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BC戦争勃発で「強敵ブルーバード」を撃破! 今こそ傑作セダン「コロナ」の歴史を振り返る

掲載 更新 8
BC戦争勃発で「強敵ブルーバード」を撃破! 今こそ傑作セダン「コロナ」の歴史を振り返る

トヨタを支えた傑作ミドルセダンの歴史を振り返る

 かつてトヨタが生産していたミディアムサイズセダン、コロナ。ふと思えばどうなったのだろうか? まず結論からいうと、後継車だったプレミオが2021年3月をもって消滅。これでカローラを除き、国内市場では中型セダンがすべてなくなってしまったことになる。同様に日産でブルーバードの系譜を受け継いでいたシルフィも無くなったばかり。セダン不振が叫ばれる昨今、仕方がないとはいえ、伝統のモデルたちが続々と姿を消してしまったのはじつに寂しい。

「技術の日産」を体現した名車「ブルーバード」! 消滅せざるを得なかった「苦しい事情」とは

初代:ダルマコロナの愛称で親しまれる

 鎮魂も兼ねて、コロナの歴史を振り返ってみると、華やかな経歴に彩られた時代もあるなど、名車であったことがわかる。初代コロナが登場したのは1957年のことで、正式にはトヨペット・コロナだった。モータリゼーション前夜ということもあって、メカニズムではモノコックボディ以外は目新しいものがなかったし、デザインもダルマコロナという愛称が付けられたが、実際は垢抜けなかった。 そもそもタクシー向けにクラウンの下のクラスを埋めるべく、タクシー業界の意向、そしてトヨタ自販の指示もあり、急遽開発されたモデルだけに仕方がない面もあった。時代はダットサンとのし烈な競争が繰り広げられていて、小型タクシーではトヨタは該当車種がなかったというのが背景にある。

2代目:BC戦争が勃発

 1960年に登場した2代目は打倒ダットサンを掲げ、デザインも伸びやかでクリーンなものへと進化した。ただし、パーソナルカー、つまり自家用車としては好評だったが、懸案のタクシー向けとしては当初耐久性不足が指摘されるなど、苦戦を強いられた。

 その後、エンジンの排気量アップや各部の補強などによるてこ入れによってなんとか挽回できたが、BC戦争とまで言われた日産のブルーバードとの対決という点では、勝るまでには至らなかった。

3代目:ついにブルーバードを打ち負かす

 そしてモータリゼーション真っ盛りの1964年に登場したのが3代目で、ここでコロナの地位は確立したと言っていいだろう。アローラインと呼ばれる逆スラントのフロントマスクは新鮮だったし、足まわりを中心にして新たに設計された部分も多かった。

 そして開通したばかりの阪神高速道路を使って、10万km連続高速テストを公開で行った。58日間かけて10万kmを走行し、信頼性をアピール。これが功を奏してか、ついにブルーバードを販売台数で追い抜き、BC戦争に決着をつけることができた。

 また3代目で忘れてはならないのは、トヨタ1600GTの存在だ。コロナをベースにしているため、見た目は同じに見えるが、実際は別物。

 車名からもわかるように、トヨタ2000GTの弟分としてリリースされたもの。9R型と呼ばれる直4は2000GTのM型から2気筒を減らして作られていて、5速MTやキャブ、そしてシートも2000GTと同じものを使用している。レースでは、格上となるスカイラインGT-B、そしてハコスカとも互角に戦うなど、多くの伝説を残した。

4代目:マーク2が別モデルになる

 4代目以降となると、5ナンバーサイズのミディアムセダンという立ち位置はそのままにして、実直なセダンとして進化。

 3代目の末期に上級となるコロナマークIIが枝分かれする形で登場したこともあり、実用性を重視したセダンへとシフトしていくことになる。

5代目以降:スポーツグレードも話題に

 メカニズムのトピックスといえば、ホンダからCVCCの技術提供を受けて開発したTTC(トヨタトータルクリーンシステム)を搭載した、19R型と呼ばれるエンジンを5代目に搭載。

 同じく5代目では時代に先駆けて安全性をアピール。メカの異常を知らせる警告灯をオーバーヘッドコンソールに並べた「OKモニター」など、いくつかのトピックスはある。

 当時はセダンでも定番だった、スポーツグレードの設定はあり、1970年代には2Lを搭載した2000GTを設定。

 1982年登場の7代目には2000GTに代わって、ツインカムターボを搭載した1800GT-TとGT-TRというホットなグレードも存在した。 コロナの派生車種といえば、4ドアクーペ的なスペシャリティセダンとしてコロナクーペ、そしてその後継たるコロナEXiVを思い浮かべる方もいると思う。だが、こちらはコロナと付くもののセダン系とは別物で、セリカをベースとしていて車格的にも上。セダン系よりも若々しいイメージだったし、JTCC(全日本ツーリングカー選手権)で活躍したこと(コロナも1年だけ参戦)もあって、エクシヴの人気は高かった。

1990年代以降:セダン人気に陰りが見えるも奮闘

 1990年代に入ると、セダン人気に陰りが見えてきたことから、テコ入れ的に1996年登場の11代目ではコロナプレミオと、サブネームがつく。

 そして2001年にはブレミオだけとなった。そこから2代続いたが、結局は2021年に消滅。BC戦争のライバルだったブルバードもブルーバードシルフィからシルフィとなって、2020年に生産終了して幕を下ろしており、永遠のライバル同士が似たような形で消えていったのは感慨深いものがある。

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みんなのコメント

8件
  • まあ、一つ言えるのは、今後この『コロナ』を名乗る新車は出ないという事。

    「新型コロナ誕生!」

    どう考えてもムリだわ・・・
  • ブラウンカラーにビッグバンパーが

    70~80年代のトヨタらしくてカッコいい
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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