2月22日、株式会社SUBARU/スバルテクニカインターナショナル株式会社(STI)は富士スピードウェイにて今シーズンのスーパーGTに参戦する車両、新型BRZ GT300のシェイクダウンおよび報道機関向けの取材会を実施した。
2021年シーズンを戦う車両はベースモデルのフルモデルチェンジに伴い刷新され、これまでも動画などでその走行シーンなどが発信されてきたが、今シーズン用にカラーリングされたマシンの公開は今回が初めてとなる。ドライバーは昨年に引き続き井口卓人選手、山内英輝選手の2名。R&D SPORTが運営を担当する。総監督は渋谷真氏から小沢正弘氏に引き継がれた。
【画像ギャラリー】新型ボディで空力アップ!新型BRZ GT300マシンの詳細
取材会の冒頭にスバルテクニカインターナショナル株式会社 代表取締役社長の平岡泰雄氏はSTIの存在意義をSUBARUブランドへの貢献だと強調。とりわけモータースポーツ活動を通じてのファンとのコミュニケーションは重要な施策だと語った。
さて、ファンとの絆を紡ぐべく開発された新しいSUBARU BRZ GT300を早速見てみよう。
全体のフォルムは市販車との関係性が重視されたGT300のレギュレーションにのっとったもので、すでに北米などで発表された新型BRZのレーシングバージョンそのものだ。メカニズムは昨年モデルを踏襲したもので大きな変更はないとのこと。気になるエンジンも引き続きEJ20型を搭載する。
ベースモデルが新型になったことで大きく変わったのは空力特性だ。GT300のマシンはもともと前後に大きなスポイラーやウイングを備えているが、それでもノーズやリアトランク後端の形状の効果は大きいという。ベースモデルの日本での発売も気になるところだ。
またボディ後端のタイヤが露出したボディ形状も、新たに採用されたデザイン。先日北米で公開された新型モデルを見るかぎり、サイドの後端がキックアップした特徴的な形状は、GT300のマシンでもSTIのシンボルカラーでもあるチェリーレッドのラインで表現されている。
なおボンネットにもSTIが中軸であることを表現したラインがスッと引かれていて、その両サイドのブラック/グレーのラインは水平対向エンジンを表しているという。
小沢正弘総監督によると、マシンの速さが結果には結びつかず悔しい展開が多かった2020シーズンのBRZだが、その進化は十分感じ取れたシーズンでもあったという。今回の新型はその正常進化版といえるものだが、各パーツの取り付け位置やドライバーが操作するスイッチなどの操作感など細部は相当作り込んでいるとのことだ。
井口、山内、両ドライバーともに新型マシンについて、現時点でも昨年のように乗れて相当いいフィーリングだと語っている。あとはタイヤとのマッチングを考えながら今シーズンの開幕戦に向けセットアップを煮詰めるという。
井口選手は、山内選手とはもう7年間コンビを組んでいることに触れ、「結婚してまだ5年、妻より長く付き合っているこのコンビでぜひとも結果を出したい!」と仲良しコンビらしい抱負を語った。
チームの目標は「全戦ポイントゲットでチャンピオン」とあくまで一番高いところを目指す。六連星のエンブレムを持つスバルのマシンがナンバーワン!との想いを込めたゼッケン「61」。スバルファンやチームの想いが詰まったマシンでの初戦は4月10日~11日、岡山国際サーキット。その走りが今から楽しみだ。
なお、SUBARUは例年1月に幕張メッセで開催されている東京オートサロンでモータースポーツの体制発表を実施してきたが、今年はオートサロンが中止。そのため、今回の取材会で体制発表が行われた。その模様は追って報告する。
〈文と写真=高橋 学〉
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