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より直感的で滑らかに アルファ・ロメオ・トナーレ・プラグインHV(2) ブランドへの期待値は高い

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より直感的で滑らかに アルファ・ロメオ・トナーレ・プラグインHV(2) ブランドへの期待値は高い

直感的で滑らかに動くパワートレイン

アルファ・ロメオの牽引役を担う、アルファ・ロメオ・トナーレ。充分なモーターとバッテリーを与えたと主張されるマイルド・ハイブリッドだが、運転するともう少し電気の力が欲しく思える。洗練度は低くないが、エンジンの出番が多くノイズも大きい。

【画像】ブランドへの期待値高し アルファ・ロメオ・トナーレ 近似サイズのクロスオーバーたち 全166枚

他方、269psのプラグイン・ハイブリッドはパワフル。アクセルレスポンスに優れ、余力が頼もしい。駆動用バッテリーに、充分な電気が蓄えられていれば。

2026年仕様では、1.3L 4気筒ターボエンジンは欧州の排気ガス規制、ユーロ6eへ対応。最高出力は10psほど減じているが、路上では殆ど違いを感じられない。むしろ、従来より遥かに直感的で滑らかに動くようになった。

エンジンとモーターのバトンタッチは、驚くほどシームレス。ガソリンと電気、どちらのエネルギーで走っているのか、意識しなくなるほど。

充電量が乏しくなると低下するレスポンス

バッテリーの充電量が乏しくなると、1.3Lエンジンのややガサツなノイズが響き出す。レスポンスも低下し、ドライバーの気持ちを削いでしまう。アクセルペダルを深く踏み込むと制御が切り替わり、活発さが復活するけれど。

駆動用バッテリーを充電する影響で、低速域での変化は特に大きい。好感触なアルミ製パドルを備えるが、マニュアル・モード時の6速ATも、期待ほど鋭く変速しない。それでも、マイルド・ハイブリッドよりトナーレと相性に優れるパワートレインではある。

ブレーキには電動ブースターが備わり、ペダルの踏み心地は柔らかめ。回生ブレーキを実装するが、摩擦ブレーキと調和し、制動力の立ち上がりへ不自然さはない。

シャシーは、トレッドが8mm広がったこと以外、アップデート前とほぼ変わらない。操縦性が鋭くなったと主張されるものの、見た目のやる気が増したことの方が、効果としてはわかりやすいかも。

クイックなステアリング 高速で増す安定感

ステアリングの反応は、しっかりクイック。一方でフィードバックが薄く、手応えは今ひとつ。ボディロールは抑制されているが、スポーティなSUVとしては小さくない。

プラグイン・ハイブリッドは四輪駆動だから、アクセルオン時の優れたバランスを期待したくなるが、エンジンが担当するフロントと、モーターが担当するリアの協調性は今ひとつ。ヘアピンカーブが迫っても、颯爽と旋回しようとは思わせにくい。

乗り心地は、通常のダンパーが組まれるマイルド・ハイブリッドの方が、傷んだアスファルトでの安定性で僅かに勝る。アダプティブダンパーが備わるプラグイン・ハイブリッドは、落ち着きを得るのに若干苦労していた。高速道路では、安定性が高まるが。

今回の試乗で、電気だけで走れた距離は58km。サーキットも交えた複合的なルートでの燃費は、平均で17.6km/Lとなった。高速道路の巡航では、11.3km/Lへ悪化していた。充電速度は、最高で7.4kWと遅い側にある。

評価できる仕上がり 更なる特徴や洗練性が欲しい

より凛々しい見た目と、魅力的な内装を得たトナーレ。プラグイン・ハイブリッドは、バッテリーの充電量が充分ならアルファ・ロメオらしく活発で、操縦性も好ましい。だが、運転体験には更なる特徴や洗練性が欲しいところ。価格も、お高めといえる。

ジュリアやステルヴィオより、売れ筋のカテゴリーであることは間違いない。そのぶん、競争は激しい。ステランティス・グループという規模を活かしつつ、もっとアルファ・ロメオらしい仕上がりを目指すこともできたように思う。

ゼロスタートという開発経緯を振り返れば、評価できる仕上がりといえる。だが、似た条件で生まれたジュリアやステルヴィオが、一層の魅力を宿すことも無視はできない。

◯:洗練され魅力ある容姿 悪くない動力性能 電気だけで充分な距離を走れる プレミアム・ブランドとして競争力のある価格
△:ブランドへの期待値へあと1歩の動的能力 駆動用バッテリーの充電量で変わる運転体験 狭めの車内空間

アルファ・ロメオ・トナーレ・プラグイン・ハイブリッド Q4スポーツ・スペチアーレ(欧州仕様)のスペック

英国価格:約5万4000(約1102万円/試乗車/予想)
全長:4530mm
全幅:1840mm
全高:1600mm
最高速度:206km/h
0-100km/h加速:6.6秒
燃費:91.0km/L
CO2排出量:26g/km
車両重量:1835kg
パワートレイン:直列4気筒1332cc ターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:15.5kWh
最高出力:269ps/5750rpm(システム総合)
最大トルク:39.3kg-m(システム総合/予想)
ギアボックス:6速オートマティック(前)+ダイレクトドライブ(後)/四輪駆動

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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