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波乱の長距離戦を制してKEIHIN NSX-GTが今季4戦で2勝目。ランキングトップに浮上【第4戦もてぎGT500決勝】

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波乱の長距離戦を制してKEIHIN NSX-GTが今季4戦で2勝目。ランキングトップに浮上【第4戦もてぎGT500決勝】

 2020年シーズンの折り返しを迎えたツインリンクもてぎでのスーパーGT第4戦は、ドライコンディションが維持されながらも2度のセーフティカーが出動する波乱の展開ながら、終始安定したレース運びを披露したKEIHIN NSX-GTの塚越広大/ベルトラン・バゲット組が、第2戦に続く今季2勝目を手にしている。

 変則的シーズンの2020年、富士、鈴鹿に続いて今季初開催となったツインリンクもてぎは、天候に翻弄され目まぐるしく雨量が変化した難コンディションの予選から一転、日曜の茂木町は朝から快晴に恵まれ、午前11時40分のウォームアップ走行時点では手元計測の気温で28℃を超える状況となった。

【順位結果】2020スーパーGT第4戦もてぎ決勝

 前日ダンプ路面で起死回生のアタックを見せ、自身の最多ポールポジション獲得記録を更新した立川祐路のZENT GR Supraを筆頭に、フロントロウ2番手のKEIHIN NSX-GT、3番手にARTA NSX-GTとホンダ勢が並び、4番手にはDENSO KOBELCO SARD GR Supraと、結果的にブリヂストンタイヤ装着のチームが並ぶ。

 週末のドライ路面は雨上がりの低気温状況しか走れていない前日に続き、午後に入るとサーキット上空を雲が覆い始め、残暑の9月ながら強い日差しはいくぶん抑えられたものの、タイヤライフの側面から各車がどこまでファーストスティントの距離を確保できるのか。

 また、ウエイト感度の高いこのストップ・アンド・ゴー・サーキットで、ブレーキなどはチェッカーまで無事に持たせられるのか。そして例年の最終戦より50km長いレース中に降雨はあるのか。注意を払うべき項目の多い、未知数の63周300km決勝が幕を開けた。

 セーフティカー(SC)先導で13時にフォーメーションラップへと向かった15台の隊列は、路面温度34℃のコンディションで1コーナーへ。盤石のスタートを決めたフロントロウ2台に続き、オープニングで躍進を見せたのがダンロップタイヤ装着のModulo NSX-GT伊沢拓也で、5番グリッド発進から最初のコーナーでDENSO KOBELCO SARD GR Supraのヘイキ・コバライネンを仕留めると、5コーナーへのブレーキングではARTAのインサイドに入り、野尻智紀をかわして3番手にまで上がってくる。

 続くラップではジリジリと下がって来たDENSOコバライネンに襲い掛かったRAYBRIG NSX-GTの牧野任祐が、5コーナーで止まりきれずアウト側へワイドラン。この失速により、後方にいた2台のGT-R勢、23号車MOTUL AUTECH GT-R、12号車カルソニック IMPUL GT-Rに先行を許す形となる。

 GT300のバックマーカーを処理しながら、テール・トゥ・ノーズのバトルを展開するZENT立川とKEIHINベルトラン・バゲットは、6周目に0.238秒、7周目に0.378秒のギャップでドッグファイトを繰り広げると、続く8周目。ダウンヒルストレートへと続くヘアピン立ち上がりで、バックマーカーに詰まった立川の隙を突いたバゲットのNSX-GTが並びかけると、軽いコンタクトを伴いながら90度コーナーへ突入した2台は、ブレーキングでインサイドを抑えた17号車KEIHIN NSX-GTが競り勝ち、この段階で首位浮上を果たす。

 するとその2周後、V字コーナーであわやというアクシデントが発生する。その前周にRed Bull MOTUL MUGEN NSX-GTをパスして5番手へと進出していた国本雄資のWedsSport ADVAN GR Supraは、勢いそのまま10周目にARTA野尻とのサイド・バイ・サイドに持ち込んでいく。

 するとこのバトルで行き場を失ったARTA NSX-GTとGT300クラスの車両が接触し、コントロールを失ったバックマーカー車両は、ブレーキングゾーンで速度を殺せぬままV字コーナーのクリッピング付近へ。そこへ4番手に浮上してターンインを開始していたWedsSport国本が差し掛かり、正面衝突のような形で激しくクラッシュ。国本にとっては視界の外から突然現れたマシンとの接触となり、あわや大惨事のアクシデントとなる。

 この事故でSCランが宣言されると、国本も自力でマシンから脱出し無事を確認。12周目にホームストレート上での隊列整理を経て、レースは15周目にリスタートが切られる。
 するとSC以前の8周目に同陣営のMOTUL AUTECH GT-Rをかわしていた12号車カルソニック IMPUL GT-R平峰一貴が、前を行くDENSOコバライネンに激しくプレッシャーを掛けると、90度コーナー飛び込みで鮮やかに抜き去り6番手のポジションを手に入れる。

 続く19周目には3番手のModulo NSX-GT伊沢がペースダウンしたことで集団バトルが勃発し、ホームストレートでRed Bull MOTUL MUGEN武藤英紀がModulo伊沢をかわすと、背後のカルソニック IMPUL平峰も1コーナーで5番手ARTAのインを突き前へ。さらにそのまま64号車のテールに迫った平峰は続けざまの5コーナーでダイブを決め、怒涛のラッシュで4番手へと躍進して見せる。

 タイヤのドロップダウンが厳しいか、その後もModulo伊沢はペースが苦しく防戦一方となり、22周目の1コーナーではDENSOコバライネンに、同じく90度コーナーではARTAもかわしてきたMOTUL AUTECH GT-Rロニー・クインタレッリにも抜かれて7番手にまで下がってしまう。

 すると24周目には最初のルーティンピットが訪れ、まずはARTA野尻が真っ先にピットへと向かい、続く周回にはModulo伊沢やRAYBRIG牧野らが、そして26周目にはRed Bull MOTUL MUGENやWAKO'S 4CR GR Supraらと同じタイミングで首位KEIHINが入り、43秒の静止時間で塚越広大にステアリングを託す。

 その2周後に逆転を期した38号車ZENTが戻ってくると、42秒ジャストとライバルに対し約1秒のマージンを稼いで石浦宏明を送り出すも、アウトラップで攻めのドライブを見せたKEIHIN塚越がコールドタイヤの石浦を捕まえ、3コーナーまでに首位の座を取り戻す。

 その同じタイミングで、ヘアピンではARTAの福住仁嶺が24号車リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rの高星明誠と接触し、ともにダメージを追ってピットへと戻る事態に。

 ルーティンを終えた上位勢は、30周を過ぎて首位のKEIHIN塚越が3秒のマージンを築き、ZENT石浦、Red Bull MOTUL MUGEN笹原右京、Modulo大津弘樹のトップ4に。その背後では、カルソニック IMPUL佐々木大樹以下が数珠つなぎのバトルを展開。31周目にはカルソニック IMPUL佐々木がModulo大津に代わって4番手に上がってくる。

 ファーストスティントの伊沢に続きペースの上がらない大津は、続く35周目にはダウンヒルストレートで次々と後続に並ばれ、アウトから14号車WAKO'S 4CR坪井 翔に、インから23号車MOTUL AUTECH松田次生に一気にかわされ、最終セクターでは82kgのウエイトハンデを抱える36号車au TOM'S GR Supraの関口雄飛にも前に出られてしまう。

 レース終盤に向かう40周を前に、懸念された雨はなくセカンドスティントを担当するドライバーはタイヤマネジメントに集中する局面を迎えると、やはり10番手までドロップしていたModulo大津が緊急ピットで2度目となるタイヤ交換へ。

 38周目のV字コーナーではGT300のマシンと接触しながらも、WAKO'S 4CR坪井が4番手に上がると、かわされた12号車カルソニック IMPUL佐々木のマシンは不調を抱えたかスローダウンし、そのまま後続に飲み込まれてしまう。

 中段の混戦はさらに続き、43周目に100号車RAYBRIGの山本尚貴をパスした37号車のKeePer TOM'S GR Supraニック・キャシディは、その勢いでチームメイトの36号車au TOM'S関口に迫ると、5コーナーで中途半端な飛び込みを見せGR Supra同士で接触。2台ともにマシンを止めるほどではなかったものの、このアクシデントで36号車のリヤカウル(シューボックス)がライン上に脱落したことから、デブリ除去で2度目のSCが導入される。

 これですべてのギャップが帳消しとなり、51周突入時点で最後の肉弾戦が再開されると、首位のKEIHIN塚越が約2秒のマージンを作って逃げを打ち、2番手ZENT石浦の背後には、3番手Red Bull MOTUL MUGEN笹原とWAKO'S 4CR坪井が迫ってくる。

 さらに5番手を争っていたMOTUL AUTECH松田とRAYBRIG山本は、53周目の3コーナーでインを刺した山本に軍配が上がり、ポジションが入れ替わる。

 続く周にはさらにその後方でGR Supra同士の仁義なきバトルが勃発し、36号車au関口がヘアピンで8番手に下がると、55周目には5コーナーで先程のお返しとばかりに37号車KeePerキャシディのインに並び、そのままサイド・バイ・サイドで立ち上がる。しかし、窮屈になった分だけ車速の伸びが鈍ったau関口は、続く130Rで後方のDENSO中山にもかわされ10番手に下がることに。

 第2戦の勝利で46kgのウエイトハンデを搭載しながら、終盤は悠々のクルージング体制に入ったKEIHIN NSX-GTは、ランキング首位浮上に成功する今季2勝目を獲得。2位には今季初表彰台のZENT GR Supraが続き、3位にはRed Bull MOTUL MUGEN笹原が入りホンダ勢が2台ポディウムへ登壇する結果となった。

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