登録車新車販売 ダイハツ不正がOEM先にも影響及ぼす
日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会は、2024年1月期の新車販売台数(速報値)を発表した。
【画像】1月期で前年比67.2%増を達成したホンダ 昨年12月に帰ってきたオデッセイがさらに新車販売を押し上げるか 全135枚
日本自動車販売協会連合会がまとめた登録車の1月期の新車販売台数は、前年同月比5.5%減の21万6926台と13か月ぶりのマイナス。対して全国軽自動車協会連合会がまとめた1月期の軽自動車の新車販売台数は、同22.9%減の11万7912台と2か月連続でのマイナスとなる。結果として、トータルでの1月期の国内新車販売台数は同12.4%減の33万4838台と17か月ぶりの前年割れとなった。
登録車の1月期のブランド別新車販売台数では、認証申請における追加不正行為の判明に伴って出荷停止を行っているダイハツが前年同月比69.5%減の897台、ダイハツが生産を担うルーミーやプロボックスなどの出荷を停止しているトヨタ自動車が同14.4%減の10万3975台とマイナスを記録。
また、新車効果に一服感が出たマツダは同43.3%減の7233台、三菱自動車は同30.9%減の2824台と停滞する。
一方、ホンダは同67.2%増の2万8883台、日産自動車は同11.2%増の2万3839台、スズキは同2.7%増の1万1001台、スバルは同7.6%増の8117台、レクサスは同15.2%増の7238台と前年実績超えを果たした。
また、貨物車のブランドでは三菱ふそうが同2.6%増の2015台とプラスを維持したものの、いすゞ自動車は同0.4%減の4105台、日野自動車は同3.6%減の2547台とマイナスに転じ、さらにUDトラックスは同24.3%減の513台と前年割れが続いた。
スズキ、6か月ぶりシェアトップに 軽自動車
軽自動車の1月期のブランド別新車販売台数は、前年同月比で1.5%増の4万5709台を記録したスズキが6か月ぶりにシェアトップにつき、続いて同11.6%減ながら2万4520台を販売したホンダが第2位に位置する。前月トップのダイハツは、出荷停止が響いて同62.2%減の1万9346台と低迷した。
一方で日産自動車は同3.3%減の1万7202台と前年割れが続き、対してデリカミニなどの販売が好調な三菱自動車は同52.5%増の6130台とプラスを継続する。そして、OEM供給を受けるブランドではマツダが同5.9%増の3244台とプラスを記録したものの、ダイハツの出荷停止の影響が大きく出たトヨタ自動車は同51.2%減の1208台、スバルは同64.3%減の524台と苦戦した。
リバウンド消費の停滞、豊田自動織機不正 今後にも不安要素捨てきれず
1月期の新車販売の動向に関して業界団体の関係者は、「認証申請における追加不正行為の判明に伴って全車の出荷を停止しているダイハツの影響で、本年1月期は前年同月比12.4%減と、17か月ぶりに前年実績を下回った。全体で見てもマイナスとなったブランドが多く、コロナ禍による低迷から脱した『リバウンド消費』が一巡して停滞色が強まった可能性がある」と解説する。
今後については、「新車の需要は新型車を中心に堅調なものの、前述した停滞色の強まりもあり、新車販売は予断を許さないところ。また、豊田自動織機の自動車用ディーゼルエンジンの認証不正に伴ってハイラックスやランドクルーザー、ハイエース/ボンゴブローニイバン(マツダ)、ダイナ/デュトロ(日野)などが出荷を停止することも、新車販売台数の面で影響が出るだろう」
「一方、ダイハツが生産するトヨタ・プロボックスとマツダ・ファミリアバンが2月12日より生産を再開し、また軽乗用車および軽商用車の10車種の出荷停止の指示が解除されて今後出荷・生産再開を実施する予定であることから、今春以降はマイナスの割合が縮小するものと思われる」と指摘した。
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