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カングーやベルランゴに劣らぬ実力 フォード・トルネオ・クーリエへ試乗 数字以上にキビキビ走る

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カングーやベルランゴに劣らぬ実力 フォード・トルネオ・クーリエへ試乗 数字以上にキビキビ走る

オシャレな見た目のワンボックスが登場

シトロエン・ベルランゴが、絶大な支持を集めた時期が英国にはあった。コンパクトなボディに大きな積載能力を備え、ファミリー層を喜ばせた。ところが近年はクロスオーバーが台頭。人気には陰りが出ている。

【画像】数字以上にキビキビ走る フォード・トルネオ・クーリエ 同クラスの欧州製ワンボックス トランジットも 全122枚

しかし、フォードはこの市場にまだ可能性があると考えたらしい。新しい、トルネオ・クーリエが発売された。

フォードのワンボックスには、商用バンのトランジットもあるが、トルネオは乗用車仕様。クーリエの全長は4337mm、全幅が1800mm、全高は1827mmで、新しいルノー・カングーよりひと回り小さい。

プラットフォームは、コンパクト・クロスオーバーのプーマと同じ。カタチはだいぶ異なるが、ルーマニア工場の生産ラインも共有するそうだ。

ベルランゴにバッテリーEV版のe-ベルランゴがあるように、トルネオ・クーリエにも駆動用モーターで走る仕様が追加予定。だが2024年中は、1.0L 3気筒ガソリンターボエンジンのみの設定で、6速MTか7速デュアルクラッチATが選べる。

フロントマスクは、クロスオーバーのフォード・エクスプローラー似。ピラーがブラックに塗られ、ツートーンのルーフを備え、四角い見た目はかなりオシャレだと思う。実用主義な雰囲気とは、一線を画す。

インテリアのデザインも見栄えが良い。ダッシュボードには、メーター用モニターとインフォテインメント用タッチモニターが標準装備される。シートは小ぶりに見えるが、身長の高い大人でも座り心地は良いようだ。

車内空間は広大 内装の質感はいまひとつ

ただし、見た目ほど内装の印象が良いわけではない。硬質なプラスティック製部品が多用され、上質さでは同クラスのハッチバックに届いていない。小物入れは数が多いものの、形状が浅く、使い勝手は余り良くないかもしれない。

フロントガスの上部には、底の部分に穴が開いた荷物棚がある。強度は高そうだが、これも容量は小さめといえる。

荷室には、クルマから降ろせる小物入れがある。取り外して掃除できるから、泥で汚れた長靴やアウトドア・アイテムを積むのに丁度いい。センターモニターの横の穴は、スマートフォンのホルダーを固定するためらしい。

リアシート側の空間は広大。スライドできないが、背もたれは60:40で倒せる。ISOFIXのチャイルドシート用金具は2脚ぶん。荷室容量は、トノカバー下で570Lと大きい。リアシートを畳んで前方へスライドすれば、2162Lへ拡大できる。

3列シートが必要なら、ボディの長いトルネオ・コネクトを選ぶことになる。こちらはフォルクスワーゲンと共同開発された、別のモデルだ。

エアコンは、タッチモニターのサブメニュー内。実際に押せるハードボタンが並ぶものの、機能を網羅しているわけではない。音声操作システムも実装されるが、結局はタッチモニターを触れるよう指示されてしまう。

2025年に登場するバッテリーEV版には、大画面のタッチモニターが装備され、エアコンのメニューが常時表示されるとか。コスト上の理由なのか、内燃エンジン版には搭載予定はないらしいが、選べた方が良いだろう。

数字以上にキビキビ 想像以上に運転が楽しい

シンク4と呼ばれる、インフォテインメント・システムは優秀。表示されるアイコンは大きく、反応は素早く、ショートカットキーも便利。メニュー構造も覚えやすい。アップル・カープレイとアンドロイド・オートには、無線で対応する。

英国仕様では、カーナビ機能とアダプティブ・クルーズコントロール、フロント・パーキングセンサー、合成皮革巻きのステアリングホイール、電動ミラーなどはオプション。一式で、960ポンド(約18万円)のパッケージになっている。

確認を終えて発進させると、トルネオ・クーリエは想像以上に運転が楽しい。印象としては、クロスオーバーのプーマに似ている。最高出力は124psで、0-100km/h加速は13.0秒かかるものの、数字以上にキビキビとしている。

少し唐突に繋がるクラッチへ慣れれば、6速MTの印象も素晴らしい。小気味よく次のギアを選べる。7速ATは、アクセルペダルを緩めると積極的にシフトアップする傾向があり、速めに山道を走らせる場面ではギクシャクしがち。しかし、全般的には滑らかだ。

なお、商用車仕様も存在し、そちらには100psの1.0L 3気筒ガソリンターボか、100psの1.5L 4気筒ディーゼルターボが載る。短時間ながらディーゼルターボを試乗したが、これも充分力強い。トルクが太く、250kgの荷物を載せた状態で快適に運転できた。

コスパ高し 好ましい選択肢が追加

乗り心地はカーブでも落ち着きがあり、手応えの良いステアリングホイールへ、優れたグリップ感が伝わってくる。軽快な運転を、しっかり支えている。大きなドアミラーと高いルーフで、風切り音は聞こえるものの、高速道路でも騒がしいとは感じなかった。

試乗したルートでは、運転支援システムを充分に試せなかったが、フォードの他モデルと同様に仕事ぶりは優秀といえそうだ。車線維持支援システムと速度制限警告システムは、ボタンを押せばオフにできる。

生産が終了したフィエスタを補完するモデルになるという噂もあったが、英国価格はお高め。2万5865ポンド(約481万円)からで、直接置き換えることは難しいだろう。

だが、実用性の高さを考えれば、納得できる設定といえる。装備で劣るベルランゴより、コスパは良い。

7シーターのダチア・ジョガーという強敵が、欧州にはいる。そちらはトップグレードでも2万595ポンド(約383万円)からだが、高速道路での洗練性や運転支援システム、リアシートの広さなどを考えると、トルネオ・クーリエの価格にはうなずけると思う。

内装の質感はいまひとつで、使い勝手ではライバルへ多少及ばないかもしれない。しかし、車内空間は充分に広く、運転体験は褒められる。英国では、内燃エンジンで走るベルランゴや、ルノー・カングーを選べない。好ましい選択肢が増えたことを喜ぼう。

◯:プーマに似た運転体験 広大な車内空間 快適なシート
△:安っぽく感じる内装 サブメニュー内のエアコンのインターフェイス インテリアの使い勝手

フォード・トルネオ・クーリエ・チタニウム(英国仕様)のスペック

英国価格:2万5865ポンド(約481万円)
全長:4337mm
全幅:1800mm
全高:1827mm
最高速度:175km/h
0-100km/h加速:13.0秒
燃費:14.9km/L
CO2排出量:152g/km
車両重量:1517kg
パワートレイン:直列3気筒998cc ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:124ps/6000rpm
最大トルク:33.5kg-m/1750-2500rpm
ギアボックス:6速マニュアル/7速デュアルクラッチ・オートマティック(前輪駆動)

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みんなのコメント

2件
  • rao********
    「この記事に出てきたクルマ ホンダ トルネオ」
    なんでやねん
  • dam********
    NV200も海外だとディーゼルターボや1500ccガソリンしかもMT有るんだよな
    国内では1600㏄ATだけなんて…乗用タイプ有るけど2000㏄税金何で止めた
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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