現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ヤリスかフィットかノートなのか? 出そろった最新コンパクト3台のマルとバツ

ここから本文です

ヤリスかフィットかノートなのか? 出そろった最新コンパクト3台のマルとバツ

掲載 更新 18
ヤリスかフィットかノートなのか? 出そろった最新コンパクト3台のマルとバツ

 フィットはファミリー層や愛犬家にうってつけのキャラクターだ

 今、国産コンパクトカーを購入しようとしている人にとって、まさに”買い”の時期だと思う。コンパクトカーに新たな価値を詰め込んだ、ハイブリッドコンパクトと呼べる、この時代の選択肢としてぴったりな電動の新型車が続々と登場し、ある意味、選び放題なのである。

乗るたびに惚れ直す! けっして高額じゃないのに内装がオシャレすぎる軽&コンパクトカー5選

 で、ホンダ・フィットのe:HEV、トヨタ・ヤリスのHV、日産ノートのe:POWERなどをまな板に上げ、価格はどうか、サイズはどうか、動力性能はどうか、装備はどうか、燃費性能はどうか……と、悩んでいるに違いない。

 しかし、そうした項目の比較以前に、忘れてはいけないことがある。それは各車のキャラクターだ。言い換えれば、どんな人に、どんな使い方に向いているか、ということ。

 そんな視点で各車を見ていくと、同じジャンルのハイブリッドコンパクトカーでも、それぞれの違いが明白になっていく。

 まずは、ホンダ・フィット。販売に以前ほどの勢いはないものの、極めて万人向けのコンパクトカーと言っていい。とくにファミリー層、愛犬家にはうってつけのキャラクターの持ち主だ。

 ポイントはまず、薄くほぼ水平のすっきりしたインパネデザイン、シンプル表示の大型TFT液晶メーター、視覚的の抜け感にも貢献する2本スポークステアリング、そして斜め前方視界をまったくジャマしない(その存在に気づきにくいほどの)極細Aピラーだ。実際に運転席に座ると、まさにクルマらしからぬ、ロマンスカー最前列のようなパノラマ視界。新鮮な運転感覚をもたらしてくれる。つまり、誰もが運転席に座った瞬間、運転のしやすさを実感できるのである。

 フィットは歴代、ホンダ独創のセンタータンクレイアウトによって、驚異的な広さの室内空間、シートアレンジ性を実現してきているが、新型でもそれは変わらない。後席居住空間の広さは圧巻で、身長172cmの筆者のドライビングポジション背後で、頭上に120mm、膝まわりになんと320mm!! ものスペースがある。

 この膝まわり空間は、コンパクトカーとして世界最大級で、最新の空間の広さが自慢のノートでさえ、同275mmなのである。また、後席をセンタータンクレイアウトの恩恵で、フロアに沈み込ませるように低く(地上600mm/ステーションワゴンのラゲッジフロアと同等)格納してラゲッジスペースを拡大すれば、リヤドアからの大きな荷物の出し入れはもちろん、犬の乗降も楽々可能になる。コンパクトカーのほとんどは、後席を格納することができるが、ここまで低いフラットフロアになるクルマはそうはない。

 また、めったに使わない、というか使わずに済ませたいSOSコールボタンとともに、日ごろから使えるトラブルサポートボタンもあわせて用意している点も、運転初心者や高齢ドライバーの大いなる安心になるはずである。

 さらに、フィットの場合、BASIC、HOME、NESS、CROSSTARという4種類のそれぞれに個性あるグレードが用意され、自身のセンスにぴったりの1台を選びやすい手助けになるだろう。よって、後席の居住性を重視する人にとって、あるいは運転のしやすさ最優先、大いなる安心を求める人にぴったりなのが、「心地よさ」をテーマに掲げるフィットということなるだろうか。

 ヤリスは前席優先のドライバーズカー要素が強い

 トヨタ・ヤリスは、ある意味、フィットとは正反対のキャラクターを持つコンパクトカーと言っていいかも知れない。キャビンパッケージは前席優先。後席はフィット、ノートと比べ、狭い。2ドアのGRがあるということからもわかるように、標準車であろうと、走りに向いたドライバーズコンパクトということだ。

 確かに、エンジンが3気筒であっても、走りの楽しさ、切れ味に持ち味がある。走り好きな人がシングル、カップルズカーとして使うなら必要十分なパッケージとも言い替えられる。もちろん、HVの燃費性能は、さすが、プリウスで磨いてきた技術が生かされている。

 ただし、後席の居住性、ラゲッジルームの使い勝手という点では、オールマイティーとは言いにくい(フィットなどと比較して)ハイブリッドコンパクトカーでもある。なお、このクラスのハイブリッド車で、アウトドア、災害時などに活躍してくれるAC100V/1500Wコンセント(4万4000円のオプション)を用意しているのは、トヨタのHV、ヤリスだけである。

 一方、ACCの停止保持機能とともに、渋滞時はもちろん、信号待ちの多い市街地走行、スーパーマーケットなどの料金所で絶大なる便利さを誇るオートブレーキホールド機能は、旧来式の足踏み式ブレーキのため、採用されていないのが惜しまれる(フィットとノートには装備/ヤリスクロスには装備されている)。

 また、グレードはX、G、Zの3タイプから選ぶことができる。

 ノートはラゲッジの広さ&使いやすさが抜群

 日産ノートは、電動車としての走りの新鮮度が大きな特徴となる。そう、e:POWER、ワンペダルに代表される、独特の運転感覚だ。また、プロパイロット”1.5”と呼べる、1.0とスカイラインに搭載された2.0の中間的(いいとこ取り)の高速道路同一車線運転支援技術によって、高速走行を頻繁に行う人には、かなりメリットのある1台と言っていい(プロパイロットはセットオプションで約44万円)。

 そして、意外なるポイントが、ラゲッジスペースの広さと使い勝手の良さ。フロア幅、奥行ともに、あのパッケージ自慢のフィットをわずかとはいえ凌ぎ、高さ方向では圧倒。しかも、オプションのラゲッジボードを使うことで、地上高約640mm(世界のステーションワゴンの平均値と同等)の ラゲッジの開口部に段差をなくすこともできるのだ。段差がなければ、重い荷物の出し入れが一段と楽になる理屈。大型犬の乗降もより安全になるのである(段差があると足が引っ掛かってケガをする可能性あり)。

 よって、日産ノートはe:POWERの走りの新鮮さに興味を持つ人にはもちろん、後席、ラゲッジスペースの使い勝手にこだわる人に向いているハイブリッドコンパクトと言っていいだろう。ただし、ノートで残念!? なのは、3グレードあるうち、一般ユーザー向けなのはXグレードだけ、という事実。まぁ、グレード選びで悩まなくていい、とも言えるのだが。

 価格は、これからのクルマ選びでは不可欠な先進運転支援装置の装着状況、内容に照らし合わせて比較すべきだが、トヨタ・ヤリスはトヨタセーフティセンスを全車に標準装備(衝突軽減ブレーキは夜間の歩行者対応)。ブラインドスポットモニターのみオプション。

 ホンダ・フィットはホンダセンシング(衝突軽減ブレーキは夜間の歩行者対応)が全車標準装備ながら、ドアミラー内のインジケーターで後方から接近するクルマを知らせてくれるブラインドスポットモニターの設定はなし(簡易的なものはディーラーオプションであり/ナビ画面に小さく表示)。

 日産ノートに関しては、基本的な先進運転支援装備は標準(衝突軽減ブレーキは夜間歩行者対応)ながら、ACC、ブラインドスポットモニター機能を含むプロパイロットはすでに説明したように、セットオプションで約44万円となるので、そのあたりを考慮して比較していただきたい。そのうえで、価格もさることながら、ユーザーそれぞれに合う1台を見極めることが、もっとも大切であることをお忘れなく。

こんな記事も読まれています

「トイレに行きたいのですが…駐めちゃダメ?」 高速にある「謎のバス停」 SNSでは「一般車が進入していた」の声も どんなルールなの?
「トイレに行きたいのですが…駐めちゃダメ?」 高速にある「謎のバス停」 SNSでは「一般車が進入していた」の声も どんなルールなの?
くるまのニュース
運賃交渉すれば“村八分”にされる? 荷主を過剰に気遣う中小運送の社長たち、本当に守るべきは誰なのか?
運賃交渉すれば“村八分”にされる? 荷主を過剰に気遣う中小運送の社長たち、本当に守るべきは誰なのか?
Merkmal
ホンダ「ADV160」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
ホンダ「ADV160」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
webオートバイ
いやこれは凄いわ……[EV]の歴史に残る一台が韓国から出ている件
いやこれは凄いわ……[EV]の歴史に残る一台が韓国から出ている件
ベストカーWeb
軽自動車ってのが凄すぎる…! 世界に誇れる自動車と言えば[スズキ ジムニー]でしょ! 
軽自動車ってのが凄すぎる…! 世界に誇れる自動車と言えば[スズキ ジムニー]でしょ! 
ベストカーWeb
レッドブル&HRC密着:突貫工事でリヤウイングを修正。マシン性能を出し切っての予選5番手にフェルスタッペンも満足
レッドブル&HRC密着:突貫工事でリヤウイングを修正。マシン性能を出し切っての予選5番手にフェルスタッペンも満足
AUTOSPORT web
ポールのラッセル「壁に接触、望みが消えたかと思った」マシンの速さについては「理由が分からない」/F1第22戦
ポールのラッセル「壁に接触、望みが消えたかと思った」マシンの速さについては「理由が分からない」/F1第22戦
AUTOSPORT web
次期デリカD5はこうなってほしい!! 唯一無二の価値を持つSUVミニバンへの期待
次期デリカD5はこうなってほしい!! 唯一無二の価値を持つSUVミニバンへの期待
ベストカーWeb
フェルスタッペン予選5番手「ベガス用リヤウイングを作らないという方針がハンデに」タイトルには有利な位置を確保
フェルスタッペン予選5番手「ベガス用リヤウイングを作らないという方針がハンデに」タイトルには有利な位置を確保
AUTOSPORT web
佐藤万璃音、2025年もユナイテッド・オートスポーツからWEC世界耐久選手権にフル参戦
佐藤万璃音、2025年もユナイテッド・オートスポーツからWEC世界耐久選手権にフル参戦
AUTOSPORT web
やっぱたまらんなV型エンジン!! [スカイラインNISMO]とレクサス[IS500]の[パンチ力]にひれ伏した件
やっぱたまらんなV型エンジン!! [スカイラインNISMO]とレクサス[IS500]の[パンチ力]にひれ伏した件
ベストカーWeb
エバンスとの実質的な一騎打ちもタナクはトップ譲らず。ヌービルは7番手に挽回【ラリージャパン デイ3】
エバンスとの実質的な一騎打ちもタナクはトップ譲らず。ヌービルは7番手に挽回【ラリージャパン デイ3】
AUTOSPORT web
【角田裕毅F1第22戦展望】ファクトリーと現場の連携で活きたレッドブル製リヤサスペンション。改善の継続が7番手に繋がる
【角田裕毅F1第22戦展望】ファクトリーと現場の連携で活きたレッドブル製リヤサスペンション。改善の継続が7番手に繋がる
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツCLE 詳細データテスト 快適で上質な走りが身上 動力性能と燃費効率はほどほど
メルセデス・ベンツCLE 詳細データテスト 快適で上質な走りが身上 動力性能と燃費効率はほどほど
AUTOCAR JAPAN
WRCラリージャパンSS12恵那での車両進入事案について実行委員会が声明。被害届を提出へ
WRCラリージャパンSS12恵那での車両進入事案について実行委員会が声明。被害届を提出へ
AUTOSPORT web
2024年も記録保持中!? カローラ ロードスター…… ギネスブックに登録された「日本のクルマの世界一」【10年前の再録記事プレイバック】
2024年も記録保持中!? カローラ ロードスター…… ギネスブックに登録された「日本のクルマの世界一」【10年前の再録記事プレイバック】
ベストカーWeb
80年代バブル期に日本で人気だったMG「ミジェット」に試乗! 英国ライトウェイトスポーツの代表格はいまもビギナーにオススメです【旧車ソムリエ】
80年代バブル期に日本で人気だったMG「ミジェット」に試乗! 英国ライトウェイトスポーツの代表格はいまもビギナーにオススメです【旧車ソムリエ】
Auto Messe Web
【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP予選
【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP予選
AUTOSPORT web

みんなのコメント

18件
  • 会社で使ってる車の1台がヤリスです。
    全席優先ってあるけど、良いのは走り出しだけ。後は左右の視界の悪さ、左右後方の視界の悪さは最悪。とても運転し難いです。
    後部の居住性、荷台の狭さは差し引いても会社の人も皆んな乗り難いって言ってますね。
    自分は、アンチトヨタでは有りませんか、何故ヤリスが売れているか分かりません。
  • ヤリス、フィットと比べるなら日産はマーチじゃない?新型出てないけど…
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

172.0250.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.1290.0万円

中古車を検索
フィットの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

172.0250.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.1290.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村