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BEVのワゴン「A6アバント eトロン コンセプト」発表。次期量産モデルはほぼこのままで登場か。Q6の存在も示唆

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BEVのワゴン「A6アバント eトロン コンセプト」発表。次期量産モデルはほぼこのままで登場か。Q6の存在も示唆

2022年3月17日、アウディAGはステーションワゴンのコンセプトモデル「A6アバント eトロン コンセプト(Audi A6 Avant e-tron concept)」を発表した。スポーツバックの電気自動車(EV)A6 eトロンコンセプトに続くモデルで、2024年の正式発表を予定する。

量産モデルのデザインはほぼこのまま、というが・・・
SUVタイプの「eトロン」や4ドアスポーツタイプの「eトロンGT」、コンパクトSUVの「Q4 eトロン」など、BEV(電気自動車)を積極的に展開してきたアウディの電動化戦略は、2024年が大きな転換点になるかもしれない。その重要な年に登場するのが、今回エクステリアデザインと概要を公開された「A6アバント eトロン コンセプト(A6 Avant e-tron concept)」の量産モデルだ。

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実はこのコンセプト、1年近く前の2021年4月に上海モーターショーで公開された「A6 eトロン コンセプト」のアバント(ステーションワゴン)版なので、フロントマスクに見覚えのある人もいるだろう。アウディのブランドアイコンとなっているシングルフレームグリルは、開口させずに電気自動車らしく盾のようなデザインで取り入れられている。黒く縁取りすることで「クローズドシングルフレームグリル」をさらに強調しているのだという。

その両脇にはドライブトレーンやバッテリー、ブレーキを冷却するためのエアインテークを備え、上にはデジタルマトリクスLEDフロントヘッドライトを配置する。ボディデザインはおよそ95%完成しているということなので、量産モデルもほぼこのままの形で登場するようだが、コンセプトである現段階においての超薄型なヘッドライトは、量産モデルでさらに細くなる可能性を残しているというから驚きである。

水平基調なフロントマスクの印象は、ボディサイド、そしてリアに目を移しても続く。とくにアバントになったことで、この印象をさらに強調されているように見える。なかでもガラス面の上をAピラーの付け根からルーフ後端のリアスポイラーにかけて走るアルミ調のラインを配置することで、アバントボディを長く、そして低く見せるトリックとしているのだ。

リアエンドのテールランプは横一文字のデザイン、そしてデジタルOLEDエレメントと3次元アーキテクチャーにより、夜間にはボディ全体のイメージが浮かび上がるようなライティングデザインを可能としている。いずれにしても従来のアウディモデルとは一線を画しながら、A6らしさを残した革新的デザインである。

eトロンGTとは異なる、新開発PPEプラットフォームを採用する
もうひとつの革新はプラットフォームにあり、先に「大きな転換点かもしれない」と書いた理由もここだ。従来の電気自動車であるeトロン(SUV)にはガソリンエンジン車と共通するMLB evoが、eトロンGTにはJ1が、そしてコンパクトなQ4 eトロンにはMEBが採用されてきたが、今回のA6アバント eトロン コンセプトには新開発の電気自動車専用プラットフォーム「PPE(プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック)」が採用される。

その特徴は幅広いボディサイズに対応する柔軟性で、A6アバント eトロン コンセプトの属するEセグメントを頂点に、Cセグメント(A3クラス)やBセグメント(A1クラス)までをカバーするという。しかも、背の高いSUVタイプ(Qシリーズ)にも対応するのでPPEファミリーは相当に大きなものとなりそうである。従来からのMEBとセグメントがかぶることも考えられるが、その理由は今後明らかとなっていくだろう。

このPPEに搭載されるバッテリーシステムはeトロンGTやポルシェ タイカンと共通する高電圧800V、270kWの急速充電に対応し、10分間で300km分の充電を可能とする。前後アクスルの間、ボディ中央に搭載される100kW容量のバッテリーを満充電にすることで航続可能距離はおよそ700km(WLTP基準)にもおよび、ガソリンエンジン車とほぼ同等の数値を実現する。この距離はeトロンGT(Cd値0.24)よりも優れた空力性能を持っているためで、スポーツバックで0.22だったCd値をさらに0.02上回るものだという。

駆動方式はRWDと4WDの両方が用意される。後者は前後アクスルそれぞれにモーターを配した電気式4WDで、リアモーターはeトロンGTと同様に2速AT仕様となることが公表されている。システム総合による最高出力で350kW(約476ps)、最大トルクで800Nmを発生して0→100km/h加速は4秒を切るから、かなりのハイパフォーマンスアバントとなるのではないだろうか。

と、ここで気になるのは、次期「A6」は電気自動車専用プラットフォームPPEを採用し、ガソリンエンジンを含むICE(内燃機関)搭載車は消滅してしまうのか、ということだ。これについての回答は「YES」だ。PPEは電気自動車専用である以上、ICE搭載車は存在しない。

ただ、A6 eトロン登場予定の2024年をアウディは「電気自動車メーカーになるための移行期」としており、充電インフラ整備の整っていない市場向けにICE搭載モデルを追加、併売していくという。現行のA6をブラッシュアップしながら継続して販売するのか、はたまたフルモデルチェンジするのか興味深い。

冒頭でも書いたが、このA6アバント eトロン コンセプトおよびA6 eトロン コンセプトの量産モデル発表は2024年を予定している。インテリアもその時公開されるとのことなので期待しながら待つほかない。

ただ、PPEはひと足先に別のモデルに採用され、A6 eトロンより数カ月前に登場するという。そのモデル名は「Q6 eトロン」。A6と同等のEセグメントクラスのSUVであることは間違いなく、これまでのパターンに則ればクーペルックのSUV「Q6スポーツバック eトロン」の登場も考えられる。こちらも期待大だ。

[ アルバム : A6アバント eトロンコンセプト はオリジナルサイトでご覧ください ]

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