オールラウンダーと呼べる優れた能力
2013年から2020年まで販売された、7代目フォルクスワーゲン・ゴルフ。状態の良いクルマを発見できれば、お手頃に最も多能なファミリーハッチバックのオーナーになれる。
【画像】万能ハッチバック ゴルフフォルクスワーゲン・ゴルフ 7代目と8代目を比較 GTIとRも 全119枚
練られたパッケージングと上品なデザインが施され、オールラウンダーと呼べる優れた能力を備えていた。日常的に運転を楽しめ、クルマへ求めるすべてが詰め込まれていた。
エンジンは、欧州市場では1.0Lから1.5Lのガソリンターボに加えて、1.6Lと2.0Lのディーゼルターボが選べた。前者は余裕のある動力性能を叶えつつ、良好な燃費を実現。後者は、より長距離で優れた実力を発揮した。
環境負荷を気にするユーザー向けに、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)のGTEと、バッテリーEVのe-ゴルフもラインナップ。スポーツカーを追い回せるスピードを求めるドライバーには、GTIやRといったホットハッチも用意された。
ゴルフのベースグレードは、実用車として装備が潤沢というわけではない。もちろんエアコンは備わるが、ホイールはアルミではなくスチール製。余分な機能は省かれている。
SEやGTなどの中級グレードへアップグレードすれば、欧州仕様では16インチのアルミホイールにレザー巻きのステアリングホイール、電動ミラーなどを獲得。アダプティブ・クルーズコントロールをはじめとする、便利な運転支援システムも装備される。
通常のゴルフでトップグレードとなったのがRライン。潤沢な装備と、1クラス上の質感を味わえる。
普段の運転が楽しいものになる操縦性
歴代のゴルフの特徴といえるのが、通常のモデルでも適度に反応の良いステアリングを備え、機敏な身のこなしを実現していること。普段の運転も、楽しいものにしてくれる。
7代目のゴルフでは洗練性も高かった。サスペンションはしなやかで、同時代の多くのライバルより乗り心地は良い。GTIやRなら驚くほどの動力性能も得ている。高速道路だけでなく、カーブが連続する峠道を堪能できる。
インテリアは、トリムグレードを問わず好印象。ダッシュボードには高級感のある素材が用いられ、レイアウトもしっかり考えられている。主要な操作系が必要な場所に配置され、運転環境としては理想的とさえいっていいだろう。
グレードにもよるが、インフォテイメント・システムはアップル・カープレイとアンドロイド・オートに対応。8.0インチのタッチモニターが備わる。
フロントシート側は、高身長のドライバーでもゆとりを感じる広さがある。リアシート側も、180cm位の大人が長時間座っても快適に過ごせる。テールゲートを開くと不足ない荷室が現れ、殆どのベビーカーを搭載可能だ。
もし沢山の荷物を運びたい場合は、ステーションワゴンのエステートを検討したい。これは、日本ではヴァリアントと呼ばれている。
大きなマイナーチェンジが2017年に
7代目ゴルフは、2017年に大きなマイナーチェンジを受けた。スタイリングへ手が加えられ、エンジンの熱効率が向上している。トリムグレードは見直され、インフォテインメント・システムもアップグレードされた。
この後期型は、ゴルフ・ファンの間ではMk7.5、7.5代目と呼ばれることがある。もし予算に余裕があるなら、探して選ぶ価値はあるといえる。とはいえ、7代目全体が上品で多能なオールラウンド・ハッチバックであることに違いはない。
知っておくべきこと
英国の中古車市場を俯瞰すると、過走行気味の7代目ゴルフが5000ポンド前後(約83万円)から売られている。だが、しばらく不安なく乗りたい場合は7000ポンド(約116万円)以上を候補にした方が良いだろう。
8000ポンド(約132万円)以上では、2015年以降の状態の良いゴルフが選べるようになる。2017年以降の7.5代目を探すなら、1万ポンド(約166万円)は必要。2020年式は1万4000ポンド(約232万円)前後になる。
GTIは、英国では最低でも1万1000ポンド(約182万円)の予算が求められる。Rは1万5000ポンド(約249万円)、GTEは1万4000ポンド(約232万円)前後になるようだ。
燃費は1.6 TDI 105で26.2km/Lがうたわれていた。1.6 TDI 115では20.0km/L、1.5 TSIエボでは17.6km/LがWLTPでのカタログ値だ。
AUTOCARの姉妹サイトの調査によると、7代目ゴルフはディーゼルエンジンよりガソリンエンジンの方が信頼性は高いという。ポイントでは、ガソリンが94.6%、ディーゼルは89.4%となっている。数字としては、どちらも酷いものではないが。
当時のメーカーとしての信頼性は、競合30社中の20位だった。
購入時に気をつけたいポイント
トランスミッション
デュアルクラッチATのDSGには、不具合が生じやすかった。フォルクスワーゲンは近年問題をほぼ解決したようだが、初期のMk7ゴルフでは不具合を抱えていることがある。滑らかに変速し、不自然な動作がないか試乗で確かめたい。
エンジン
タイミングチェーンが破断し、重大な不具合に見舞われた事例が報告されている。定期的な点検で未然に防げるため、過去の整備記録を確認したい。
GTIの場合、エンジンオイルを大量に消費する。こまめなオイルチェックは不可欠。エンジンオイルの不足は、タイミングチェーンやエンジン内部の摩耗につながる。
電気系統
欧州仕様の場合、ナビを含むインフォテインメント・システムに不具合が生じやすいという。すべての電装系が正常に動くか確かめたい。
アダプティブ・クルーズコントロールは、ブレーキの制御に問題が生じることがある。ディーラーが調整対応してくれるが、英国では有料だ。
リコール
7代目ゴルフはリコールが多かった。年式によるがエアバックにシートベルト・テンショナー、フロント・ホイールベアリング・ハウジング、フロント・ブレーキディスク、ヘッドレスト、チャイルドロック、リア・ハブキャリア、シートに関するものが出ている。
フォルクスワーゲンのディーラーへゴルフを持ち込めば、どのリコールの対象になり、対応済みかどうか調べてくれる。購入後に1度確認した方が良いだろう。
トリムグレードとスペック
SEグレードが装備と中古車価格とのバランスが最も良い。特に英国仕様では、2017年以降のSE ナビがオススメ。その名の通り、思いつくような装備のすべてとナビゲーションが付いてくる。
英国編集部の推しチョイス
ベスト:1.5 TSI エボ130
ガソリンエンジンのゴルフの方が、ディーゼルより静かで滑らかに走る。それでいて、公道でのトルク感では引けを取らない。2017年のフェイスリフト前なら、1.4 TSI 125を推したいところ。
ワイルドカード:R
鮮烈な動力性能を楽しみたいなら、ホットハッチのゴルフRが1番。2.0L 4気筒ターボエンジンは300psを発揮し、DSGのクイックな変速で0-100km/h加速は5.0秒を切る。中古車なら価格もお手頃だ。
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みんなのコメント
FFなのになんであんなにハンドリングいいのか。
アンダーステアを感じさせないあの構造ってどうなってんでしょ。
>2022/12/23 12:50
5歳児に叱られてこいや