3年ぶりに開催された「Z CAR FIESTA」ではサプライズも多数!
日産フェアレディZを愛するオーナーたちの集うクラブで構成されている「Z CAR FIESTA ASSOCIATION」は、毎年オーナーを集めて「Z CAR FIESTA(Zカーフェスタ)」を開催しており、日本だけでなく海外からもZオーナーを迎え、Zに携わる関係者なども招いて実施していた。
ついに国内仕様が初披露! Z432Rオマージュも! 新型日産フェアレディZに注目【東京オートサロン2022】
しかし、昨年・一昨年は新型コロナウイルス感染症の影響もあってイベント開催をやむなく断念。そして3年ぶりとなる2022年3月20日に、追浜にある日産の試験場「グランドライブ」で待望の開催とあいなったのである。
日産の追浜グランドライブで参加台数を絞って開催
この「Z CAR FIESTA ASSOCIATION」を取りまとめるのは、栃木県宇都宮市に店舗を構えるZのスペシャルショップ「アルティメイト」の代表である高賀茂哲弘氏。1990年代後半に「Zの父」としても知られる片山 豊氏と知り合ったことをきっかけに、日米のZファンの交流を図りたいと思ってイベントを立ち上げて現在に至っているのだ。
そんな「Z CAR FIESTA」であるが、今年は新型フェアレディZが登場する年ということもあって参加を希望するユーザーも多くいたそうだが、まだまだ油断できない状況ということもあり、例年100台のところ半数以下の48台とし、同乗走行などの体感イベントも実施しないというコロナ禍対応のイベントに。それでも、参加者は思い思いの時間を楽しんでいた。
通常は日産の新型車のテストや試乗会などが実施される場所であるグランドライブではあるが、このイベントだけは愛車でグランドライブ内を走行できるという稀有なものとなっている。そのために入場する際は下まわりを鏡で確認し、オイル漏れなどがないことをチェックするという厳戒態勢。
にもかかわらずオイル漏れで走行NGとなる車両がいなかったのは、参加者のZに対する愛情の深さを物語っていると言えるだろう。
Zを愛するファンたちとパレード走行&デモラン
そんな今年のZ CAR FIESTA最大の目玉とも言えるのが、新型フェアレディZを間近で見ることができるというもの。
すでに東京オートサロンなどイベントでの展示などはされてきた新型フェアレディZではあるが、フェンスもなしに間近で見られるチャンスはここが初ということで、詳細なディテールのチェックや車体下部を寝転んで観察する人など、Zユーザーならではの目線で確認する姿が印象的だった。
そしてグランドライブをパレード走行する際は、2台の新型フェアレディZが伴走車となり、最後方に位置した1台がユーザーカーを一気に追い越すというデモンストレーション付き。間近で走る新型を堪能することができる粋な演出がなされていた。
また、日産自動車実験部のテストドライバーによるパフォーマンス走行も披露され、フルノーマル状態でありながらドリフト走行や八の字旋回などを披露。新型フェアレディZのコントローラブルさを垣間見ることができたほか、ローンチコントロールの実演も行われた。
迫力の「ローンチコントロール」は来場者を魅了
華麗なスタートダッシュを決めることができるローンチコントロールは、水温、油温が60℃~100℃以下の状態で実施することができる。AT車の場合はSPORTモードに入れ、左足ブレーキをしたままパドルシフトを両引きし、アクセルを一気に踏み込むとメーターに表示が出るので、その後にパドルとブレーキをリリースするというもの。
一方のMT車では、シンクロレブコントロールをONにし1速に入れ、アクセルを一気に踏み込むとこちらもメーターに表示がされるので、その瞬間にクラッチを繋ぐとローンチコントロール成功となる。MT車はこのあと2速にシフトアップするときも、アクセルを戻すことなくシフトアップすることが可能ということで、使えるシーンは限られてしまうが、オーナーとなった暁には一度は試してみたい機能と言えるだろう。
午前の部の閉会式には、新型フェアレディZとGT-Rのチーフプロダクトスペシャリストである日産自動車の田村宏志氏も登場。新型が登場するまでの苦労やリリースイベントの裏話、そしてここでは書くことができないサプライズの先行発表まで盛りだくさんの内容となっていた。
280ZXターボのオーナーから見た新型Z
新型フェアレディZの実車を目の当たりにしたZオーナーに率直な感想を聞いてみた。まずは130型の「280ZXターボ」に乗る森 大輔さん。20代のころも逆輸入車の130Zに乗っていたという森さんは、2年ほど前に現在の愛車である280ZXターボを手に入れたとのこと。
日本仕様には存在しない2.8Lターボエンジンを搭載するモデルは当時からの憧れの1台だったということで、ノーマル+αのカスタマイズを楽しまれている。
そんな森さんは、130Zに思い入れが強いということもあって、フェアレディZは130で完結したと考えているそうだが、新型はさまざまな歴代Zのオマージュが散りばめられているということもあって気になる存在ではあると話してくれた。130Zを手放すことはないが、セカンドカーとしてならアリかも……と思いはじめているようだ。
Z32&Z33ご夫婦から見た新型Z
もうお一方は、「Z PROJECT SHIZUOKA」の代表を務める津島 裕是(ひろゆき)さん。自身はフルカスタムのZ32にお乗りとのことだが、今回は奥さまの愛車であるZ33で参加されていた。カスタム派の裕是さんとフルノーマルが至高という奥さま、まったく正反対のおふたりではあるが、Zへの愛はどちらも同じくらい深いようだ。
そんな津島さんは、自身がS30好きかつZ32オーナーということもあり、両車のテイストが散りばめられている新型は非常に気になる存在に。発表されたタイミングで奥さまに購入していいか打診したところ、「Z32を手放すならいいよ」と言われたそう。
ただ実車を見たらやはり欲しい気持ちが再燃してきたということで、「Z32を維持しながら増車できないかもう一度チャレンジしてみます」と話していた。
このようにZオーナーの多くは今の愛車が一番ではあるものの、新型に対しても好意的な印象を抱いている人が多いようで、メーカーとしてもひとまずホッと胸をなで下ろしているところかもしれない。
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