この記事をまとめると
■スズキ唯一のミニバン「ランディ」の歴史を振り返る
100年の間には冒険したクルマも! 「名車」だらけのスズキが生んだ「迷車」6台
■当初は自社のエブリィをベースとしていた
■2007年から日産セレナをベースとしており2022年からはトヨタのノアがベースとなった
知る人ぞ知るスズキのミニバン「ランディ」とは
先日、フルモデルチェンジを発表したスズキの3列シートミニバンであるランディ。もしかしたらあまり馴染みのない車種であるかもしれないが、このモデルはスズキが生産するものではなく他車からOEM供給を受けて販売している車両となっており、先代型までは日産セレナ、そして新型ではトヨタ・ノアがベースとなっているのだ。
そんなランディであるが、その源流は1999年に発表された「エブリイ+(プラス)」というモデルにある。このモデルはその名のとおり軽自動車のエブリイがベースとなっており、衝突安全基準に適合するために延長された鼻先や、フェンダーモールを取り付けて普通車としたもの。
搭載されるエンジンは1.3リッターとなり、シートレイアウトも2+2+3の7人乗りとなっていた。室内空間はホイールベース含め変更されていなかったが、巧みなシートレイアウトで無理なく7人乗車を可能としていた点はさすがスズキといったところだろう。
そんなエブリイ+は2001年5月にマイナーチェンジを実施し、車名を「エブリイランディ」へと改名。大型のメッキグリルやメッキ加飾付きのエアロパーツを纏って上級感を演出しただけでなく、従来型ではフロアに備わっていたシフトをインパネに移設することでより広々とした室内空間を実現する改良もなされていたのだった。
セレナをベースとして使い勝手が向上!
そんなエブリイランディは2005年8月にエブリイがフルモデルチェンジを実施したタイミングで消滅し、しばらくスズキに3列シートミニバンが存在しない時期があったのだが、2007年1月に日産セレナ(C25型)をベースとした「ランディ」が登場した。
セレナがベースとなったことで乗車定員は8人となり、排気量も2リッターへと大きく拡大されたが、セレナで人気のエアロ仕様、ハイウェイスターに準ずるグレードは存在しないほか、サンルーフや両側パワースライドドアといった一部の装備もランディでは設定されないという差異があった。
その後もセレナのモデルチェンジに合わせてランディもモデルチェンジを実施したが、代が変わってもハイウェイスターに準ずるグレードは設定されず、C27セレナをベースとしたランディでは「e-POWER」を搭載した仕様もラインアップされないといった差別化がなされていた。
そして2022年7月に新たにトヨタ ノアをベースとした4代目ランディが登場。ノアに存在するエアログレードが設定されないのは相変わらずだが、2リッターガソリンモデルのほか、1.8リッターハイブリッドもラインアップされ、ランディ初のストロングハイブリッド仕様も用意されることとなった。
グレード名はノアにもある「G」となっているが、リヤオートエアコンやフロントシートヒーターが全車標準装備となる一方で、ディスプレイオーディオやDCM(専用通信機)が備わらないといった装備間の違いがある。
しかし、現在半年以上の納期となっているノアに対し、ランディは仕様によってはかなり早めに納車されるものも存在しているようで、もし装備差が気にならないというのであればランディを検討してみるのもアリかもしれない。
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