キャンプやアウトドアでも使える、実用性が人気
近年、やけに軽トラカスタムが熱くなっている感があるが、実は軽バンだって負けてはいない。かつて、ドレスアップ=車高短最高! だった時代にはベース車としてはマイナー車であったが、スタイルが多様化した今では、リフトアップしたり、キャンプ仕様にしたりと、なかなか味のある楽しみ方が出来ると人気急上昇。
意外なほど多様なカスタムを受け入れる懐の広さがあり、しかも実用性はバッチリで使い勝手も良好。趣味とクルマを両立したいオーナーにはピッタリのベース。今回は、そんな軽バンカスタムをガッツリ楽しむオーナーたちをご紹介。
1)サニーTS顔をステッカーで再現×TV2サンバーバン
70年代、サーキットで活躍していた日産・サニー B110系は、数多くの改造車好きを熱狂させた。当時小学生だったオーナーもその一人。あの時のサニーTS仕様を作ったら面白いんじゃないか。そう考えた時に、「アルトとか、レースに使っているハッチバックだと、ちょっと面白くないかな」と思うのが、彼のユニークなところ。ベース車として選んだのが、B110サニーとは似ても似つかないサンバーバンだ。 元々、サーキットでカート走行をする時のトランポとして使いたかったため、内装が広くて荷室がフルフラットになるのが魅力的。それに加えて「この車種でサニーTS仕様?」の意外性が半端無く、オーナーにとっては理想的な車種であった。
さて、あまりにかけ離れたサンバーバンをサニー風に見せるためには、サニーらしさを強調させることが必須。そこで110サニーのヘッドライトやグリル、テールランプを装着してコンセプトを主張する。が、ここでもまたひとひねり。純正パーツを移植するのではなく、なんと各パーツの写真をプリントしたオリジナルステッカーでそれっぽく見せている。
「顔面移植はやっている人が多いから。あえてステッカーというのも、ふざけた感じがしていいんじゃないかと思いました(笑)」。
レース仕様には欠かせないスクエア型のフロントスポイラーと、ダックテール形状のリアウイングはFRPでワンオフ。スポイラーとドアの間にわざと隙間を作って、昔風の「ちぐはぐな感じ」を表現するなど、芸の細かさが光る。
フロントバンパーは「リフレクターがウインカーのように見えた」バモス純正リアバンパーを使い、鉄バンパー風にアレンジ。
「サーキットで最も目立っていたクルマがオレンジだったので」、ソリッドのオリジナルオレンジで全塗装。ペーパーやポリッシャーで徹底的に磨きをかけ、キリッとホワイトラインをあしらえば、いかにもそれっぽい雰囲気に。
2)デリカD:5アクティブギア風に×U62Vミニキャブバン
それまで、「クルマは下げる以外、考えられないと思っていた」。が、大工の仕事で現場に行ったり、子供が生まれて保育園の送迎が必要になったりすると、車高短では色々と不都合も生まれてくる。「ちょっとだけ落としても、やっぱりカッコ良くないって思っちゃうんですよ。でもイジりたい。じゃあどうするって考えて、逆の発想でアゲちゃえばいいんじゃないかと思ったんですよね」。 それまで乗っていたミニカを手放して、ベースに選んだのはミニキャブ。顔を見たときに、ふと「嫁が乗ってるデリカD:5に顔が似ている」と気付く。そこでD:5風にカスタムしたら、ツインズ仕様で楽しめるとひらめいた。 フロントバンパーはD:5純正を使用。当然サイズは全く違ったが、切って詰めてなんとか合わせ、どの角度から見ても違和感のないように、ラインや角度にもこだわってフル加工。
グリルはさすがにD:5用を加工するのは難しいと判断し、似たテイストのJB23ジムニー用を使って、ミニキャブ純正とニコイチ。フォグはスズキ車用の丸フォグを移植して、D:5風の装いを磨く。
純正黒ボディにオレンジを差したのは、アクティブギア仕様を狙ってのこと。目指したのは、あくまでも純正風。もしもミニキャブにアクティブギア仕様があったなら、それはきっとこんなカタチ。
3)ハケで全塗装したアウトドア仕様×S331Bサンバーバン
もともとはシャコタン好き。年を経て家族ができ、「みんなでどこでも行けるクルマ、でもカスタムはしたい」というコンセプトを掲げ、思い切ってアゲスタイルへと舵切を切った。
キャンプに似合いそうなアイボリーカラー。サンバー(もしくはハイゼット)ユーザーであれば設定色にないのはすぐお分かりだろう。そう、全塗装している。しかもハケ塗りで!
「友達の家に転がっていた塗料を使っているので、材料費はほぼゼロ。簡単なマスキングであえて“雑”に塗ってます。ジムニーで山アソビしている人はそういう塗り方で補修(?)している人もいるようで、そのイメージですね」。
オーナーはもともとキャンプ好きで、ソロキャンプもすれば家族キャンプもするという。そんな時、積載量に余裕のあって経済的な軽バンはストライクのベース車だったという。2段式のラックは合板をカットしてDIY。純正オプションのラックも助け、ご覧の通り効率のいい荷積みができている。
そもそもキャンプ、ひいてはアウトドアが好きになったのは、オーナーの両親の影響。幼少時代に山や川原にキャンプへ連れて行ってもらい、その時の経験を自身の子どもに伝えている。そしていま、そのお子さんもアウトドアライフを楽しんでいるという。これぞ、カーライフの楽しみかたのひとつといえる。
4)レトロ可愛いキャンプ仕様×DA64Vエブリイ
メインのクルマは他にあるが、キャンプをしたくてエブリイを購入。この車種を選んだからには「商用車のチープさは無くさずに乗りたい」と考え、大幅に手を入れることはしていない。 それでもノーマルのままでは乗れないドレスアップ魂を持つオーナー。しかも「アゲがラクなことはわかっているけど、やっぱり車高短じゃなきゃダメなんです」と、山に行く用にもかかわらず、「たまたま家に転がっていた」ラパン用の車高調でローダウンを決める。
12インチの鉄ちんはサンバー純正品。キャンディレッド&キャンディブルーに自家塗して、左右で色違いを履き分ける。ムーンアイズのホワイトリボンタイヤを合わせ、レトロ可愛い雰囲気に。
ルーフキャリアは「キャンプの時に便利だし、あった方が可愛いかな」と装着。市販品では面白みがないと、自ら図面を引き、溶接部はプロに任せ、板張りなどはホームセンターで杉の板を買って来てDIY。極力ルーフと同じ幅になるようデザインしたのが特長で、オリジナルのユーロプレートをフェアリング風にあしらうセンスも光る。
5台並んだ「アゲエブリイ」のインパクト!
ハスラー&フレアクロスオーバーのオーナーが集まったユニット【カスタムホリック】。メンバーは凄腕揃いで、かつて3台のアゲハスラーを連ねて、Kスタイルの表紙を飾ったこともある。その3人を中心に、今度はエブリイのカスタムに挑戦。一人がやり出したら、追随する仲間が増えて、チーム内にはアゲ系エブリイが増殖中。
5)マットカラーで渋くまとめる×DA64Vエブリイ
ボディ色はタカラ塗料のマットカラーで自家塗装し、バンパーやグリルガードはチッピング風のラプター塗装を施しタフな印象に。
グリルガードは昔のジムニーシエラ純正。ルーフラックは一番バランスの良かった純正オプションを選び、ラプター塗装を施してグレードアップ。ルーフマーカーも存在感抜群。
6)ファイナルビーストのパーツでコーディネイ×DA64Vエブリイ
新型シエラを予約し、納車待ちの間のつなぎとして父親から17エブリイを譲り受けて乗っていたところ、仲間たちに刺激を受け、シエラをキャンセルしてエブリイをフルノーマルから一気にカスタム。
ファイナルビーストのバンパーガードやタフレックのリアラダーなど、スチールアイテムが似合うワイルドな装い。
7)目に飛び込むオレンジと我流技で勝負×DA64Wエブリイ
差し色のオレンジが鮮やかに目を惹く。ヘッドライトにはIPFのフォグカバーを自作加工してインストール。その下にラジコン用のワタナベホイールを投入する遊び心。
他にもボンネットにカプチーノ純正トランクキャリアを付けてみたり、ルーフにはボート運搬用の可動式キャリアをセットしたりと、人とは違うオリジナル技が多数!
8)ニコちゃんマークがルーフに連なる×DA64Wエブリイ
アスリートの4インチアップキットとKLCのバネで5インチのリフトアップ。グリルガードはJB23用を加工し、スーリーのルーフキャリアにはFJクルーザー用の5連ライトバーを加工装着する。
フェンダーはファイナルビーストのオバフェンで、60ミリのワイド化。ホイールはTC01。明るいブルーで彩り、足元を華やかに。
9)生粋のエブリイ好きがアゲに初挑戦×DA64Wエブリイ
64エブリイが好きで、5~6台乗り継いできたが、これまでは全て車高短。今回初めてリフトアップに挑戦。
プラスラインの4インチのリフトアップキットにエスペリアのサスを追加し、合計5インチアップを実現した。「サゲもいいですが、アゲは見た目の迫力が凄い。乗り心地もいいですね」。
【写真】紹介した9台の詳細カット(160点)
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みんなのコメント
よくここまでいじったなと感心する。
良し悪しはおいといて、面白い。
サニーよりレオーネの顔を目指せばいいのに。