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日産 スカイライン250GTは塊り感のあるFRスポーツセダンに仕上がっていた【10年ひと昔の新車】

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日産 スカイライン250GTは塊り感のあるFRスポーツセダンに仕上がっていた【10年ひと昔の新車】

2010年1月に日産の12代目スカイラインがマイナーチェンジを受けた。エクステリア、インテリアのデザインが変更されると同時に、2.5L FRモデルに7速ATが採用された。Motor Magazine編集部では、この7速ATを採用した250GT Type P 2WDの試乗テストを行っている。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2010年4月号より)

新デザインのフロントグリルの採用でより精悍に
スカイラインとはどういうクルマであるべきなのだろうか。その答は人それぞれによって違うだろう。伝統と栄光の歴史の中で、スカイラインは時代とともに変化してきたが、それとともに人々のスカイラインに対する期待やイメージも微妙に変わってきている。スカイラインという名前をつけることが果たしていいことなのか。スカイラインを名乗ることで得るものは大きいだろうが、背負わなければならないもの、失うものもあるだろう。スカイラインはつくづく難しいクルマであると思う。

日産スカイラインのエクステリア&インテリアを一部仕様変更。400Rに新ボディカラー「ミッドナイトパープル」の追加も

そんなことを考えながら、新しいスカイライン250GTタイプPに試乗した。

スカイラインは、2.5Lまたは3.7LのV型6気筒エンジンをフロントに搭載するFRの4ドアセダンを中心に、2.5Lモデルに4WD仕様も設定、さらに2ドアクーペもラインナップするD/Eセグメントのプレミアムモデル。2ドアクーペは3.7LのFRのみで、これには6速マニュアルも設定されている。

そのスカイラインシリーズは2010年1月6日にマイナーチェンジを受けている。新デザインのフロントグリルやバンパーなどを採用することでスタイリングを精悍なものにしたほか、スポーツグレードのタイプSPとタイプSにひときわアグレッシブな演出を施す一方で、300万円を切る車両価格の250GT Aパッケージを設定、その魅力をさらに拡大している。インテリアでは地デジチューナー内蔵HDDカーウイングスナビゲーションシステムの採用、センターコンソールのデザイン変更や質感向上も行っている。

最大の注目点は2.5LのFRモデルのATを従来の5速から最新型の7速に変更したことだろう。ロックアップ領域の拡大やアイドリング制御などと合わせて10・15モード燃費を12.2km/Lに向上させて自動車重量税・自動車取得税が50%となるエコカー減税も取得している。

7速AT採用で燃費が向上した上にダイレクト感も増した
走り出しの印象はいたってスムーズ、かつダイレクト。トルコンスリップを極力減少させて燃費を向上させているというが、それによりダイレクト感も出ている。スムーズな変速は、7速化により各ギア比が接近したこと、シンクロコントロールなど緻密な制御を加えたことで実現しているようだ。

7速化による恩恵は高速域でとくに顕著だ。7速100km/hでエンジン回転数は1800rpmほど。これは燃費向上とともに、静粛性向上、ドライバーの疲労軽減にも効果を発揮しそうだ。車重は10kgほど増えているが、その重量増はボディ中央部にあるので、それほど走りに影響は及ぼしていない。走りにダイレクト感が生まれ、さらに効率も上がっているのだから、7速ATの効果はすこぶる大きい。

全長4780mm、車重1610kgというボディは軽量コンパクトと呼べるものではないが、動きに一体感があって大きさを感じさせないのもスカイラインの美点。前後重量配分は53対47、バランスがいい。225psというパワーもこのボディに十分で、7速ATの採用とも相まって、速度を上げるにつれて一体感はさらに増し、クルマを自在に操っているという感覚を味わうことができる。

でも、これがスカイラインの本来の姿なのかとも思う。塊り感のあるFRスポーツセダンとしてうまく仕上がっている。ただいいクルマだからこそ、もうひとつ、「所有する歓び」を感じさせる、なにかが欲しい。かつてスカイラインは欧州勢に立ち向かうスポーツセダンの代表として脚光を浴びた。そういった反骨心を感じさせるようなものがあれば、このクルマを持つ価値はもっと出てくる。欧州のプレミアムブランドはそういった演出がうまい。

しかし、スカイラインの市場はもはや日本だけではない。欧州や北米市場ではインフィニティG37として人気を集めていることがその性格を複雑にしているようにも感じる。スカイラインはどうあるべきなのだろうか。(文:Motor Magazine編集部 松本雅弘/写真:永元秀和)

日産スカイライン250GT Type P 2WD 主要諸元
●全長×全幅×全高:4780×1770×1450mm
●ホイールベース:2850mm
●車両重量:1610kg
●エンジン:V6DOHC
●排気量:2495cc
●最高出力:165kW(225ps)/6400rpm
●最大トルク:258Nm(26.3kgm)/4800rpm
●トランスミッション:7速AT
●駆動方式:FR
●車両価格:388万5000円(2010年当時)

[ アルバム : 日産スカイライン250GT はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

7件
  • 36のセダンは2.5Lと3.5Lだと思うが…

    それはともかく、この頃まではスポーツセダンと呼んでいたのに何故か今はスポーティーセダンとか呼ばれる。
    モータージャーナリストが曖昧な表現ばかりするようになってから変な言葉が増えてきた気がします。
  • 所詮名前だけが残った別の車…
    あの方はGT−Rだけ別にして他の車種はメチャクチャにして
    トンズラ
    昔と今では日産は…
    ルノーとの繋がりも変わりそうだが以前の日産には戻れす
    でも、頑張れNISSAN
    昔の様な泥臭い車作りを!
    スカイラインに非ずインフニティブランドのバッジ違いの
    今の車に何も求めず・・・プリンスの名が泣いている。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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