか。

 マツダチーム・ヨーストの次なる戦いは4月13~14日、カリフォルニア州のロングビーチ市街地で行われるシリーズ第3戦ロングビーチ。このレースは2時間45分のスプリントレースとして行われる。

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