現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 貧乏人を苦しめる天下の悪法「旧車増税」! ムリしてでも増税対象のクルマを買い替えたほうが得なのか?

ここから本文です

貧乏人を苦しめる天下の悪法「旧車増税」! ムリしてでも増税対象のクルマを買い替えたほうが得なのか?

掲載 164
貧乏人を苦しめる天下の悪法「旧車増税」! ムリしてでも増税対象のクルマを買い替えたほうが得なのか?

 この記事をまとめると

■自動車税の納期限である5月31日が過ぎた

旧車ユーザーが憤慨するガソリン車13年・ディーゼル車11年での増税! 年数の根拠を総務省に直撃した

■登録した年から13年が経過すると自動車税の重課対象となる

■増税対象の旧車は買い替えたほうが得なのだろうか?

 自動車税の重課は最大1万7600円

 自動車税の納期限である5月31日が過ぎたが、あなたは納税済みだろうか。

 ユーザーにとって毎年恒例の憂鬱な納税といえるが、この時期になると新たに自動車税の重課対象となったオーナーから怒りの声が聞こえてくる。一方で、もう新車に買い替える予算もなく、もう何年も重課されているオーナーからすると諦めにも似た心境になっているかもしれない。

 ご存じのとおり、ガソリン車において初めて登録した年から13年が経過すると自動車税の重課対象となり、おおむね15%ほど税額が増えてしまう。通称「旧車増税」と呼ばれる天下の悪法だ。

 さらに令和元年10月1日以降に登録したクルマは自動車税が軽減されたため、新車との差は拡大している。つまり、同じ排気量であっても、自動車税の税率は「13年経過車」、「令和元年9月30日以前登録車で13年に達していないクルマ」、「令和元年10月1日以降に新規登録したクルマ(新車)」の3つにわけることができる。

 もっとも排気量の小さい1リッター以下の自動車税ではどのようになっているのだろうか。具体的にトヨタ・ヴィッツと、その後継モデルであるヤリスを比べてみると以下のようになる。 初代・2代目ヴィッツ:3万3900円

 3代目ヴィッツ:2万9500円

 ヤリスと3代目ヴィッツ後期:2万5000円 初代ヴィッツに乗っていると3万3900円の重課となり、ヤリスの1リッター車を新車で買えるユーザーは2万5000円で済む。古いクルマを大事にしていると、8900円も増税になってしまうのだ。

 自動車税は0.5リッターごとに税率が変わり、最大で6.0リッター以上までの10段階となっている。旧車増税対象車と新車の自動車税(自家用)を比較して整理すると次のとおりだ。 1.0L以下:新車2万5000円 旧車3万3900円

 1.0超1.5L以下:新車3万500円 旧車3万9600円

 1.5超2.0L以下:新車3万6000円 旧車4万5400円

 2.0超2.5L以下:新車4万3500円 旧車5万1700円

 2.5超3.0L以下:新車5万円 旧車5万8600円

 3.0超3.5L以下:新車5万7000円 旧車6万6700円

 3.5超4.0L以下:新車6万5500円 旧車7万6400円

 4.0超4.5L以下:新車7万5500円 旧車8万7900円

 4.5超6.0L以下:新車8万7000円 旧車10万1200円

 6.0L超:新車11万円 旧車12万7600円 毎年、これだけの差があると知ると気が重くなるかもしれない。とはいえ、もっとも差が多い6リッター超のクラスであっても新車との差は1万7600円に過ぎないともいえる。自動車税が重課されるという理由だけで新車に買い替えたとしても、その差額を回収できるはずもない。ましてエンジン車を買ってしまえば、いまの制度のままでは13年後には増税対象となるのだから意味がない。

 旧車増税を認めるつもりはなくとも、重課された自動車税を払っているほうが新車を買うよりクルマ関係の出費を抑えることができるといえるのだ。

 サンクコストバイアスには気をつけたい

 では、燃費性能で比べるとどうなのか?

 初代ヴィッツの時代のカタログ値は10.15モードで、現在はWLTCモードとなっているため比較することは難しいが、カタログ値を振り返ると、初代ヴィッツの1リッター車は19.6~22.5km/Lとなっていた。一方で、ヤリスの1リッター車は19.6~20.2km/Lであるので、計測モードを無視すればさほど変わらない。

 仮に初代ヴィッツが経年劣化などでカタログ値の半分程度の燃費性能になっていたとしても10km/Lで走ることはできる。新車のヤリスがWLTCモードで走ったと仮定しても、年間に使うガソリン代は倍程度で済むといえる。

 仮に年間5000km走るとして、初代ヴィッツの使うガソリンは500リットルで、ヤリスは250リットル。レギュラーガソリンを160円/Lとして計算すると、年間の燃料代は初代ヴィッツが8万円で、ヤリスが4万円だから、その差は4万円となる。

 自動車税と燃料代に絞って年間維持費・ランニングコストを比較すると、初代ヴィッツはヤリスに対して5万円程度を多めに払うという計算になる。あらためていうが、この程度の金額差を埋めるためだけに新車に買い替えるというのは、愚の骨頂だ。

 もっとも旧車にこだわって大事にしているのではなく、単なる移動手段として所有しているのであれば、修理代などのコストも考慮していく必要がある。

 メンテナンスコストや、故障のたびに修理工場に持ち込む手間などを考えれば、手がかからない年式のクルマに乗り換えるほうが、QoL(生活の質)は上がるかもしれない。

 よく「前回の車検で20万もかけて修理したから、まだまだ乗らないともったいない」という話を聞くが、年式によっては「次回の車検ではもっと修理代かかるのでは?」と思うこともある。

 修理など過去に要したコストに影響されて将来的な判断が歪んでしまう状態を『サンクコスト(埋没費用)バイアス』と呼んだりするが、移動手段としてのマイカーであれば、サンクコストバイアスがあることを意識して、冷静に判断するのもユーザーの知恵といえる。

 旧車増税の対象になる年式というのは、故障が増えてくるタイミングや純正部品の供給が止まりはじめるタイミングと合致することが多い。その意味では、買い替えを考えるきっかけにするのは、あながち間違っているとはいえないだろう。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

日産 [アリア]って実は完成度高すぎる[クルマ]じゃない?
日産 [アリア]って実は完成度高すぎる[クルマ]じゃない?
ベストカーWeb
こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】もう二度と作ることができない限定400台[インプレッサ22B-STiバージョン]はいまや3000万円以上!!!!
こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】もう二度と作ることができない限定400台[インプレッサ22B-STiバージョン]はいまや3000万円以上!!!!
ベストカーWeb
佐藤万璃音を擁してWEC・LMGT3に参戦するユナイテッドAS、マクラーレン720S GT3エボの新リバリー発表
佐藤万璃音を擁してWEC・LMGT3に参戦するユナイテッドAS、マクラーレン720S GT3エボの新リバリー発表
AUTOSPORT web
【詳細データテスト】プジョー5008 経済性は良好 走りと快適性は及第点 実用性や居住性は不満も
【詳細データテスト】プジョー5008 経済性は良好 走りと快適性は及第点 実用性や居住性は不満も
AUTOCAR JAPAN
「スーパーフォーミュラしかない!」念願かなったルーキーたちの課題は。2レース制増も影響か
「スーパーフォーミュラしかない!」念願かなったルーキーたちの課題は。2レース制増も影響か
AUTOSPORT web
こ、これアウトランダーじゃね!? 決算説明から見えた[日産PHEV第1号車]は三菱からのOEMか?
こ、これアウトランダーじゃね!? 決算説明から見えた[日産PHEV第1号車]は三菱からのOEMか?
ベストカーWeb
日産「フェアレディZ」にワゴンが登場!?  実は「ステージア」ベースで「リーフ」リアゲートを移植…車検をとって公道走行可能なカスタムカーでした
日産「フェアレディZ」にワゴンが登場!? 実は「ステージア」ベースで「リーフ」リアゲートを移植…車検をとって公道走行可能なカスタムカーでした
Auto Messe Web
実はサーキットより面白い? 本気のオフロード走行のススメ SUV人気の裏にある魅力
実はサーキットより面白い? 本気のオフロード走行のススメ SUV人気の裏にある魅力
AUTOCAR JAPAN
「オートモビリア」って、なに? ミニカーや古本などがずらりと並んだ「アミューズメントゾーン」にはキャンギャルも登場して熱気に包まれてました
「オートモビリア」って、なに? ミニカーや古本などがずらりと並んだ「アミューズメントゾーン」にはキャンギャルも登場して熱気に包まれてました
Auto Messe Web
「これが売れなかったら四輪撤退…」→超ロングセラーに! 世界の「シビック」を生んだ“妙な納得感のある理論”とは
「これが売れなかったら四輪撤退…」→超ロングセラーに! 世界の「シビック」を生んだ“妙な納得感のある理論”とは
乗りものニュース
沼にハマる 『レトロモビル2025』でフランス車の魅力に迫る 高い技術力と芸術的デザインの融合
沼にハマる 『レトロモビル2025』でフランス車の魅力に迫る 高い技術力と芸術的デザインの融合
AUTOCAR JAPAN
トヨタ「86」&スバル「BRZ」用クラッチは「歯打ち音」を低減!「ヤリス」用は半クラが扱いやすい…待望のアイテムが「小倉クラッチ」からリリース!
トヨタ「86」&スバル「BRZ」用クラッチは「歯打ち音」を低減!「ヤリス」用は半クラが扱いやすい…待望のアイテムが「小倉クラッチ」からリリース!
Auto Messe Web
帽子を焦がしたレーシングシャシー ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(1) バラバラからの再生
帽子を焦がしたレーシングシャシー ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(1) バラバラからの再生
AUTOCAR JAPAN
先端の「クマ」も再現 ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(2) 受賞多数のオープンボディ
先端の「クマ」も再現 ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(2) 受賞多数のオープンボディ
AUTOCAR JAPAN
トヨタ勝田貴元、惜しくも優勝逃す2位フィニッシュ……3.8秒差で僚友エバンスに軍配|WRCラリー・スウェーデン
トヨタ勝田貴元、惜しくも優勝逃す2位フィニッシュ……3.8秒差で僚友エバンスに軍配|WRCラリー・スウェーデン
motorsport.com 日本版
スズキの超ハイルーフ「本格SUV」に期待大!「ジムニー」超える“悪路走破性”に「まるで軍用車!?」な斬新デザイン採用! 日常から“アウトドア”まで大活躍の「エックスヘッド」コンセプトがカッコイイ!
スズキの超ハイルーフ「本格SUV」に期待大!「ジムニー」超える“悪路走破性”に「まるで軍用車!?」な斬新デザイン採用! 日常から“アウトドア”まで大活躍の「エックスヘッド」コンセプトがカッコイイ!
くるまのニュース
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
WEB CARTOP
被災3年…ついに架設スタート! 阿武隈川を渡る国道399号“軽くなる”新しい橋の姿は?
被災3年…ついに架設スタート! 阿武隈川を渡る国道399号“軽くなる”新しい橋の姿は?
乗りものニュース

みんなのコメント

164件
  • 地方の僻地に住んでるんだけど、隣町の県立病院まで20㎞以上ある。
    年金で暮らしている老夫婦の頼みの綱がクルマ
    買い替えるカネなんて無いんだよ
    30万円の中古すら買えなければ、
    高くても自動車税払って乗るしかない
  • >貧乏人を苦しめる天下の悪法

    旧車ユーザーを貧乏人と決め付けるのは違うと思うが
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

211.5233.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

9.8419.8万円

中古車を検索
ヴィッツの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

211.5233.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

9.8419.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村