■惜しまれつつ消えていってしまうクルマたち
新しいクルマが誕生する影で、消えていくクルマがあるのは避けられません。
理由はさまざまですが、決定的なのは売れなくなってしまったことです。どんなに人気があるクルマでも、長く販売しているとライバルに対して、時とともに魅力が薄れてしまうのは仕方ないことでしょう。
そのためにモデルチェンジをおこなうわけですが、できない事情もあるようです。
そこで、令和元年の2019年に生産が終了するクルマを5車種ピップアップして紹介します。
●トヨタ「エスティマ」
かつてミニバンは、1BOXタイプのバンをベースとしたモデルから始まりました。そうしたなか、1990年に、専用設計されたシャシのミニバンであるトヨタ「エスティマ」が発売。
丸みをおびたスタイルから、トヨタは「天才タマゴ」というキャッチコピーで宣伝しました。
3列シートの7人乗りで、エンジンを前席下付近に配置したミッドシップ・リアドライブ(MR)とすることで、フラットな室内を実現するなど、先進的なミニバンでした。
しかし、販売台数では後発のホンダ「オデッセイ」のほうが勝り、2000年発売の2代目ではオーソドックスなFFとなります。
そして、2006年に現行モデルの3代目にモデルチェンジすると、改良が重ねられいまに至ります。なかでも2016年のマイナーチェンジでは、フロントマスクの大幅な変更と、先進安全装備の拡充が図られるなど、発売10年でビッグマイナーチェンジということで大いに話題となりました。
ところが、エスティマの販売は低迷し、2019年10月に生産終了という情報が報じられました。これ以上のアップデートは、古いシャシでは難しいということでしょう。
エスティマの車格は「アルファード/ヴェルファイア」と「ノア/ヴォクシー/エスクァイア」の間になりますが、このポジションにライバルは少ない状態なので、言い換えればニーズも少ないということなのかもしれません。
●トヨタ「マークX」
トヨタ「マークX」の先祖は、1968年に「コロナ」から分派した「コロナマークII」です。
そして、1984年に発売された5代目以降、車名からコロナが取れて「マークII」となり、2004年にはマークXになりました。
現行のマークXは2009年に発売された2代目で、コロナマークIIのころから一貫してフロントエンジン、リアドライブというFR駆動を守っています。
マークXは派手すぎないデザインで大人向けのセダンとして人気がありましたが、近年のSUVやミニバンの人気に押されて販売台数は低迷。
そして、トヨタは2019年12月をもって生産終了を発表し、同時に特別仕様車「マークX 250S ファイナルエディション」を発売しました。
プレミアムカー以外では数少ないFRセダンが、また1台消えてしまいます。
●日産「キューブ」
1998年、日産「マーチ」のコンポーネントを流用したトールワゴン「キューブ」が発売されました。2列シートのミニバンというイメージで、コンパクトながら広い室内空間で人気となります。
そして、2002年には、キューブという名にふさわしい「箱型」と曲線を上手く組み合わせたデザインの2代目が発売され、大ヒットを記録します。
とくに、左右非対称のリアゲートが斬新で、海外からもデザインが高く評価されます。2003年に派生車として3列シート化された「キューブキュービック」を発売し、これも大いに話題となりました。
2008年にはデザインを先代からキープコンセプトとした3代目が発売され、シリーズ初の海外市場での販売も始まります。
その後10年以上フルモデルチェンジされず、販売が続けられていましたが、先進安全装備を搭載することはなく、商品力の低下は避けられませんでした。
近年は販売台数の低迷が著しく、エスティマと同様にこれ以上のアップデートが困難という判断によって、2019年をもって生産終了することが明らかになりました。
■RVブームをけん引してきた「パジェロ」も消えた
●三菱「パジェロ」
初代三菱「パジェロ」は、同社の「ジープ」よりも快適かつ、オフロードでの高い悪路走破性も両立した本格オフロード4WD車として1982年に発売されました。
1991年発売の2代目では、フルタイムとパートタイムの両4WDシステムの長所をあわせ持つ、世界初のスーパーセレクト4WDを採用。悪路走破性を高めるとともに、ラグジュアリー性を高め、1990年代のRVブームをけん引してきました。
3代目は1999年に発売され、トラックと同様なラダーフレーム構造から、より乗用車に近づいたビルトインフレームのモノコックボディに改良。高い剛性を保ちながら軽量化も実現し、優れた操縦安定性と乗り心地を向上させました。
そして、2006年に登場した4代目は、新たに「アクティブスタビリティ&トラクションコントロール」など、高度な電子制御技術により、さらに走行性能を高めました。
しかし、近年のSUV人気のなかでも販売台数は低迷し、歩行者衝突保護の法規制に適合することも困難という状況でした。
2019年4月に発売された特別仕様車「ファイナルエディション」を最後に、2019年8月をもって国内向けの生産を終え、37年という長い歴史に幕を閉じました。
●フォルクスワーゲン「ザ・ビートル」
フォルクスワーゲンの歴史を語るうえで、欠かせないクルマといえば「タイプ1=ビートル」です。
第二次大戦前の1938年、アドルフ・ヒトラーの国民車構想のもと、天才技術者フェルディナンド・ポルシェの設計によってタイプ1は誕生。
戦後になるとタイプ1は世界中に輸出され、またたく間にベストセラーカーとなります。日本でも「カブトムシ」の愛称で呼ばれるなど人気を博しました。
その後ドイツ本国での生産は終了しますが、2003年までメキシコで生産が続けられるほどのロングセラーになります。
そして、1999年に「ゴルフ」と共通のシャシのFF車「ニュービートル」が発売され、「ミニ」やフィアット「500」など、復刻版ムーブメントの先駆けになります。
2012年のフルモデルチェンジで車名を「ザ・ビートル」に変更しました。しかし、主力の北米市場でもSUV人気が高くなっていることもあり、3ドアのみのラインナップでは販売台数が低迷してしまいます。
そして、さらなる改良は難しいというメーカーの判断から、2019年をもって生産、販売が終了と発表されました。
日本ではザ・ビートルの販売が終了することにともない、特別仕様車「ザ・ビートル マイスター」シリーズを設定し、2018年10月に発売。
タイプ1から数えて80年以上あるビートルの歴史も、ついに終わることになりました。
※ ※ ※
自動車メーカーからすると、ロングセラーなクルマはコスト面で有利になるので歓迎すべきことです。
しかし、安全性能については容易に向上できない技術的な問題もあり、とくに法改正で安全装備の義務化が進むと、対応できないというケースが発生します。
かつて、高性能車も排気ガス規制がクリアできないため、淘汰されたこともありましたが、いまでは復活を遂げています。
優れたデザインやパッケージング、コンセプトでヒットしたクルマなら、復活の可能性があるかもしれません
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