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やりすぎ御免! ムダを一切省き走りに徹したクルマ5選

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やりすぎ御免! ムダを一切省き走りに徹したクルマ5選

 軽さを追求してクルマの原点を感じられるクルマ

 電子制御・ハイテク全盛のクルマ業界だが、クルマの持つ運動性能、ダイナミックスさをダイレクトに味わうのなら、走りに徹した超シンプルなライトウエイトスポーツカーに勝るものはない。その代表的な車種をいくつかピックアップしてみよう。

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 1)ケータハム・スーパーセブン

 ロータスの設立者で天才的なエンジニアだった、コーリン・チャップマンが開発した、FRレイアウトのセミモノコック構造をとったオープンホイールの傑作。61年前の1957年に販売され、車重500kgという軽量ボディと優れたディメンションを武器に、いまでもスポーツカーとして第一級の戦闘力を保持している。

 公道を走れるレーシングカーというより、レーシングカートの公道版といった存在だが、運動性能を高めるためのすべての要件は、このクルマに詰まっている。2014年に、スズキの660cc(ジムニーのエンジン)を搭載した、軽自動車枠のケータハム・セブン160も追加され話題となった。

 2)ロータス・エリーゼ

 ロータスからもう一台(スーパーセブンは、現在はケータハムだが)。エリーゼは1999年登場のロータスらしいミッドシップのスポーツカー。アルミニウムのバスタブフレーム(部材を航空機用の接着剤で接合)による超軽量モデルで、初期型はエアコン、ABS、ブレーキブースター、パワステといった今日では標準的ともいえる装備がすべて省略され、車重は700kgを切っていた。

 2代目になるとエンジンはトヨタの2ZZ、1ZZ、1ZRなど数種類がある。アジリティ(敏捷性)は比類ないが、ABSとエアコンだけはあったほうが望ましい……。フェイズIIの111R以降は、そうした仕様も選べるようになった。

 3)ルノースポールスピダー

 ルノー・スポールが製造した最初の(最後の?)市販車。簡単にいうと、ワンメイクレースの「スピダートロフィー」のために作った競技車両をロードゴーイングバージョンとして発売したもの。

 ルノー・メガーヌ16Vの4気筒DOHC2リッターエンジンをミッドシップに搭載。初期のロータス・エリーゼと同じように、ABSもエアコンもブレーキブースターもパワステもなく、さらにはフロントスクリーンすらついていない驚きの仕様で、車重は790kg。パワーウエイトレシオは5.27kg/ps。日本には、フロントスクリーン付きの「パラブリーズ」が、100台ほど輸入された。

 4)KTM X-Bow

 KTM X-Bow(クロスボウ)は、オーストリアのバイクメーカー KTMが、スーパーフォーミュラやハースF1チームのシャシーを製造しているダラーラなどと共同で開発したスポーツカー。カーボンモノコック+空力的なシャシーでまさに公道版のフォーミュラカーだが、レーサーレプリカバイクを四輪版にしたようなクルマともいえる。

 最軽量モデルは790kg。

 ほかに、ホンダのK20Aをチューニングしたエンジンを積む、アリエル・アトム(イギリス)や、ラディカル(イギリス)なども、現代の超軽量スポーツカーとして知られている存在。

 5)スズキ アルトワークス

 日本の場合、保安基準その他の規制も厳しく、自動車メーカー自体の規模も巨大なので、小まわりの利いた割り切ったクルマはなかなか作れないのが現状……。そうした中、わりと健闘しているのがスズキで、2015年に約15年ぶりに復活したアルトワークスなどは、670kgの軽量ボディに待望の5速MTを搭載。

 ちょっと車高が高いのが玉にキズだが、エンジンのレスポンスもよく、ハンドリングもなかなかシャープ。レカロ製スポーツシートがついて、150万円ならなかなかのお得感かも。スズキにはもう一台、スイフトスポーツという王道の一台もあるが、これはメジャーな存在なので割愛……。

 マツダのデミオ(先代)のスポルトも、1000kgの車重に5速MTで、現行のDJ型の15MBも車重1000kgで6速MT。これらはちょこっとチューニングすると面白くなる。

 クルマは、あれも、これもと要求すると重くなる。“色の白さは七難隠す”というが、クルマの場合、車重が軽ければ、エンジン、タイヤ、ブレーキがそこそこだったとしても、運動性能は高いし、年数が経っても走りが色褪せない。そういう意味で質実剛健、すっぴんで勝負できる無駄のないクルマは、いつの時代も輝きがあって魅力がある。こうしたクルマがもう少しだけ増えるといいのだが……。

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