■510万円の「最安アルファード」どんなモデル?
トヨタ「アルファード」と「ヴェルファイア」は、ラージサイズのボディを備えたミニバンの上級車種です。
両車は基本部分を共通化しながら、アルファードは内外装を豪華に仕上げたのに対し、ヴェルファイアはフロントマスクなどがスポーティなデザインにアレンジされ、ボディ剛性も高めた個性派モデルとしました。
【画像】超カッコいい! これが「一番安いアルファード」です! 画像で見る
このアルファードとヴェルファイアの改良が2024年12月に発表。既存のグレードについては、ドライブレコーダーを備えたデジタルインナーミラーを全車に標準装着するといった変更が行われたほか、価格が変更され、「アルファードZ」「ヴェルファイア Zプレミア」は15万円、各「エグゼクティブラウンジ」は10万円値上げされました(価格は消費税込み、以下同)。
さらにアルファード、ヴェルファイアともに、最上級のエグゼクティブラウンジにPHEV(プラグインハイブリッド)が追加され、1回の充電で73km(WLTCモード)のEV走行が可能となります。価格はハイブリッドの同グレードに比べて183万円高く設定されました。
ほかにも、アルファードに「ハイブリッドX」という新グレードが加わりました。価格は2WDが510万円と、ハイブリッドを搭載しながら、価格が最も安く抑えられたベーシックなグレードとして投入されます。
ハイブリッドXとハイブリッドZと比べると、大きな違いに2列目シートがあります。Zでは豪華なセパレート(左右独立)タイプのエグゼクティブパワーシートが装着されますが、Xでは3人掛け・ベンチタイプのチップアップシートに変わり、乗車定員は7名から8名に増えます。
ハイブリッドXでは装備も簡素化され、昼間でも点灯するデイタイムランニングランプ、曲がる方向を照らすコーナリングランプ、ハイビーム使用時でも対向車などの眩惑を抑えるアダプティブハイビームシステム、ステアリングヒーター、3人分の運転姿勢を記憶できるマイコンプリセットドライビングポジション、リアゲートの電動開閉機能、デジタルキー、前席のベンチレーションと電動調節機能などが省かれました。
さらにZのディスプレイオーディオは画面サイズが14インチですが、Xでは9.8インチに小さくなります。スピーカーの数も10個から8個に減り、アルミホイールのサイズも、Zは18インチですがXは17インチです。
アルファードハイブリッドX・2WDの価格は前述のように510万円で、ハイブリッドZ・2WDの635万円に比べると125万円安いです。ただし装備にそこまでの差はありません。
2列目シートの価格換算額が45万円、簡素化された各種装備の価格換算額が55万円で、合計100万円が妥当でしょう。それが実際はXが125万円安く設定され、Xはアルファードの“買い得グレード”として割安感を強調しているといえそうです。
先代アルファードも、一番安価なグレードとして、2列目がベンチタイプのXを設定していました。
また現行型が用意する福祉車両の「ウェルキャブサイドリフトアップチルトシート装着車」には、一般グレードとは異なる「G」が設定され、Xで省かれたアダプティブハイビームシステムなどは装着されています。
つまり本来のアルファードは、最上級のエグゼクティブラウンジ、上級のZ、中級のG、ベーシックなXという4グレード展開と考えられていたはずですが、しかし全てのグレードを一気に発売すると受注が膨大に増えるため、2023年6月の発売時点では、エグゼクティブラウンジとZに限定していたという事情がありました。
■受注再開したものの、人気すぎてもう買えない!?
新たに追加されたハイブリッドXについてトヨタの販売店に聞いてみました。
「Xは大切なグレードです。アルファードではハイブリッドが人気ですが、Zの価格は600万円を超えます。かなり高額ですが、Xであれば、(価格が510万円ですから)購入しやすくなります」
2列目がベンチシートとなり、キャプテンシートに比べて豪華さに欠けると思いますが、ユーザーの評判はどうでしょうか。
「2列目のベンチシートを希望するお客様も多いです。赤ちゃんのオムツを替える時などにベンチシートは便利です。
また3列目を格納して大きな荷物を積む場合、2列目がベンチシートなら、1列目と2列目で5名乗車もできます。
アルファードは室内幅がワイドなので、3人掛けでも窮屈に感じません」(トヨタ販売店スタッフ)
このコメントにある通り、ベンチシートの2列目は、セパレートシートに比べて実用性が高いです。1/2列目をリクライニングさせて連結するフルフラットシートにアレンジした時も、2列目がベンチシートであれば、デコボコが抑えられて快適に休息できます。
さらにアルファードXの2列目ベンチシートには、座面を持ち上げて前方へ大きくスライドさせるチップアップ機能も備わるため、3列目の格納と併用すれば、車内の中央から後方を大容量の荷室に変更できます。ベンチシートのXには、セパレートシートの上級グレードとは異なるシートアレンジが備わっているのです。
ただし、購入については注意が必要です。
販売店スタッフは「アルファードとヴェルファイアは、納期が著しく長引いた結果、受注を停止していました。改良したタイミングで受注を再開しましたが、待っていたお客様も多く、弊社では短期間で受注枠が埋まり再び受注の停止に至りました」とコメント。
対策を尋ねると「予め販売店に問い合わせて、受注が再開したら、即座に教えてもらうと良いでしょう」と返答されました。
アルファードとヴェルファイアは、改良で買い得なXや電気自動車としても使えるPHEVを加えたのですから、生産枠も増やして納期を適正化して欲しいものです。
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みんなのコメント
今の車は無駄な装備が多すぎる。