エアコン&電動パワステ装備のL型フルチューン仕様
「Zの柳田」がベタ褒めする動力性能と快適性
“復活製作販売”をキーワードに、どこにも負けない本格的レストアとL型エンジンチューンに徹底的に拘ってきた“スターロード”。Z33純正のモンテレーブルーで美しく彩られたこのS30Zは、そんな老舗が腕を振るった最新スペックのオーナーカーだ。
光り輝くL型エンジンは、肉厚がある初期型のN42シリンダーブロックを軸に構築。1本キー溝加工や後端フランジ短縮加工を施したLD28クランクシャフト、ASW鍛造89φピストン&H断面コンロッドを組み込むことで、排気量は3.1Lまで高められている。シリンダーヘッドも作用角300度のハイカムの投入を軸に徹底チューンを施すことで、NAながら最高出力は320psに達しているというから恐れ入る。
キャブレターはφ44ソレックスで、フューエルデリバリーも美しく作り込まれる。排気系はステンレス製の48φ等長タコ足や80φマフラーが装着されており、回転を高めれば高めるほど官能的で刺激的なサウンドが楽しめる。
足回りは、スターロード謹製のフルタップ車高調キットでセットアップ。オリジナルホイールのグロースターは前後とも15インチで、フロント9.5Jマイナス37、リヤ10Jマイナス53という超ディープリム仕様だ。
インテリアはノーマルの雰囲気を残しながら、電動パワステやオリジナルエアコンキットなどを投入して快適性をアップデート。メーターはデフィのアドバンスBFに変更されているが、タコメーター部分には80φの外周リングをセットしているため、インストールに違和感は一切ない。ミッションはR32スカイライン純正5速仕様だ。
エクステリアは最新の『Fighter.2(ファイター2)』でフル武装。2022年発表のプロトタイプからフロント&リヤバンパーのデザインを改良し、そのラインに合わせてオーバーフェンダーを前作比で片側15mmナローとしている。
試乗インプレッションを担当したのは、「Zの柳田」の異名をとる伝説のレーシングドライバーにしてセントラル20代表の柳田春人氏。
「もっとガチガチの足をイメージしてたんだけど、結構ストロークがあって乗り心地も良いじゃない。何より感心したのはパワステ。当時には無かった電動式だけど、ワインディングでも違和感は皆無。R32スカイライン用の5速MTもフィーリングが良くて、仕上がりの良さに色んな意味で驚いたよ」。
「3.1Lエンジンのパワー感は、恐らく往年のレースカー以上なんじゃないかな。キャブ車にありがちなヒール&トゥをした時の息継ぎ感が無いのも流石で、時間を費やしてしっかりセッティングしていることが分かるよ。いつも乗せてもらっているニスモのZ(S30レースカー)よりも調子良いレベルだし、機会があれば是非サーキットで全開にしてみたい! スタイルこそS30だけど、快適性や動力性能は現行スポーツカー並みだよ」。
レース界の重鎮をも納得させる完成度。旧車の刺激を維持しながら、トラブルフリーで快適に乗り回せる。スターロードならではのノウハウが凝縮されたスーパーチューンドと言えるだろう。
●取材協力:スターロード 東京都江戸川区北小岩8-23-1 TEL:03-5668-5675
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